PayPalがPaidyを買収へ 日本でのビジネス展開を加速

ECのミカタ編集部

PayPal Holdings, Inc.(NASDAQ:PYPL)は、あと払いサービス「ペイディ」を提供している株式会社Paidyを3,000億円(約27億米ドル)で買収することを公表した。

PayPalの日本でのビジネス展開が加速

2021年9月7日、PayPal Holdings, Inc.は、業界をリードするあと払い(Buy Now Pay Later)サービス「ペイディ」を提供している株式会社Paidyを3,000億円(約27億米ドル)で買収することを公表した。

ペイパルの日本事業統括責任者ピーター・ケネバン氏は、「Paidyは日本市場に合わせたあと払いサービスをいち早く開発し、消費者と加盟店双方に規模の大きな決済プラットフォームを提供することで業界をリードし、急速に成長してきました。Paidyのブランド力、機能、優秀な人材とペイパルがオンライン決済の分野でこれまで培ってきた専門知識、リソース、グローバル展開を組み合わせることで、私どもにとって戦略的に重要な市場である日本でのビジネス展開をさらに加速させるために強力な基盤を構築することができます」と述べている。

ペイパルは、今回の案件によって規制当局の承認の取得など、通常の取引完了条件に伴い、2021年第4四半期に完了する予定で、2022年のnon-GAAP(ノンギャープ)の1株当たり利益に対してわずかな希薄化効果をもたらすと予測している。

Paidyのアカウント数は600万超

Paidyのアカウント数は600万超

Paidyが提供するあと払いサービス「ペイディ」は、日本の消費者がオンラインで商品を購入し、利用金額を翌月にまとめてコンビニエンスストアや銀行振込等で支払うことができる。

同社は、独自の技術を駆使することで信用スコアを算出し、取引を引き受け、加盟店への支払いを保証する。さらに、消費者が快適で安全なオンラインショッピングをできる環境を提供し、加盟店のコンバージョン率、平均注文額、リピート購入の向上に寄与している。

またPaidyは「3回あと払い」など革新的なサービスをスピーディに開発することで現在のアカウント数は600万を超え、主要なグローバルブランドやECモールとの戦略的パートナーシップを構築してきた。

さらには、「どこでもペイディ」の提供開始によってペイパル、その他のデジタルウォレットやQR決済との連携を実現し、自社のプラットフォームを超えてオンラインおよび実店舗で利用できる加盟店を拡大している。

『新しい買い物のスタンダード』へ

Paidyの創業者で代表取締役会長のラッセル・カマー氏は、「ペイパルは20年以上にわたりオンラインショッピングに関わる障壁を取り除いてきました。同社ほど、Paidyが今後ビジネスを一層拡大し、革新を生み続けていくうえで最適なパートナーはいません。日本市場は私たちの成長を可能にしてくれた活気に満ちた環境であり、これまでの同市場におけるチームの努力と可能性をグローバルリーダーに認められたことを光栄に思います。ペイパルとともに、『お買いものにめんどくさいはいらない』という当社のミッションをさらに推し進めることができると確信しています」と述べている。

またPaidyの代表取締役社長 兼 CEOの杉江 陸氏は、「Paidyの挑戦はまだ始まったばかりです。このたびペイパルのファミリーに加わることで、Eコマースを超えた『新しいお買い物のスタンダード』となるための取り組みをさらに加速していきます。ペイパルは『どこでもペイディ』の最初のパートナーであり、今後より多くの価値を創造するために協力し合えることを楽しみにしています。この重要なマイルストーンを可能にしてくださった私どもの加盟店の皆様ならびにお客様に感謝いたします」と述べている。

ペイパルによる買収後もPaidyは、「ペイディ」ブランドのもと、これまでと変わることなく現在のビジネスを継続し、カマー氏と杉江氏は引き続きPaidyの組織を率いるとしている。

ペイパルは、世界第3位のEコマース市場である日本での越境EC事業に加えて、今回の買収により、国内決済市場で機能やサービスを拡充することで存在感をさらに高めていくことになりそうだ。

ECのミカタ通信21号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事