ポケットマルシェ、食品ロス削減への取り組みを公開 未利用魚の売上は前年比24倍に

ECのミカタ編集部

生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下「同社」)は、同社が2021年に実施した食品ロス削減に関する取り組みについて公表した。

生産者と消費者をECでつなぐ

公表に際して同社代表取締役、高橋氏からは次のようなコメントが出されている。

「味は同じでも、見た目で野菜の価値が決まるのはなぜでしょうか? 大規模流通の都合で、形が不格好な野菜は規格外とされ、評価が下がるからです。そうした野菜の中には、畑にすきこまれ次の作物の肥料にされてしまうものもあります。また、希少な魚を水揚げできたものの、まとまった量を出荷できないため大規模流通に乗せられず、海に廃棄されてしまうこともあります。ですが、消費者の中には、たとえ曲がったキュウリでも味が同じであれば気にせず買いたいという人もいますし、スーパーでは手にできない希少な魚を買いたいという人もいます。

自律分散型流通である『ポケットマルシェ』は、これまで、そうした大規模流通からはじかれた食材を、必要としてくれる消費者につないできました。また、消費者からは、直接生産者とつながることで、生産の苦労や思いを知り、感謝の念が生まれ、食材を捨てられなくなったという声も多く聞かれます。食品ロスの本質は、生産者と消費者、都市と地方の分断にあると私たちは考えています。ポケットマルシェは、生産者と消費者の間に立ちはだかる壁を乗り越え、生産と消費を地続きにすることで、食品ロス削減に今後も貢献していきたいと思います」

ポケットマルシェの取り組み・動向

◆特設ページ「訳ありポケマルシェ」を公開し、73.6tの「訳あり食材」を販売

食品ロス削減を目的に、「規格外の食材」「売り先がない食材」「賞味期限が近い食材」を集めて、「なぜ訳ありなのか」という理由とともに紹介する特設ページ「訳ありポケマルシェ」を公開した。2021年9月1日〜12月13日の期間で、1766品が出品され、73.6tを販売し、食品ロスの削減につなげている。当該商品群に対する注文件数は計22,320件だった。

◆未利用魚」の検索回数は前年比13.0倍、売り上げは前年比24.1倍

未利用魚とは、数量やサイズが揃わない、傷がついている、マイナーな魚種であるといった理由で、価値がつかず市場に出回らない魚のことだ。ポケットマルシェ内における「未利用魚」を含むキーワードの検索回数は、2016年のサービス開始以降、2021年が過去最高となり、前年比13.0倍だった。またポケットマルシェ内で「未利用魚」として出品されている商品の売り上げも2021年が過去最高で、前年比24.1倍となった。

◆「#訳あってお買い得」タグのついた商品の売上は、前年比2.4倍の約8億1000万円

規格外品などを販売したい生産者が出品の際にアピールできるように、また訳あり食材を購入したい消費者が検索しやすいように、ポケットマルシェ内に「#訳あってお買い得」のタグを設置している。2021年における「訳あってお買い得」タグのついた商品の売上は、前年比2.4倍の、約8億1000万円に上った。

◆ 販路が縮小した生産者の食材を、129箇所のこども食堂へ提供

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて販路が縮小した生産者の食材を、こども食堂に提供する取り組みを、農林水産省の事業に参画して実施した。全国のこども食堂129箇所、想定11,113人に対して、4名の生産者の食材計約4.0tを提供し、また食育の機会として生産者が生産の様子や想いを語るビデオメッセージを届けた。

◆「びずめし」運営のGigi株式会社と連携し、販路が縮小した生産者の食材を「社食」として購入可能に

企業の福利厚生である「社食」として飲食店を利用可能なサービス「びずめし」を運営するGigi株式会社と連携し、コロナ禍の影響を受けて販路が縮小した生産者の食材を「社食」として「びずめし」上で購入可能にすることで、テレワーク中の従業員と生産者を同時に応援する実証実験を開始した。実証実験には、5名の生産者が参加している。

ECの力で食品ロス削減に貢献

同社によれば、本来、食べられる食品が廃棄されてしまう「食品ロス」は、日本では年間約570万t発生しているという。食品ロスは気候変動にも大きな影響を与えていることから、削減が目指されている。SDGsのターゲット12.3においても「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」ことが掲げられている。

生産者が消費者に直接販売する「ポケットマルシェ」では、流通しにくい規格外品なども説明を付して販売が可能であり、消費者はそのような商品の購入を通じて、食品ロス削減に貢献することができる。2021年はコロナ禍で生産者の販路が縮小して行き場を失った食材が多数生まれたことから、同社は食品ロス削減に注力して展開しており、これからの取り組みにも注目と言えそうだ。

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