【ZOZO】2021年3月期第2四半期決算発表 営業利益が半期決算として過去最高に
株式会社ZOZO(代表取締役社長兼CEO 澤田宏太郎、以下:ZOZO)は10月29日に2021年3月期第2四半期(2020年7~9月)の決算発表を行った。
半期決算の営業利益は過去最高の50.2%増
2021年3月期第2四半期の業績概要は、商品取扱高は903億円(前年比13.1%増)、営業利益は73.4%(前年比10.5%増)となった。
半期では商品取扱高 1,856 億円(前年比16.3%増)、営業利益 199 億円(前年比50.2%増)、 営業利益率は 10.7%(前年比+2.4ポイント)で、営業利益は半期決算として過去最高となった。
取締役副社長兼CFOの栁澤孝旨氏は、成長が加速した要因について「新型コロナウイルスの影響のうち、ポジティブ要素(デジタルシフト)がネガティブ要素(需要減)を上回ったからだ」と語った。
営業利益の増減分析
営業利益の増加の大きな要因は、商品取扱高成長にともなう粗利の増加、値引施策の減少、スポット費用の減少などといえる。物流拠点の増加や社員数の増加などによる固定費増加で大きくマイナスとなったが、結果として前年同期比62億円増となった。
8月のPayPay決済の導入
8月に導入したPayPay決済は、電子マネー類の決済手段として「一瞬のうちに利用率トップに到達した」と栁澤CFOは語った。PayPayは10月19日時点で、3300万人のユーザーが利用している。PayPay決済を可能にしたことで、新規ユーザーの獲得、ユーザーの利便性向上につながった。今後もさらなる新規ユーザーの流入を見込んでいる。
X(クロス)ショッピングが11月に運用開始。実店舗とECがよりフラットになり、ECの課題を解決
3月に親会社のZホールディングスが発表し、グループ会社の他ストアで提供されていた「X(クロス)ショッピング」が、11月よりZOZOTOWN PayPayモール店の一部のブランドでも運用開始となる。これによりEC在庫とあわせて店舗在庫表示・店頭在庫を確認することができ、店舗での受け取りも可能となる。
ユーザーにとって、ECの課題であった「実際に見て、触って、着てみてから購入したい」というニーズにもこたえられるようになり、実店舗とECがさらに近づく。
今後は、ZOZOTOWN本店への導入も視野に入れている。
『ZOZOSUIT 2』を発表。より高精度な解析が可能に
今後の展開として、『ZOZOSUIT 2』をはじめ、様々な発表があった。
前回の『ZOZOSUIT』は、ユーザー自身が着用し、専用のアプリを使い撮影し体型サイズを正確に計測するために開発された「計測用スーツ」であり、ZOZOTOWNユーザーのみに向けたサービスだった。一方、今回の『ZOZOSUIT 2』は、計測装置としての発表であるとした。
『ZOZOSUIT』の50倍のマーカーを搭載し、レーザースキャナー並みの精度を実現。体形を記録でき、ファッションをはじめ、ダイエットやヘルスケア、スポーツ企業での活用にも期待している。ZOZOTOWNへのサービス導入は、今後検討しリリースしていくとのことだ。
また、2月に発表した、足をのせて撮影するだけで正確な足のサイズを測ることができる『ZOZOMAT』についても、対応シューズが10月29日時点で1173モデルとなり、サービス開始時の100モデルから着実に拡大していると発表した。ZOZOMATの導入後、ZOZOTOWN内の対応シューズの返品率が非対応シューズと比べて36.9%減少したうえ、ZOZOMATをきっかけに新規ユーザーが13万人増加した。
これまで靴は、サイズ選びが難しく、オンラインで購入しづらい商材という声が多くあった。しかし実際にSNSでZOZOMATについての「今まではいていたサイズと違うサイズのアイテムがサジェストされ、間違いかと思いつつも信じて購入したところ自分に合う本当のサイズが見つかった」というユーザーの声も紹介され、その精度の高さをアピールした。
取締役兼COO 伊藤正裕氏は事業者に対しパートナーを募集すると発表した。「今後も『ZOZOSUIT 2』や『ZOZOMAT』のような新しい技術を開発していく。この技術を使いたい、一緒に新しいことを始めていきたいというアイデアをお持ちの事業者様とのコラボレーションを積極的に進めていきたい」と語った。