【シニアDX調査】EC利用から癒しの手段まで、オンライン行動がコロナ禍の1年で多様化 2021年と2020年を比較
株式会社オースタンス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:菊川諒人)の調査・ビジネス推進組織「趣味人倶楽部シニアコミュニティラボ」は、株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:水島正幸、以下博報堂)のプロジェクトチーム「博報堂シニアビジネスフォース」と共同で行ったシニアDX調査の結果を発表した。
シニアのオンライン行動が多用化
この調査は2021年3月、日本最大級のシニアを対象としたSNSコミュニティサイト「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」の会員(60~94歳)を対象に、コロナ禍がアクティブシニアにどのような影響を及ぼしているかについて調べたものだ。
2020年4月に実施した調査と結果を比較したところ、コロナ禍をきっかけに活性化したオンライン行動をさらに進化させながら、不安な日々を乗り切ろうとするシニアの姿が見えてきた。
昨年に比べ、「ネットニュースを読む」は減ったが、「動画投稿サイトの視聴」「ネットショッピング」「web会議」が1年前と比べ10ポイント以上増加し、オンライン行動の多様化が見られた。
オンラインで行うことについて、コロナ前より増えたと答えた数値を2020年4月の調査と比較すると「ニュースを読む」は減少している(2020年:60.9%⇒2021年:49.8%)。
逆に、「動画投稿サイトの視聴(2020年:27.6%⇒2021年:39.6%)」「ネットショッピング(2020年:12.9%⇒2021年:30.0%)」「メッセンジャ―アプリ(2020年:10.6%⇒2021年:16.3%)」「web会議ツール(2020年:2.3%⇒2021年:11.9%)」は増加しており、アクティブシニア層におけるオンライン活用の幅が広がっていることがわかる。
ネットショッピングの利用が増えた人は約3倍に
EC利用の活発化も顕著で、買い物頻度の変化について聞いたところ、「コロナ前に比べネットショッピングでの買い物が増えた」と答えたのは2020年9.6%に対し2021年は30.5%と、約3倍に増えた。
オンライン購入が多いものは「衛生商品(マスクなど) (2020年:15.9%⇒2021年:15.3%)」「趣味関連商品(2020年:11.6%⇒2021年:18.9%)」「食品(2020年:9.9%⇒2021年:15.2%)である。
また、オンライン購入が増えたジャンルは「家電・電化製品(2020年:3.6%⇒2021年:13.3%)」「趣味関連商品(2020年:11.6%⇒2021年:18.9%)」「衣類(2020年:3.2%⇒2021年:10.4%)」となっている。
コロナに関する情報収集はテレビとネット、孤独化も顕著
新型コロナウイルスに関する情報収集については昨年と変わらず、1位が「テレビ(2020年:93.3%⇒2021年92.3%)」、2位が「ネット(2020年:82.7%⇒2021年78.9%)」だ。
女性と後期高齢者については「家族」が情報源と答える割合の増加が著しく、「女性」(2020年:29.5%⇒2021年35.4%)、「後期高齢者」(2020年:20.2%⇒2021年31.8%)となっている。
孤独を感じている人は1年間で5ポイント増加(2020年:39%→2021年:44.8%)しており、特に「女性」および「後期高齢者」で上昇が目立つ。
女性の2人に1人はコロナ前と比べ孤独になっており、孤独感を和らげる助けになっているものの1位は「テレビ・動画・本を楽しむ(58.8%)」で、「メッセンジャーアプリやメールのやりとり(48.8%)」「メッセンジャーアプリでの通話(21.1%)」が続いた。
調査概要
◆2021年調査概要
調査名:新型コロナウイルスによる生活への影響に関するアンケート2021
実施期間:2021年3月9日(土)〜2020年3月22日(木)
調査対象:趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)会員 https://smcb.jp/
回答数:797名(60~94歳男女)
調査主体:趣味人倶楽部シニアコミュニティラボ、および博報堂シニアビジネスフォース
◆2020年調査概要
調査名:新型コロナウイルスによる生活への影響に関するアンケート
実施期間:2020年4月4日(土)〜2020年4月9日(木)
調査対象:趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)会員 https://smcb.jp/
回答数:1,829名(うち60歳以上1,549名のデータを分析)
調査主体:趣味人倶楽部シニアコミュニティラボ、および博報堂シニアビジネスフォース
本調査結果を見ると、EC利用の活発化をはじめ、アクティブシニアのオンライン行動がコロナ禍の1年で多様化していることがわかる。中でも、オンラインショッピングやweb会議、メッセンジャーアプリのように、受け身ではなく、ユーザーが主体的に利用するサービスの広がりが顕著だ。
これは、コロナ禍が予想以上に長期化したことで、これまでの生活や行動を変えざるを得ないという、ある種の強制力が働いた結果ではないだろうか。
先行き不透明な中でも、何とか日々の生活をより良くしようと試行錯誤しているという点では、シニアも若年者も同じなのだろう。