クラウドECとは? 構築方法から相場費用やおすすめサービスを解説
・クラウドECとは
・クラウドEC以外の構築方法と比較
・クラウドECのメリット、デメリット
・おすすめクラウドECサービス3選
・まとめ
日本におけるEC市場は年々拡大しており、クラウドECという言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
クラウドECとはクラウド上にあるプラットフォームを用いてECサイトを構築できるサービスのことです。
近年、業界大手のクラウドECへの参入が増加、またコロナ禍での1人あたりのEC消費率の増加など、クラウドECの重要性は高まっています。
今回はクラウドECを利用したECサイトの構築を目指す方向けに、クラウドECの概要やメリットデメリット、おすすめのサービスを紹介します。
クラウドECとは
クラウドECとは自社のプラットフォームがなくとも、クラウド上にあるプラットフォームからECサイトを構築できるサービスのことです。
CMS機能(ECサイト自体を構築更新する機能)、ショッピングカートや決済機能、受注管理や商品、メール配信機能といったプラットフォームがECサイトの立ち上げには必要となりますが、クラウドECではこれらプラットフォームを自社サーバーにインストールする必要がありません。
また、システムが毎週自動で更新され、カスタマイズの幅が広いといった特徴があり、長期的なコストパフォーマンスがいいため、条件の合う企業にはおすすめのサービスと言えます。
では、次の章でクラウドECと他のECサイト構築方法について比較を入れながら進めていきます。
ECサイトの構築方法とその比較
ECサイトの構築にはクラウドECの他にASP(アプリケーションサービスプロバイダ)、パッケージ、フルスクラッチ、といった方法があります。
クラウドECと他の構築方法を比較して、クラウドECの理解を深めていきましょう。
近年、クラウドECが注目される理由は、長期的に見た際にコストパフォーマンスが良いためです。
クラウドECは常に自動でシステムが更新されるため、システム改修費用がかからず、ランニングコストがお得、という面があります。
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)の特徴
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)とクラウドECはクラウド上でECサイトを構築でき、さらにシステムや追加機能、セキュリティが全て自動でアップデートされるという共通点があります。
また、ASPは初期設定費と利用期間中の月額費用しかかからず、初期コストが安価であり、さらにランニングコストも追加でかからないため、コストを抑えて導入することが可能です。
しかしながら、あらゆる業種・業態で使える仕様になっており、システムの構築運用はASP運用会社が行うため、自社独自に使いやすいカスタムをすることができません。
ECパッケージの特徴
ECパッケージは簡単にいうと、クラウドECをクラウド上ではなく、自社のサーバーにインストールして使うものです。
したがって、クラウドECと費用や導入期間、カスタマイズ性に差が出ることはありません。
しかし、システムのアップデートを手動で行う必要があるため、EC運用者は、3〜5年というスパンでシステムアップデートのための改修費用や労力がかかることになります。
フルスクラッチの特徴
フルスクラッチは上記に紹介したパッケージサービスを使用したサイト構築とは異なり、まっさらな状態から独自にECサイトを構築する方法です。
ゼロからシステムを各社に合わせて構築するため、カスタマイズ性が高くなり、独自の要件が多い場合には非常に向いていますが、その分クラウドECと比べ導入期間が長くなったり、初期費用が莫大になったりといったデメリットがあります。
また、ECパッケージと同じく自動でシステムの更新が行われないため、アップデートのための改修費用や労力が追加でかかります。
クラウドECのメリット・デメリット
上記の構築方法の比較により、クラウドECの特徴が見えてきたと思います。
そこで、クラウドECのメリット・デメリットをわかりやすくまとめていきます。
クラウドECのメリット
1.システムが常に最新
クラウドECは、毎週システムのアップデートが自動で行われるため、システムの最新性が保てます。
自社サーバーでECサイトを構築している場合、自動でシステム更新をすることができないため、3〜5年でシステムが陳腐化し、大規模なシステム改修が必要になります。
しかし、クラウドECではシステム改修の必要がないため、中長期的に見るとコスト削減にもつながります。
2.安心のセキュリティ
クラウドECでは、セキュリティ基準の高い企業に合わせて、セキュリティ要件を一定にします。
しかもこのアップデートもシステムと同じく自動で行われるため、同じクラウドECを使っている全ての企業が追加料金なしで、高いセキュリティ対策が享受できます。
社内外の多量で重要なデータを取り扱うECサイトではセキュリティの安全性は軽視できない問題と言えるため、クラウドECを使うメリットは大きいです。
3.多様なカスタマイズが可能
システムの更新が常にされるという面ではクラウドECもASPも同じように見えますが、ASPには大きな弱点があります。
その弱点とは、自社にあったカスタマイズができないということです。
しかし、「プラットフォームの共通領域」と「各社毎のカスタマイズ領域」が分かれているクラウドECでは【システムの自動更新】と【カスタマイズ】の両方を可能としています。
さらに、クラウドECの導入実績が増加傾向にある近年では、さらに多くのサイト要件が実現可能になってきています。
4.自社インフラが不要
ECパッケージやフルスクラッチでは、データやシステムの管理を自社サーバー内でする必要があります。
しかしながら、クラウドECではクラウド上でそれらの管理を行うため、自社のサーバーが必要ありません。
さらに、自社でサーバーを持っている場合、サーバー保守担当を置く必要が出てくるため、追加費用がかかってしまいますが、その費用も削減することが可能です。
サーバー保守を意識する必要もなくなるため、ECサイトの運営だけに専念することができるというメリットもあります。
5.サーバー落ちの対策が可能
ECサイトでのタイムセール時や限定品の販売時等はアクセスが集中しサーバーダウンの危険性があります。
しかし、クラウドECでは一時的にサーバーのスペックをあげて大量のアクセスを処理することができ、簡単にサーバーの増減の設定が可能です。
これにより、急激なアクセス数の増加に対応することを可能にしています。
サーバーダウンによる売り上げの大幅な減少は企業にとって非常に痛いものとなるため、サーバーダウン対策が可能であることは、非常に大きなメリットと言えます。
クラウドECのデメリット
1.低価格ではない
初期費用は最低500万〜、月額でも数十万かかってくる、というように低コストではないため、クラウドECを利用できる費用が用意できなければ導入の検討は難しくなってしまいます。
したがって、ある程度資金力を持った中規模以上の企業であることが前提となります。
具体的には自社のECサイトの売上が年間で数千万円の規模の会社がクラウドECを採用する傾向にあります。
2.ソースコードが非開示
ソースコードとはサイトを作るための設計図のようなものです。
クラウドECではソースコードが開示されていないため、社内での保守管理ができないという側面を持ちます。
したがって「ECシステムを自社で保守管理したい」、「ソースコードを把握したい」という企業には、クラウドECは向いていないと言えます。
おすすめクラウドECサービス4選
メルカート
メルカートのベースは創業34年、支援実績サイト数1200超と業界実績ナンバーワンを誇る「ecbeing」です。
豊富な実績をもとにした、多様な機能が導入されており、利用者向けの機能と企業の業績を伸ばすための機能の両方、充実度が高いものとなっています。
さらに、事業コンサルティングやWEBプロモーション、デザイン制作までサポートがある点、また、売り上げUPのための支援が手厚いサービスが特徴です。
aishipR
aishipRはスマホファースト設計・レスポンシブル特化を売りにしたECサイト構築のクラウド型プラットフォームです。
MMD研究所が行った「2018年版:スマートフォン利用者実態調査」によると、ECサイト利用時の使用媒体の8割はスマートフォンであることがわかり、近年スマホがECサイト利用の中心となっていることがわかります。
時代に合わせた、「スマホで売れる」を目指し、PC、タブレット、スマホの全てを一元構築運用できるレスポンシブルECサイト構築を支援してくれるサービスとなっています。
カスタムMakeShop forクラウド
ショッピングカート業界No.1のASP「MakeShop」をベースに、カスタマイズを可能にしたクラウド版サービスです。
もともとASPを利用していた企業が、より理想のサイトに近づけるように、カスタマイズを追加していくことでのECサイトの作成が可能です。
ebisumart
ebisumartは創業18年にして、650サイトもの導入実績ある、クラウドECの老舗と言われるサービスを提供しています。
過去に実装された機能が、標準機能、オプション機能として利用可能になっていくため、拡張性が高いという特徴もあります。
限定販売やタイムセールといったプロモーション時もサイトが無停止で動くよう環境強化も行なっており、EC運営に専念できる安心性があります。
まとめ
いかがでしたか?
今回はクラウドECを他の構築方法と比較し、クラウドECのメリット・デメリットを紹介しました。
クラウドECではフルスクラッチほどのコストをかけずに自社好みにカスタマイズしたECサイトを構築することが可能です。
自社が求める機能と資金力に最適な構築方法を選択して、ECサイトの運営を行なっていきましょう。