そごう・西武がファンコミュニティサイトを開設 興味・関心事を切り口にした顧客との関係構築をめざす

ECのミカタ編集部

そごう・西武はオンライン上で、趣味や関心事を切り口とした顧客コミュニケーションを目的とした「ファンコミュニティ」サイトを立ち上げることを公表した。

きめ細かな売り方を提供

そごう・西武はオンライン上で、趣味や関心事を切り口とした顧客コミュニケーションを目的とした「ファンコミュニティ」サイトを立ち上げる。同社では立ち上げを通して、「好き」「興味がある」といった関心事に焦点を当てた顧客セグメントによる新しい顧客関係の構築をめざす。

またファンコミュニティという顧客参加型のサイト運営を通じて、顧客の投稿やリアクションの内容から、より顧客のリアルなニーズに近い顧客分析を可能にし、きめ細かな小さい単位の商品・サービスの編集とそれぞれの「使い方」に則した売り方の提供を企図する。

なお、今回のファンコミュニティサイト運営で得られるマーケティングデータをダイレクトに活用する手法として、OMO型のプラットフォームを構築。池袋本店で取り組んできたMD編集プログラムを拡大し「WEB版SHOPやろうぜ」として展開するとしている。

◆ファンコミュニティサイト概要

・サイト名称:マニア区
・開始日:2021年9月下旬予定
・利用料および年会費:無料

多彩なコンテンツを発信

多彩なコンテンツを発信

サイト上で「日本酒マニア」や「カスタード好き」など趣味・関心事によるWEBコミュニティを形成。画像や使用感、豆知識などの投稿を募り参加者の相互コミュニケーションによるファンクラブ化を促進する。ファシリテーターとしてそごう・西武の社員も参加し、おすすめ商品やサービスの情報発信もおこなわれる。  
        
◆コミュニティ(例)〉

日本酒蔵元めぐり好き、カスタード好き、イケセイ(西武池袋本店)好き、器(うつわ)好き・・・など

◆コンテンツ(例)〉

[発見]
「見つけた」「これいい」など画像メインで共有するコンテンツ

[熱弁]
実際に使ったり、食べたりした結果特にお気に入りの商品を熱くお薦めするコンテンツ

[知識]
クイズ形式で偏愛度を測るコンテンツ(豆知識の提供)

[情報]
「発見」「熱弁」からの情報を活用した報告記事や生産者、メーカー担当者へのインタビューなど

店頭活性化に活用

同社はまた、ファンコミュニティ運営を通じて、より深く、より実態に即したマーケティングデータの収集が可能となるとしている。ここで得た情報を活用して今まで扱いのなかった品揃えや特集も実施。将来的にはファンコミュニティ上で好評だった企画を店舗で開催するなど店頭の活性化にもつなげる。

また、そごう・西武では若手従業員自らが、個人的に深く興味を持つジャンルの商品を期間限定で店頭ポップアップショップとして展開(「SHOPやろうぜ」)。今回のファンコミュニティ運営を通じて得られたマーケティングデータは、この「SHOPやろうぜ」のWEB版立ち上げにも利用される。

それによって隠れたニーズを掘り起こし、EC展開する上で芽があるジャンルはどこなのかを探りあてる。さらに、ファンコミュニティとの連携で商品の持つバックグラウンドやインサイドストーリーを紹介し、展開商品の魅力を伝えるなど、新しいスタイルのOMOビジネスを企図する。

個人の趣味趣向が多様化する中で、従来型の、年齢・性別や過去の購買履歴からニーズを予測するマーケティング手法の効果が薄れていると言われて久しい。そうした中でオウンドメディアをはじめとした、さまざまな情報発信が各企業からなされている。

それらを通して顧客とのコミュニケーションをはかり、ロイヤリティを醸成するのは、ECにおいても、ひとつの流れになっている。これまで、とかくデジタル化が遅れていると言われてきた百貨店業界だが、同社は今回、デジタルを駆使した新たな施策を展開することになり、その成果にも注目と言えそうだ。

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