コールセンターとは。業務内容やメリット、設置手順と注意点を紹介

ECのミカタ編集部

コールセンターとは。業務内容やメリット、設置手順と注意点を紹介

顧客対応の窓口である「コールセンター」。顧客と直接接点を持つことで得られるさまざまなメリットを最大限生かすため、コールセンターの設置を検討する事業者は多い。

この記事では、コールセンターの業務内容や設置するメリット、設置に向けた手順やコールセンターで活用されるシステムを紹介する。最後に、設置に向けた注意点とコールセンター委託にも触れているので、自社のコールセンター設置検討時の参考にしてほしい。

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目次

●コールセンターとは、電話で顧客対応を行う窓口のこと
●コールセンターを設置するメリット
●コールセンター設置に向けた手順
●コールセンターで活用される主なシステム
●コールセンター設置に向けた注意点
●コールセンターを自社で設置するデメリットを補う「委託」という選択肢
●コールセンターの特徴を知り自社サイトの事業に活かそう

コールセンターとは、電話で顧客対応を行う窓口のこと

コールセンターとは、電話を用いて顧客対応を行う専門窓口のこと。近年は電話に限らず、チャットや電子メール・SNSといった、さまざまな手段で顧客とやりとりを行うケースが増えている。多様な接触手段に対応することから、コールセンターではなく、「カスタマーセンター」や「コンタクトセンター」と呼ぶケースも増えている。

コールセンターの主要な業務には「インバウンド業務」と「アウトバウンド業務」の2種類があるが、まずはその2種類の業務について内容を押さえよう。

インバウンド業務


インバウンド業務とは、顧客からの電話を受けて対応する業務全般のこと。業務の目的は、顧客の細かな要望に応え、悩みの解消によって、顧客満足度を高めて売上を向上させることだ。主な内容は、以下の通り。

●商品やサービスに関する問い合わせへの回答
●商品やサービスの受注
●予約・解約の対応
●キャンペーンやトライアルの受付
●クレーム対応 など


顧客からの問い合わせへの回答は、オペレーターが直接回答するのが一般的だ。しかし最近では、オペレーターの負担削減や業務効率化に向けてIVR(Interactive Voice Response)と呼ばれる自動音声応答システムで一次対応を実施するケースが増加している。企業によっては、自社サイトや自社のLINEアカウントにて、オペレーターと顧客がチャット形式でコミュニケーションをとりながら問題解決を図る方法を導入するケースもある。

アウトバウンド業務


アウトバウンド業務は、コールセンターから顧客に電話をかける業務全般を指す。新規顧客の獲得や既存顧客との関係性を維持し、売上アップを図るのが主な目的といえる。主な内容は以下の通り。

●新規顧客の開拓
●市場調査(満足度調査、アンケート調査)
●イベント告知
●既存顧客へのフォロー など

アウトバウンド業務は、あらかじめ把握している電話番号に対して連絡を行い、オペレーターが対応する。アンケート調査や新商品のセールスなど、顧客の状況に応じてアプローチを行うのが主な内容だ。架電する必要のない訴求活動は、SMS配信を導入し電話対応の手間を省く場合もある。なお、アウトバウンド業務は新規顧客の拡大や既存顧客の継続などを目的として電話を行うことから、「テレアポ」や「テレマーケティング」とも呼ばれる。

【関連記事】 コールセンターのアウトバウンド業務とは?インバウンド業務との違いや、業務を成功させるポイント

コールセンターを設置するメリット

コールセンターを設置した場合、自社にはどのようなメリットがあるのか確認しよう。

顧客満足度が向上する


コールセンター設置のメリットは、電話などによる直接のやりとりから顧客満足度の向上が期待できることだ。コールセンターの設置がない場合は、従業員が他業務と並行して電話対応を行うケースが多く、待ち時間が発生したり、一次対応者だけで解決しなかったりするため、顧客側が不満を抱くことが多い。

その点、顧客対応に特化したコールセンターを設置できれば、待ち時間の短縮が実現できる。さらに、顧客の状況や気持ちに寄り添った対応のもと、迅速に問題解決に導ければ、安心感につながり顧客のファン化構築にも貢献するだろう。

顧客の声(VOC)を事業へ活かせる


現代はインターネットを介して買い物が完了することから、コールセンターは顧客と接点を持つ唯一の機関として、EC事業の中でも特に重要な役割を担う。顧客の生の声である「VOC(Voice Of Customer)」を聞き取り事業活動に活かせることも、欠かせない利点だ。

例えば、口コミやSNSの投稿によって、自社商品に対する感想やニーズを把握できるが、詳細な内容の把握までは難しいのが現状だ。そのため、商品やサービスに対する質問やクレームがあった際に、具体的に詳細な内容を聞き出すことができれば、商品やサービスの質改善だけでなく、サイトFAQの改善や新商品の開発などに活かし、よりよいサービスの提供も実現できるだろう。

売上アップにつながる


顧客の声を真摯に受け止め、的確に対応することで、企業のイメージアップをもたらし、リピーターの獲得や追加で商品を購入する「クロスセル」といった効果が期待できる

顧客満足度の向上やVOCを活用した事業のブラッシュアップが形として現れれば、業績の向上にもつながるだろう。

さらに、アウトバウンドで見込み客へのセールスが成功すれば、さらなる利益向上も可能といえる。

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コールセンター設置に向けた手順

次に、コールセンター設置に向けた実際の手順を紹介する。

1.設置の目的や目標の設定


自社にコールセンターを設置する場合、まずは構築する目的と目指す目標を明確にすることが大切だ。設置の目的やゴールの設定が不十分だと、状況によって運営方針が頻繁に変わることが予想され、オペレーターのモチベーションや対応品質の低下を招き、顧客離れを引き起こす原因にもなりかねない。

目標は「解約率を〇%に抑える」「売上を〇%アップさせる」というように数値化して設定し、明確に示すことが重要だ。掲げた目標をコールセンターの運営に携わる全ての従業員に周知し、全体で同じ目標に向かって業務にあたれるようにしよう。

2.現状の把握


コールセンターを設置する目的と目標が定まったら、目標達成に向けて現状の課題や問題点の洗い出しを行う。現状把握を実施する際は、以下の5つの視点で可視化するのがポイントだ。

・運用プロセス
・マネジメント
・組織体制
・オペレーターの育成やフォロー体制
・システム関連

例えば、運用プロセスでは運用に必要な業務を整理し、既存のリソースで不足している部分を明確にする。そのうえで、不足しているリソースを補う方法を検討する、もしくは既存リソースの中で実現させるやり方を考えるといった作業が必要だ。

3.プランニングの実施


コールセンター設置に向けて解決するべき具体的な課題が明確になったら、どのように行動するのか設置に向けたプロセスの整理を行う。プランニングは、以下の4つの項目ごとに検討していくのがおすすめだ。

・業務プロセス
・管理方法
・組織
・人材育成

ここで大切なのは、最初に掲げた目標だ。目標達成に向けて必要となるコールセンターのサービス内容を具体的に検討しよう。特に、最近では人材不足が課題になりやすいため注意が必要だ。採用したオペレーターがすぐに離職することがないよう、安心して働けるサポートや教育体制の整備もポイントとなる。

4.システムや体制の構築・実装


プランニング後は、いよいよコールセンターのシステムや体制を構築し、実装を行う。構築は以下の流れで実施するとスムーズだ。

1.システムの構築:テーブルやPC・電話機器の準備、コールセンターシステムの導入・設定
2.業務運用の構築:業務や管理のマニュアル作成
3.人材の採用や研修:オペレーターの確保や教育

全ての準備が整った後は、システムが問題なく作動するか、オペレーターはマニュアルを通してスムーズな電話対応が実現できるかなど、入念なリハーサルを実施して不備がないかの確認は必須だ。特にマニュアルは実装しないとうまく運用できるかわからないケースも多い。オペレーター同士の連携を図り、都度ブラッシュアップしながら、最適な運用を実施しよう。

コールセンターで活用される主なシステム

コールセンターに特化したシステムを活用することで、顧客対応の品質向上や業務の効率化を図れる。ここでは、代表的なシステムの特徴を紹介しよう。

CTI(Computer Telephony Integration)


CTIとは、電話やFAXをコンピューターと統合するシステムのこと。CTIシステムを導入すると、電話番号と顧客情報が紐づけられ、コンピューターの画面上に、問い合わせや購入履歴といった顧客情報を表示することが可能だ。受電と同時に表示された顧客の情報を確認しながらやりとりができるため、円滑な対応と作業効率の向上を実現する。

CRM(Customer Relationship Management)


CRMとは、顧客情報や対応履歴といったデータを蓄積し、顧客情報を一元管理するシステムだ。CRMを利用すれば、オペレーターと営業といった関係部署と顧客情報を瞬時に共有できる。問い合わせ内容を管理する機能があるため、オペレーターは回答漏れや二重対応を回避しやすくなる。

一人ひとりに適した施策を分析しアプローチ方法も支援するため、効率的なアウトバウンド業務を実現しやすい。

IVR(Interactive Voice Response)


IVRとは、かかってきた電話にコンピューターが自動で対応するシステムのことで、日本語では「自動音声応答システム」と呼ばれる。受電時の一次対応として、指定のメッセージを再生する他、顧客に番号をプッシュしてもらい問い合わせ内容の振り分けを行い、必要に応じてオペレーターへ転送する。

オペレーターが効率よく業務が行えるだけでなく、自動応答のため24時間対応も実現できる。

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コールセンター設置に向けた注意点

コールセンターは、顧客満足度を向上させ売上アップを図れる一方で、設置にはいくつかの注意点がある。コールセンターの設置を成功に導くために、具体的な注意点とともに対応策を解説する。

構築に時間やコストがかかる


コールセンターの構築・運営には、拠点の確保やシステムの構築の他、組織体制やマニュアルの整備、人材育成など、さまざまな業務とコストが発生する。設置によって発生する総費用と手間を把握し、十分に費用対効果を分析することが不可欠といえるだろう。場合によっては、コールセンターを外部委託するのも一つの方法だ。

人材確保・育成が難しい


コールセンターの設置に当たっては、人材確保が難しい状況も知っておきたい。オペレーター業界は離職率が高い業界で、必要な人数を常に維持するのは難しい

また、慢性的な人手不足の場合、新人オペレーターへの育成が十分に行えないという状況を招く危険があり、質の高いサービスを提供しにくいケースも考えられる。オペレーター確保に向けては、業務の効率化を図れるシステムを活用する他、継続的なスキルアップができる環境を整備するなど、オペレーターの定着率を高める工夫が重要といえるだろう。

対応品質の均一化に苦労する


常に質の高い対応を求められるコールセンターにとって、対応品質の均一化に苦労するケースも考えられる。対応マニュアルが作成されていたとしても、育成に十分な時間をかけられなかったり、イレギュラー対応があったりすると、対応品質の差が生じやすい

コストや時間をかけてコールセンターを設置しても、オペレーターによって当たり外れがあったり、そもそも対応の質が低かったりしては、顧客離れを引き起こす原因となるだろう。対応の均一化を図るためには、コールセンター全体でノウハウを共有し、身につけられるような仕組み作りが大切となる。

電話だけでは不十分なケースがある


インターネットの普及によって、メールやチャットなどのコミュニケーション手段が増加したことで、電話だけの対応では不十分な場合もある。扱う商品の種類や客層によっては、問い合わせ先が電話に限定されると、顧客のニーズに十分応えられず、コールセンターのメリットを活かせないリスクがある

コールセンター設置に向けては、商品の特徴や客層のニーズに応えられるように、幅広いコミュニケーション手段を検討するのがおすすめだ。しかし、接点のバリエーションが増えると、業務内容や費用も増加するため、自社の事業内容と照らし合わせた検討が重要となるだろう。

コールセンターを自社で設置するデメリットを補う「委託」という選択肢

先述したように、コールセンターの設置は、多くのメリットを生み出す一方で、注意点も多く「自社で設置するのは難しいのでは」と躊躇(ちゅうちょ)するケースもあるだろう。そのようなときにおすすめなのが、コールセンター業務のアウトソーシングだ。

コールセンターの委託費用はかかるが、コールセンター構築のノウハウをもつ専門業者に委託することで、構築にかかる費用をかけずに運用を開始できるのはうれしいポイントだ。ランニングコストとして必要となる人件費や設備費用も大幅に抑えられるだろう。また、自社の人材をコア業務に集約できるため、業務の効率化や生産性の向上も期待できる。

コールセンターのアウトソーシングについては、以下の記事で詳しく紹介しているため、気になる方は参考にしてほしい。

【関連記事】 【2024年版】コールセンターの選び方 はじめて委託する際に知っておくべきポイントとは?

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コールセンターの特徴を知り自社サイトの事業に活かそう

コールセンター設置は、顧客満足度を向上させ売上アップを図るうえで効果的な方法だ。また、ECサイトの普及によって、他社との差別化が困難な現代において、顧客との接点を重要視する傾向が高まりを見せている。自社サイトの事業を継続的に発展させるため、今回紹介したポイントを参考に、コールセンターの特徴を理解し、コールセンター構築に向けて取り組んでみてはいかがだろうか。

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