【楽天】2021年第2四半期の決算を発表 売上収益は前年同期比16.9%増
楽天グループ株式会社は2021年8月11日、2021年度第2四半期決算を発表した。当第2四半期連結累計期間における売上収益は793,671百万円(前年同期比16.9%増)となったが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は、91,124百万円(前年同期は50,723百万円のNon-GAAP営業損失)となっている。ここでは決算発表の概要について、ポイントを絞って見ていく。
インターネットサービスセグメント売上収益は昨対比17.8%増
主力サービスである国内ECにおいては、コロナ禍における「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりを背景に増加した顧客の定着が進み、取扱高はコロナ禍における業績の押し上げの影響が現れ始めた前年同期と比較しても伸長が続いた。
また、前年同期に外出自粛等の影響を大きく受け、宿泊予約の低迷が続いたインターネット旅行予約サービス『楽天トラベル』においても、安心安全な旅への取組等により取扱高が前年同期比で増加。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は462,811百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益は58,906百万円(前年同期は2,162百万円の損失)となった。
フィンテックの売上収益は昨対比8.2%増、利益は14.6%増
クレジットカード関連サービスにおいては、会員基盤の拡大が続き、2021年6月には、同カード発行枚数が2,300万枚に到達。同サービスにおいては、宿泊・飲食サービス等の消費に依然厳しさがみられるものの、オンラインショッピングを中心に取扱高が伸長し、売上収益及び利益が増加した。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は304,725百万円(前年同期比8.2%増)、セグメント利益は47,074百万円(前年同期比14.6%増)となった。
モバイルセグメントの売上収益は昨対比29.4%増
順調に顧客獲得が進捗する中、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間の終了に伴い、一部のユーザーの通信料収入が順次計上され始めた一方、自社ネットワークエリア拡大の前倒しに伴い、減価償却費等のネットワーク関連費用が増加。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は107,267百万円(前年同期比29.4%増)となったが、損失は197,282百万円(前年同期は89,231百万円の損失)となった。
二桁成長を目指すも外出自粛要請等の影響を懸念
現時点では、当期の連結業績予想において、株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益については、前期に比べ二桁成長を目指すとしている。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための外出自粛要請等の影響を受け、事業によっては、売上収益の減少等が発生する可能性があるだろう。