SNS運用のコツと注意点は?代行会社を使う場合の費用相場と選び方のポイントも解説
SNS運用とは
SNS(Social Network Service)とは、オンラインでコミュニティを形成するプラットフォームの総称です。TwitterやInstagramのような投稿型、LINEのようなメッセンジャー型と、いくつかのタイプがありますが、いずれもSNSの一種です。
現代におけるSNSは、個人ユーザーだけなく、企業PRや経営戦略に欠かせないツールとなっています。SNS運用とは、SNSアカウントを利用して企業の認知拡大や集客、商品の宣伝活動などを行うことを指します。
SNS運用の重要性
SNS運用は、企業のビジネス成長に欠かせない存在となっています。ビジネスにおいてSNS運用が注目されている理由は、一般ユーザーの利用率の高さです。
ICT総研が2020年度に調査した結果によれば、日本国内のSNSユーザーは年間100万人規模で増加しており、2021年度末までには人口の約8割にのぼる予想です。今や、SNSによってリーチできるユーザーの総数は、マスメディアに近いレベルまで成長しています。
また、SNSを利用する目的として「情報手段」や「連絡手段」をあげる割合が多く、日常生活において接触機会が多い点も特徴的です。「いいね」や「リプライ」を通してインタラクティブなコミュニケーションを実現できるうえ、「シェア」によって多くの層にアプローチできる可能性を秘めています。
SNS運用の注意点とコツ
現在では、大手企業から個人事業主まで、多くのビジネスがSNSに参入しています。そのため、ただアカウントを開設して発信しているだけではほとんどアピールできず、ユーザーの目にとまることもありません。
以下では、SNS運用における注意点とコツについて解説します。
SNS運用の目的・方向性を明確にしておく
ビジネスにおけるSNS運用は、個人としてアカウントを作成する場合とは大きく異なります。あくまでもブランディングや販促のためのツールです。そのため、アカウントを作成する前に、運用の目的や方向性をしっかり定めておくことが大切です。
また、企業におけるSNS運用では、1つのアカウントを複数人で管理したり、途中で担当者が変わったりするケースもあります。投稿者によって投稿内容やトンマナが変わってしまわないよう、レギュレーションを決めておく必要もあるでしょう。
各SNSの特性にあった運用方法を理解する
SNSは、プラットフォームごとに性別・年齢の分布、特徴が異なります。たとえば、Facebookは企業アカウントと相性がよく、TikTokは中高生のユーザーがメインです。そのほかにリツイートによる拡散文化が根付いているTwitter、インパクトのある画像や動画がウケやすいInstagramなどもあります。
各SNSの特徴を把握したうえで、自社のイメージやターゲットに適したプラットフォームを選択できないと、SNSによるアプローチは難しいでしょう。
ターゲットの共感を得られる投稿をする
企業が運営するアカウントといえど、広告や宣伝ばかりするのは得策ではありません。SNS運用においてはじめに取り組むのは、ターゲットの共感を得ることです。
ユーザーは興味や関心をもっているものにしか目を向けません。まずは、興味や関心をひいてフォロワーを増やす必要があります。一般ユーザーに興味をもってもらいにくいビジネスの場合は、企業や商品とはあえてずらした内容で投稿する戦略も効果的です。
運用フローをマニュアル化しておく
SNSは、投稿者によって内容やスタイルに差が出やすいプラットフォームです。文字数や投稿頻度、口調や語尾、絵文字や顔文字などをマニュアル化しておくと、アカウントや投稿内容の一貫性を保てます。
また、マニュアルを作成する際に、曜日ごとの内容やキャンペーン実施のタイミングなども決めてしまってもよいでしょう。マニュアルは作業効率を高めるうえでも役立ちます。
炎上防止に努める
SNSの特徴は、ユーザーどうしが気軽にコミュニケーションをとれる点です。ほかのメディアに比べて、一般のユーザーとの距離が近いことは親近感を与えやすい一方、リスクも抱えています。
スマートフォンさえあれば気軽に投稿や返信ができますが、誤解を与える表現や適切でない言葉があればすぐに炎上します。投稿に関して社内のルールやガイドラインをつくることが大切です。
SNS運用代行の費用相場と作業内容
SNS運用は、ビジネスの成長に大きく貢献しますが、時間や工数がかかるのも事実です。社内のリソースのみで運用するのは難しいケースもあります。リソースの確保や運用システムの整備ができない場合、SNSの運用を外注するのも手です。
以下では、SNSの運用代行における作業内容と費用相場について解説します。
月額10万円以下
原稿作成と投稿作業のみを依頼する場合、費用相場は月額10万円以下です。
やや割高にも思えるかもしれませんが、専門業者はターゲット層に響きやすいフック、配信タイミングをリサーチしたうえで作業を行います。そのため、ノウハウのない初心者が運用する場合と比べて、幅広い層にリーチできる可能性が高まります。
月額20万円〜30万円
原稿作成や投稿作業のほか、コメントへの返信や分析まで依頼する場合、費用相場は月額20万円から30万円です。
コメント対応まで依頼すると、SNS運用における作業はなくなります。SNSアカウントの運用をすべて任せたい場合は、コメントへの返信もあわせてアウトソーシングするのがおすすめです。
また、月額20万円以上の価格帯になると、効果測定や改善案の提案も受けられます。効果測定や改善案の提案は、分析結果レポートが提出されるパターンのほか、月次報告のようなミーティングが設けられるケースもあります。
月額50万円〜
分析や提案も含め、SNSアカウントの運用全般に加えて、プロモーションやキャンペーンの実施も依頼する場合、費用相場は月額50万円以上です。広告費や人物起用の有無、実施するキャンペーン内容によって費用は変動します。
SNSは、広告やキャンペーンとの相性がよく、うまく連携させられれば相乗効果を得られます。近年では、ユーチューバーやインスタグラマーを起用したインフルエンサーマーケティングもメジャーな手法となっており、SNSからもさまざまなアプローチができるでしょう。
SNS運用代行会社の選び方3つのポイント
SNS運用代行会社を選ぶ際は、以下の3点に注目すべきです。
1.運用実績
2.効果測定の基準
3.業務内容と費用
いずれも業者選びにおいてミスマッチを防ぐうえで重要なポイントです。以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
自社の業種で運用実績があるか
運用実績の中でも、自社と近い業種の運用サポートの経験をチェックしておきましょう。同じSNSを運用するとしても、業種やターゲットによって適切な運用体制やアプローチは異なります。
SNS運用に関して豊富な実績をもっていても、商材が大きく変わればうまくプロモーションできない可能性もあります。
効果測定の基準が明確にあるか
SNS運用を外注する目的は、リソース負担の軽減だけではありません。ノウハウをもったプロに実績をあげてもらうことも重要です。そのため、エンゲージメントの目標値や効果測定の基準について、契約前に確認しておくとよいでしょう。
原稿作成や投稿作業を代行するだけの業者に依頼すると、コストが無駄になってしまいます。
各種プランの業務内容と費用は適正か
SNS運用の外注を検討する際は、業務内容や費用設定も確認しておくべきです。Web業界のサービスは商材がモノではないため、企業によって価格が大きく異なります。
とくにSNSの運用代行の場合、内容によっても変動する部分もあり、相場金額を把握するのが難しい面もあります。複数社に相見積もりをとったうえで、業務内容や費用を比較するとよいでしょう。
SNS運用代行会社13選
SNS運用の外注を検討するのであれば、まずは業界内の有名企業を中心にチェックしておくことをおすすめします。目安として10社前後リサーチをしておけば、業者選びに失敗するリスクを軽減できるでしょう。
以下では、SNS運用代行を手がける各企業の特徴、強み、費用について紹介します。
株式会社ガイアックス
https://www.gaiax.co.jp/
株式会社ガイアックスは、国内最大手のSNSマーケティングメディア「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」を運営しており、累計1,000社以上の支援実績があります。運用代行だけでなく、企業分析や業界分析、プランニングもしてほしい企業におすすめです。
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株式会社グローバルリンクジャパン
https://www.globallinkjapan.com/
株式会社グローバルリンクジャパンは、東京に本社と大阪に支社を構えるソーシャルメディア支援会社です。2002年に設立されており、業界においては老舗の部類です。
Instagram、YouTube、Facebook、LINEをはじめ、中国で人気のWeChat、Weiboの運用代行サービスも展開しています。インバウンド集客や越境ECに力を入れる企業におすすめです。
(表)
※いずれも最低契約期間は1年間
株式会社メンバーズ
https://www.members.co.jp/
株式会社メンバーズは、北海道から九州まで全国規模で展開するDX推進企業です。
30名規模での効率的な専任運用体制、50社以上のソーシャルメディア運用代行実績があります。Facebook、Twitter、YouTube、LINE、Instagram、weibo、WeChatなど、複数メディアの運用を一括支援することも可能です。
プラットフォームをまたいだ、大規模なSNS運用を検討している企業におすすめです。
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株式会社ライトアップ
https://www.writeup.jp/
株式会社ライトアップは、2018年に東証マザーズへ新規上場した企業です。
SNS運用代行のほか、メールマーケティング支援、Webコンテンツ企画制作、Web制作・CMS構築などのサービスを提供しています。対応可能なプラットフォームは、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなどです。
投稿記事の企画・制作やコメント返信、レポート制作や改善提案まで、幅広くサポートしています。
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テテマーチ株式会社
https://tetemarche.co.jp/
テテマーチ株式会社は、東京都品川区に本社を置く企業です。
SNS運用に関するサポートやツールを豊富に提供しており、ディレクター、ライター、クリエイターからなるチーム支援が特徴的です。充実したサポート体制には定評があり、総合的なサポートを求める企業におすすめです。
サービス内容ごとの費用は非公開となっています。
株式会社サイバー・バズ
https://www.cyberbuzz.co.jp/
株式会社サイバー・バズは、ユーザーファーストをコンセプトとしています。
得意領域は、ソーシャルメディアやインフルエンサーによるマーケティングです。SNS運用代行では、Instagram、TikTok、YouTube、LINE、Facebookの運用代行を請け負っています。また、SNS運用の業務効率化ツール「Owgi」もリリースしています。
詳細な費用は非公開のため、問い合わせが必要です。
アディッシュ株式会社
https://www.adish.co.jp/
アディッシュ株式会社は、SNS運用代行やチャットボットに強みをもつ企業です。とくに、Twitterのリプライから潜在層を発掘するリプライマーケティングは、アディッシュならではの特徴です。
また、アディッシュはSNSキャンペーンに関して、手厚いサポートを提供しています。キャンペーン事務局による企画や当選者へのプレゼント発送なども対応できるため、自社のリソースを確保しつつ、積極的にキャンペーンを実施できるでしょう。
サービスごとの費用は非公開となっています。
株式会社バケット
https://bucket.co.jp/
株式会社バケットは、コンテンツとコミュニケーションによるアプローチが得意な企業です。運用中の最適化にもこだわっており、PDCAにもとづいた改善をくりかえします。
また、1社完結型のスタイルも高く評価されており、ソーシャルメディア関連の代行業務をワンストップで外注したい企業におすすめです。
(表)
※上記は価格イメージのため、内容によって変動あり
株式会社ニット
https://knit-inc.com/?status=again
株式会社ニットは、オンラインアウトソーシングを理念として、さまざまなニーズに応えるIT企業です。専属の窓口担当にニーズを伝えるだけで外注できる手軽さが魅力です。
アシスタントの採用率は1%ともいわれており、クオリティの高いサービスで継続率97%を記録しています。スピーディーにアウトソーシングしたい企業におすすめです。
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株式会社Tenmu
https://tenmu.jp/
株式会社Tenmuは、少数精鋭で構成されたベンチャー企業です。戦略、制作、分析の3本柱で推し進めるクリエイティブに強みをもっています。
また、単純明快な料金プランは、はじめてSNS運用を外注する企業にも最適です。なお、要望に応じて、デフォルトの料金プランのカスタマイズも可能です。
(表)
サムライト株式会社
https://somewrite.com/
サムライト株式会社は、SNSをはじめ、オウンドメディア、ペイドメディアと、幅広い媒体を手がける企業です。SNS運用代行では、LINEやTwitter、Instagram、YouTubeなど、主要SNSを中心に取り扱っています。
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サムライト株式会社の魅力は、豊富なアプローチです。動画、オンラインイベント、キャンペーンと、媒体によって適したアプローチを実践できます。プラットフォームの特性を活かしたSNS運用を目指す企業におすすめです。
MARQS株式会社
https://marqs.co.jp/
MARQS株式会社は、Web制作全般についてノウハウをもった企業です。Webサイトや広告、SNSまで幅広い知見をもっているため、さまざまなニーズに対応できます。
また、リーズナブルな価格帯から依頼できる点も魅力です。まずは手軽なサービスからはじめてみたい企業におすすめです。
(表)
株式会社Gugenka
https://www.gugenka.net/sns
株式会社Gugenkaは、SNS運用に関するノウハウと企画力をあわせもった企業です。
エンタメ業界の大手企業のTwitter運用代行では、エンゲージメント数を7年間で約500倍に成長させるなど、長期的な運用を得意としています。年間200件以上の相談実績があり、施策提案、運営/運用/広告から分析/レポーティングまでワンストップで対応可能です。
(表)
さらに、オプションとして下記プランが用意されています。
(表)
まとめ
近年、ビジネスの成長戦略としてSNS運用が注目されています。プラットフォームの特性やユーザー層を見極めてうまく運用できれば、認知拡大やファンの育成などの効果が得られるでしょう。
しかし、SNS運用には工数や時間がかかるのも事実です。そのため、社内のリソースで対応するのが難しい場合、SNS運用代行会社への外注も検討すべきです。
なお、運用代行会社を選ぶ際は、運用実績や効果測定の基準、業務内容と費用を中心に比較するとよいでしょう。