フリマアプリはブランドを知り、新品購入するきっかけに。「ファッション二次流通に関する意識調査レポート」

ECのミカタ編集部

株式会社アパレルウェブが運営する会員組織アパレルウェブイノベーションラボ(以下AIL)は、フリマアプリの楽天「ラクマ」の協力を得て、フリマアプリユーザーにおけるファッション二次流通に対する意識調査を実施した。楽天「ラクマ」ユーザー8,397人、およびファッション企業37社が回答。

フリマアプリへの印象は概ねポジティブ

フリマアプリへの印象は概ねポジティブ

企業側の意識調査によると、37社中28社が「フリマアプリによる自社サービス(一次流通)への影響がある」と回答している。

ネガティブ、ポジティブ両軸の印象を聞いた結果では、ポジティブに受け止めている企業が多く、23社が「サステナビリティの側面でポジティブに受け止めている」と返答。続いて、「自社商品を顧客以外に知ってもらえる機会になるのでポジティブ」という回答も見られた。

フリマアプリは「ブランドとの出会い」の場

フリマアプリは「ブランドとの出会い」の場

企業側の意識調査でも多くの企業が期待していたのが、「二次流通が自社商品を顧客以外に知ってもらえる機会になりえるのか」という点について。

調査の結果、「フリマアプリ上で初めて知ったブランドがあるか?」という問いに対しては47.5%が「ある」と回答。「フリマアプリで初めて購入したブランドがあるか?」という問いに対しては50.7%が「ある」と回答している。特に若年層では「ある」と回答した割合が多くなっており、10代で63.0%、20代で58.2%という結果になった。これらの質問から、フリマアプリユーザーは、知らないブランドをフリマアプリを通して知り、購入まで行っているということがわかった。

フリマアプリをきっかけにブランドのファンに

フリマアプリ内でつながった新しい顧客はブランドのファンの予備軍となる。

知らないブランドをフリマアプリ内で購入したことがあるユーザーに対して、その後の行動について聞いてみた結果、「そのブランドの店舗に足を運んだ」が18.1%、「WEBでそのブランドの新品を確認した」が51.4%だった。さらに新品の購入にまで結びついたのは店舗が18.1%、WEBが13.6%で、どちらか一方で新品の購入に結びついたユーザーは20.2%という結果に。

若年層では「そのブランドの店舗に足を運んだ」と回答した割合が他の年代より高く、10代で35.3%、20代で22.8%という結果になった。フリマアプリがブランドや商品を知るきっかけを作りだし、さらには新しい顧客を生み出しているということがわかるだろう。

意外な価値を生み出すフリマアプリ

買ったことのないブランドの商品を、なぜフリマアプリで購入するのか。

フリマアプリ内で購入する理由で最も多かったのは「価格が安いから」で77.3%だった。購入したことがないブランドの商品を購入するときに、一次流通よりも安価に手に入るフリマアプリを利用するというのが新規ブランド購入の入り口になっているようだ。

また、28.5%が「店舗やWEBサイトで売り切れの商品だから」、34.7%gが「もう新品では販売されていない過去の商品だから」と回答しており、フリマアプリだからこそ見つけられる商品があることも大きな購入理由となっていることがわかる。これまでも新品の売り上げが上がるなど意外な価値を生み出してきたフリマアプリ。その勢いはとどまることを知らず、まだまだ時代に合わせたニーズを生み出す可能性を秘めている。

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