Yahoo!・LINEと連携強化へ 具体的に何ができるようになる?両役員が言及

濱田祥太郎

川邊健太郎CEO(左)出澤剛Co-CEO(前LINE社長)

Zホールディングスは1日、LINE株式会社との経営統合が完了したと発表した。Yahoo!ショッピングとLINEとの連携がより加速する。
2021年上半期にはEC開設から送客までをカバーするサービス「Smart Store Project」を提供すると発表。具体的に何ができるようになるのか、川邊健太郎CEOと、出澤剛Co-CEO(前LINE社長)が言及した。

誰でもEC構築ができる「Smart Store Project」

Zホールディングス提供

誰でもEC構築ができる「Smart Store Project」を2021年上半期に提供を始めるとした。これを利用すれば、自社ECサイトの構築・運営、分析、さらには接客・送客などが誰でも簡単にできるようになるという。

さらに現状、EC事業者を悩ませている「実店舗」「自社EC」「モールEC」「SNS」の各店舗での売上や在庫管理を、一箇所で管理できるようにする。
たとえば、LINE公式アカウントや集客用の各種SNSサイト上で管理・運営できるようになるという。

LINEを通じYahoo!ショッピングで「共同購入」

Zホールディングス提供

さらに、LINEとYahoo!ショッピングとのシナジーを発揮させる「ソーシャルコマース」の一案を示した。
具体的に言及したのは、「ソーシャルギフト」の活用。「LINE」を通じて友だちにギフトを贈ることができる「LINEギフト」とYahoo!ショッピングを連携させ、多くの商品から贈り物ができるようにする。

また、LINE上で友だちに購入を呼びかけ、Yahoo!ショッピングの商品をみんなで安く購入する「共同購入」もできるようになる。

ライブコマース分野では、インフルエンサー等による商品紹介の動画を見ながら、同じ動画を見ている人と交流しつつ買い物ができるようになるという。

PayPayとLINE Payは、2022年4月にLINE Payの国内QR・バーコード決済を「PayPay」に統合すべく協議を開始したという。

ダイナミックプライシングでお得に「My Price構想」

Zホールディングス提供

出澤Co-CEOが「中長期的に」としつつ紹介したのが、「My Price構想」だ。

オンライン店舗と実店舗の商品データを連携させることで、自分に一番あった購入手段を選べる新しい買い物体験ができる「X(クロス)ショッピング」を提供する。将来的に、たとえばサービスの利用状況や、購入日と誕生日との近さによって商品価格が変動してお得に買い物ができる「My Price構想」を実現したいという。

これらを通じ、「『ほしいものをほしい場所で』『お得に』購入できる世界の実現を目指す」という。

Yahoo!・LINE・PayPayが広告で連携

Zホールディングス提供

広告では「Yahoo! JAPAN」「LINE」「PayPay」がそれぞれ連携する。
事業者は例えば、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」のメディア上などで広告を配信し、特定の商品を購入した消費者にのみ、改めてお得なクーポンを届けて再購入を促すなど、効率的かつ継続的にアプローチすることが可能になる。

EC事業者にとっては、効果の高いマーケティングが可能。ユーザーにとっては一人ひとりに最適化された、ノイズの少ないお得な情報を受け取ることができるようになるという。

新しい流れをとらえよう

両社の経営統合により、国内最大規模の検索基盤・SNSにEC・広告・金融、親会社を加えれば携帯電話事業まで、幅広いサービスを手がける巨大IT企業が誕生する。
国内総利用者数(アカウント数の合算)は3億超。Yahoo!とLINEをめぐるさまざまなサービスが今後、連携を強めることになる。来年4月にはLINE Payを、PayPayに統合する方向で協議を始めたことが分かった。

EC事業者にとっては、この流れを逃すのはマイナスだ。この日の会見で一部だが、連携の例が示された。「自分たちのショップではどんなことができるのか?」戦略を十分にねり、この流れに乗るべきだ。

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記者プロフィール

濱田祥太郎

新卒で全国紙の新聞記者に4年半従事。奈良県、佐賀県で事件や事故、行政やスポーツと幅広く取材。東京本社では宇宙探査や宇宙ビジネスを担当。その後出版社やITベンチャーを経てMIKATA株式会社に入社。ECのミカタでは行政、規制系・老舗企業のEC事例に興味があります。千葉県我孫子市出身。

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