「Cookieによる行動分析に対し不満」が2倍以上に増加 [サイカ調査]
株式会社サイカ(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:平尾 喜昭、以下 サイカ)は、独自の広告調査・研究レポートの第24弾として、「Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2020年版」を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
[調査名]
Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2020年版
[調査対象期間]
2020年11月
[調査方法]
Webアンケート調査
[調査対象]
以下の条件を満たす290人の広告宣伝担当者
・インターネット広告を出稿している企業の勤務者
(インターネット広告のみを出稿している企業に限定せず、並行してオフライン広告を出稿している企業も含む)
・その企業にて、の広告出稿業務、ならびに出稿した広告の効果測定業務に現在従事している者
※サイカおよびXICA、XICA ADVAの名称・ロゴは、日本国およびその他の国における株式会社サイカの登録商標または商標。
※その他、記載されている会社名・商品名についても、各社の商標または登録商標。
Cookieによる行動分析を日常的に実施している層が減少
広告宣伝担当者290名に対し、広告の効果測定手法としてCookie等を用いたユーザー行動分析をどの程度利用しているかを調査し、以下の結果を得た。広告の効果測定手法としてCookie等を用いたユーザー行動分析を「常に実施している」「実施することが多い」と回答した方を合わせた、日常的に実施している層の割合が、2019年は前年からほぼ変動が無かったのに対し(0.7%減)、本年の調査では2019年と比較して10.5%減少した。
「Cookieによる行動分析に対し不満」2倍以上に増加
前問でCookie等を用いたユーザー行動分析を実施していると回答した広告宣伝担当者237名に対し、Cookie等を用いたユーザー行動分析でどの程度広告効果測定ができているかを調査し、以下の結果を得た。
「全く測定できていない」「あまり測定できているとはいえない」を合わせた、Cookie等を用いたユーザー行動分析に強く不足を感じている層の割合は、2018年の調査開始時から3年連続で増加しており、2018年の11.4%から本年調査では24.1%と2倍以上に増えていた。
不足を感じる層の割合が増加している背景として、2020年6月に改正個人情報保護法が公布され、国内外で個人情報保護に関わる規制強化の動きがますます強まっていることがあると推測されるとしている。
昨年に続いて「効果測定範囲が限定的である」ことに不足を感じる層が最多
前問でCookie等を用いたユーザー行動分析に不足を感じていると回答した広告宣伝担当者167名に対し、不足を感じている理由を調査し、以下の結果を得た。
昨年に引き続き、Cookie等を用いたユーザー行動分析は「効果を測定できる範囲が限定的なため、一部効果を測定できない施策がある」という回答が、今回の調査でも首位となった。
近年、インターネット広告とオフライン広告の効果を統合的に分析し、マーケティング施策の全体最適を図る手法に対するニーズが高まっていることが背景にあると推察されるとしている。
大きく変化する環境
調査結果にあるように、Cookie等を用いたユーザー行動分析を日常的に実施している広告宣伝担当者の割合が、2019年調査では前年からほぼ変動が無かったのに対し、本年調査では2019年から10.5%減少した。
またCookie等を用いたユーザー行動分析に対し強く不足を感じる層が2018年の調査開始時から2倍以上に増加した。さらに、不足を感じる理由としては、昨年調査と同様に「効果を測定できる範囲が限定的なため、一部効果を測定できない施策がある」との回答が最多となった。
インターネット広告市場の拡大とともに広告媒体の種類も飛躍的に増加し、企業の広告戦略が複雑化する中で、出稿した広告の効果測定を行うための技術も進歩してきた。その中でも特に、Cookie等のオンライン識別子を用いて個人を特定・追跡する手法は、インターネット広告の効果測定手法として広く普及し、発展している。
しかし今回の調査を見ても近年、オフライン広告を含めた統合分析へのニーズの高まりや、世界的な個人情報保護の規制強化の潮流など、Cookie等のオンライン識別子を用いた効果測定手法を取り巻く環境が大きく変化していることを表す結果となっている。EC市場のマーケティング、プロモーションを考える上でも、この潮流は無視できないトレンドとも言えるだろう。