ヤマトHD第3四半期決算、営業収益8割増 ECで取扱数量増
ヤマトホールディングス株式会社は29日、2021年3月期第3四半期決算を発表した。営業収益は前年同期比79.2%増の1兆2956億円。営業収益は同94.6%増の9113億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大でEC関連荷物の取り扱い量が増加した影響が目立った。
EC特化の物流サービス「EAZY」拡販
大幅な増収増益につながった理由について、ヤマトホールディングスは「EC領域の強化に取り組む事業者様のサプライチェーン変革を支援するソリューションの提供などに取り組んだ」結果だとしている。
特に当期は、ECに特化した新配送サービス「EAZY」を拡販を進めた。消費者・EC事業者・ヤマトをリアルタイムでつなぐことで、購入や配送・受け取りの利便性を向上させた。
これらが功奏し、デリバリー事業の営業収益は1兆913億円前年同期比で7.4%増となった。
宅急便取扱数量15%増
宅急便の取扱数量は、前年同期比15%増の13億9千万個だった。
EAZYでは、ECで購入した商品をスーパーやドラッグストアなど、「消費者の生活導線上」の店舗で受け取れることができるサービスを提供している。
ヤマトホールディングスは「物流全体におけるデジタル化の推進による集配、作業、事務の効率化や、輸送効率を高めネットワーク全体を最適化するための幹線ネットワークの構造改革を推進した」としている。
「EC事業のベースラインが上がっている」
決算説明会で樫本敦司・執行役員財務戦略担当は「EC領域に対応できた結果、取扱数量が増加した」と説明したした。
ヤマトホールディングスでは、ECに特化したEAZYを昨年6月に当初の予定を前倒しして公開。目標を上回る取扱量となっている。
新型コロナをめぐっては2度目の緊急事態宣言が出されている。樫本執行役員は、「4月の緊急事態宣言をもとにしてEC事業のベースラインが上がっている。全産業のEC化が進んでおり、この流れが現状で大きく変わっていない」と分析した。