荷主とドライバーをつなぐ「ハコベル」 登録3万件突破
ラクスル株式会社は、荷主とドライバーをつなぐマッチングサービス「ハコベル」が9月、登録アカウント数が30,000件を突破したと発表した。
新型コロナウイルスの影響で、法人の登録ユーザーによる「飲料」や「医療・介護用品」の利用需要が急増したという。
物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」
「ハコベル」は2015年にサービスを開始。荷主とドライバーを繋ぐマッチングサービスで、ライバーの空き時間を活用することで送り主は低価格で配送ができる仕組みで、法人や個人が利用できる。
現在は軽貨物を対象とした「ハコベルカーゴ」と、一般貨物を対象とした「ハコベルコネクト」を展開している。2019年からは業務の効率化を目的とした配車管理システムの提供も開始した。
EC市場の拡大などに伴って配送の需要は増加する一方、物流業界ではドライバー不足が課題となっており、解決策の一つとして注目を集めている。
取扱荷物は「新しい生活様式」傾向へ
ハコベルを利用している法人の登録ユーザーを対象に「コロナ前後で配送量が増加した荷物」を調査したところ、最も多かったのは「飲料」でコロナ禍前の2倍以上になった。
2位以下は、医療・介護用品(157%)、日用消耗品(145%)、電子機器(105%)、植物(104%)と続き、自宅で過ごす時間が増えたことによる需要の増加が表れた形だ。
PC周辺機器など各種機材も需要の増加が見受けられ、政府が4月に出した緊急事態宣言により普及が加速したテレワークが要因となっていると考えられる。
一方で、オフィスや店舗の什器、備品や靴・カバンなどの衣料品は30%近く減少しており、外出の需要が減少したことによる影響が浮き彫りとなった。
個人の登録ユーザーでは「家具・家電」「自転車」「梱包資材」などがコロナ前後で20%増加しており、新しい生活スタイルの確立に向けた動きもみられる。
利用拡大が続くか
登録件数のグラフを見ればわかるように、新型コロナの影響が拡大する前からハコベルのサービス拡大は始まっていた。
サービスの利点は、荷主にとっては、従来の配送サービスに比べて簡単、スピーディーに荷物を集荷・配送してもらえること、中間マージンが抑えられる分コスト削減ができることだ。運送会社は空いた時間を有効活用し、売上を上げることができる。
新型コロナにより人々の生活様式は変化し、軽貨物を対象とした「ハコベルカーゴ」のアカウント登録数が特に増加していることから、軽貨物の取扱が増えていることが分かる。荷物が小さい分、オンタイムに使えるサービスはますます重要度が上がる。
「新しい生活様式」が続く中、利用拡大はまだ続きそうだ。