在宅コールセンターとは?在宅化のメリット・デメリットから導入方法まで徹底解説

ECのミカタ編集部

在宅コールセンターとは?在宅化のメリット・デメリットから導入方法まで徹底解説

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在宅コールセンターとは

在宅コールセンターとは、オペレーターが自宅などのオフィス外からコールセンター業務を行う形態です。従来のコールセンターは会社内に設置され、会社内の電話回線を使用していました。

しかし新型コロナウイルスによるパンデミックの影響から、会社内でのコールセンター業務の維持が厳しくなりました。さらに、人の移り変わりの激しいコールセンターでは深刻な人材不足も発生しています。

そこで、時代背景に合わせて発達した在宅ワークの技術をコールセンターにも反映させ、在宅でのコールセンターの運用を主流としている企業も増えてきました。オフィス内でのコールセンター業務と相違はほとんどなく、顧客対応を行う企業の窓口としての役割を在宅コールセンターは果たしています。

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コールセンターの在宅化が必要な理由

では、なぜ今コールセンターの在宅化が注目されているのでしょうか。ここでは、コールセンターの在宅化が必要な理由を4つ紹介します。

人手不足の解消


1つ目の理由に、人手不足の解消が挙げられます。コールセンターのオペレーターは離職率が高いとされる職業でもあります。人員が少なくなれば1人あたりの業務負担が増え、さらに離職するオペレーターが増えるという悪循環が生じることに。コールセンターを在宅化することにより育児や介護で自宅を離れられない人でも働ける環境が整えられ、人材不足解消につながりやすくなります。

BCP対策に有効


2つ目の理由は、BCP対策に有効であることです。BCP(事業継続計画)とは、自然災害やテロ攻撃によって企業の損害を最小におさえるための戦略・計画計画のことです。昨今、さまざまな自然災害に見舞われる日本において、事業を継続するためのリスク分散は欠かせません。コールセンターを在宅化することでオペレーターを全国に配置でき、万が一トラブルが生じた場合でも事業への影響を最小限におさえることが可能になります。

リソースの調整が容易


3つ目の理由は、コールセンターの在宅化によりリソースの調整が容易になることです。長期かつ時間単位で労働契約を結ぶのではなく、インシデント(問い合わせなど)の件数や、繁忙期のみ人員を増やすなど、契約の種類によって柔軟な調整も可能です。業務内容や時期にあわせて人員を増減できる点も、在宅化の大きなメリットといえるでしょう。

ファシリティコストの効率化


4つ目の理由は、ファシリティコストの効率化につながることです。ファシリティコストとは、事業で使用する施設やスペースの維持・管理などに必要な費用のことで、「スペースコスト」とも呼ばれます。オフィスにオペレーターが出勤して働く従来のスタイルであれば、家賃や光熱費などの固定費は欠かせません。しかし、オペレーターが在宅で業務できれば、自社で負担する施設や設備へのコスト削減につながります。

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在宅でのコールセンターを導入するメリット、デメリット

在宅コールセンターを企業に導入すると、どのようなメリットが発生するのでしょうか。またデメリットについても同時に解説します。

在宅コールセンターのメリット


まず、メリットからみていきましょう。

①人材確保がしやすい


まず1つ目のメリットとして、オペレーターの人材確保がしやすいことが挙げられます。

会社への通勤が必要無いので、出産を機に退職するオペレーターや育児休暇を希望する社員へ柔軟な働き方の提案が可能になりました。

これにより新たな人材確保と新人の育成にかかるコストを削減するだけでなく、ベテランのオペレーター対応による対応品質の維持が期待できます。また、自身のライフバランスに合わせて仕事ができる在宅ワークは非常に需要が高まっているため、人気の求人として見られるようになり人材確保もしやすくなります。

②緊急時の対応が可能


オペレーターは会社へ出社する必要が無いので、台風などの自然災害による列車遅延の影響を受けません。

また在宅勤務であれば全国各地のオペレーターで構成することができ、ある特定の地域に自然災害や停電などの何らかの障害が発生しても、違う地域で勤務するオペレーターが対応できます。緊急時により多く問い合わせを受けるような商品を取り扱うのであれば在宅コールセンターの導入は大きなメリットとなります。

③コールセンターにかかるコストの削減


既存のコールセンターを在宅化させることを検討する企業だけでなく、スタートアップで在宅コールセンターの導入を考える企業も多いのでは無いでしょうか。在宅コールセンターは、初期導入費用にかかるコストを抑えることができるメリットがあります。

会社内にコールセンターを構えるには、まずコールセンター専用エリアの確保とコールセンター設備の導入が必要です。一方で在宅コールセンターでは大規模な設備の構築やデスクや座席などの設備を設置する必要がないため、設備充実費用を大幅なコストカットができます。さらに企業内にコールセンター専用エリアを設置する必要がないので、賃貸スペースも縮小することができます。

このことから、コールセンターをまだ持たない企業も導入しやすいメリットがあります。

また人件費の削減も期待できます。在宅コールセンターは勤務地を問わないので、都市部の高額な賃金を避けて賃金の低い地方の人材を現地の賃金基準で雇うことができます。

在宅コールセンターのデメリット


ここまで在宅コールセンターのメリットを述べましたが、デメリットはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

①セキュリティ面に不安が残りやすい


コールセンター業務ではお客様の個人情報を取り扱うことがほとんどなので、個人情報の管理を徹底しなくてはなりません。

しかし、在宅コールセンターではオペレーターが持つインターネット環境で業務を行うので、場合によってはウイルス感染などのリスクがあります。個人情報漏洩は企業の信頼に大きな影響を与えるものなので、信頼性の高いウイルス対策ソフトを導入するなど、在宅コールセンターのセキュリティについて考えておくとよいでしょう。

②応対品質が低下する可能性がある


在宅コールセンターでは、全てのオペレーターが同じマニュアルを参考にお客様対応を行います。

しかし、コールセンター業務はマニュアル通りにいかないケースも多く、イレギュラーの可能性を考えなくてはなりません。新人オペレーターではこのような対応をうまくこなせなかった際に、経験者による顧客へのフォローや新人への指導が難しくなるため、応対品質が低下する可能性があります。

また常に最新の情報を共有しなければならないコールセンターですが、不安定なネット環境や確認不足などにより、オペレーター間での情報共有が完全にできない事態も発生しやすいといえます。これらのことから、企業はオペレーターの応対品質を低下させないように仕組みとルールを会社全体で整える必要があります。

③マネジメント管理が難しくなりやすい


在宅オペレーターになると顔を合わせたコミュニケーションができないので、オペレーターが問題なく勤務ができているか、細かいマネジメントが必要になります。オペレーターは企業の顔なので、しっかりと管理できるようなシステムを構築しなくてはいけません。

また、オペレーターの評価制度も明確に定める必要があります。明確な基準を設けることで在宅でもオペレーターのモチベーションを下げることなく、常に質の高い対応を求め、待遇に満足できると離職率が低い組織が目指せます。

在宅コールセンターの導入方法、流れ

では、実際に社内に在宅コールセンターを導入するまでの流れを説明していきます。

導入までのフロー


1.現状調査
2.計画構築
3.在宅コールセンター運用システム構築と準備
4.予行練習

大体の流れは以上の流れです。
では具体的に各パートで企業が行うことを説明していきます。

①現状調査


まず、企業に在宅環境下でのコールセンター運用ができるのかを調査します。コールセンターの在宅化で利益が見込めるのか、どのくらいのコストがかかるのかをこの段階でしっかりと調査をします。

②計画構築


①の現状調査のあとは在宅化までの計画を考えます。既に会社内で使用していたコールセンターシステムが移行できるのかどうか、移行できない場合は新しく利用するシステムの導入フローの検討など、実際に業務を開始するまでの計画をたてます。

③在宅コールセンター運用システム構築と準備


たてた計画を元に、様々なコールセンターに関する設備の設置をします。移行にあたって必要なシステムの導入、セキュリティ環境の整備、社内マニュアルの制作、顧客情報との接続、オペレーターの採用など実務に必要なものを準備します。

④予行練習


企業の顔であるオペレーターには、在宅コールセンターを円滑に進めるための研修や、万が一のイレギュラーな事案への対応の練習など、オペレーター育成もここで行います。イレギュラーな問い合わせにしっかりと対応できるマニュアルを用意し、エスカレート先の選定など、最悪のケースを想定して準備をしましょう。

また、在宅での音質はしっかりと管理できているか、ネットワーク環境に不具合がないかなども再度確認します。

在宅コールセンターに必要なシステム

コールセンターを在宅化する際、各オペレーターが自宅で業務できるよう環境を整える必要があります。ここでは、在宅コールセンターに必要なシステムを6つ紹介します。

クラウド型CRM


コールセンター向けのCRMでは顧客情報・過去の対応履歴などをデータとして残しておき、次回以降の対応や営業活動に利用します。在宅コールセンターの場合はオペレーターが全国に点在しているため、インターネット環境があればどこからでも接続できる「クラウド型CRM」を選ぶとよいでしょう。顧客に関するさまざまな情報をクラウド型のCRMで一元管理し、全国のオペレーターで情報連携することになります。

仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)に対応するPC


コールセンターの環境構築方法にはいくつか種類がありますが、サーバー上に仮想PCを構築する「仮想デスクトップ方式」が採用されることも多いです。仮想PCには通常のデバイスで問題なくアクセスできるため、特別なPCを用意する必要はありません。ただし、企業からPCを貸し出す場合は、オペレーターの人数分のPCを用意する必要があります。

VPN(Virtual Private Network)環境


VPN(Virtual Private Network)とは、ネットワークのなかに仮想の専用通信線を作る技術のことで、安全性の向上に役立ちます。在宅オペレーターがアクセスする環境は、必ずしもセキュリティ対策が万全とは限りません。そこで、リモートでも安全に通信できるVPN環境を整え、情報漏洩やサイバー攻撃に備えます。

クラウドPBX


インターネットを通じて複数の回線をつなげられる「クラウドPBX」も、コールセンターの在宅化に欠かせません。クラウドPBXを導入することで、全国に配置されたオペレータが複数の顧客に対して同時に対応でき、さらにオペレーター同士の接続も容易になります。VPNやクラウドPBXといった環境を構築することで、オペレーターはオフィスと同じような環境でコールセンター業務をおこなえます。

クラウドCTI


クラウドCTIとは、PC上で動作するCTI(コンピューターと電話やFAXをつなぐシステム)のことです。クラウドCTIにはいくつかの種類があり、インバウンド・アウトバウンドの業務内容にあわせて選びます。クラウドCTIを導入することで着信の振り分けや稼働状況の監視、顧客情報の表示、通話中のアドバイスなどが可能になり、顧客対応の品質向上に役立つでしょう。

FAQツール


在宅勤務のオペレーターは、常に1人で業務することになります。そのため、オペレーター自身が自己解決できる環境を整えなければなりません。そこで役立つのがオペレーター向けのFAQツールです。オペレーター向けのFAQツールには、顧客から寄せられるさまざまな問い合わせに対する答えをまとめておきます。FAQの内容は定期的に見直し、オペレーターが常に最新情報を取得できる状態にしておきましょう。

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「EC企業向け」在宅コールセンターの導入をサポートする会社5選

自社独自で在宅コールセンター導入までのフローを行うことは決して容易ではありません。クラウドシステムを元々採用していない企業は導入まで時間とコストがかかってしまいます。

そこでおすすめできるのが、在宅コールセンターの導入をサポートするサービス会社の利用です。導入までの時間を短縮するだけでなく面倒なシステム構築作業も行ってくれるので、企業は社内のマニュアル制作に多くの時間を割くことができます。今回は、EC企業におすすめの企業を5社ピックアップしました。

NTTテクノクロス株式会社


NTTテクノクロス株式会社が提供する最短2週間で高品質・安心・安全な在宅コールセンターを構築するサポートシステムです。NTTテクノクロスが提供する顧客・応対管理システム(以下CRM)とネット環境とブラウザがあればすぐに運用可能なAmazon Connectをはじめとするクラウド電話回線交換機(以下PBX)を連携させて、最短2週間での在宅コールセンター導入を実現します。

NTT研究所が開発したオペレーターの応対品質向上のための音声自動認識機能を採用しており、顧客との会話の自動でテキスト化したものをスーパーバイザー(以下SV)へ送信することで在宅時の不安解消と効率的な業務の実行を徹底的にサポートします。安心感のあるNTTのサービスを利用したい企業におすすめできる会社の1つです。

ビーウィズ株式会社


ビーウィズ株式会社が提供する在宅コールセンターシステム構築サービス「Omnia LINK」です。セキュリティ対策としてGoogle Cloud Platformの基盤上で運営する在宅コールセンターシステムを最短1週間での運用を実現します。

実際のコールセンターと在宅コールセンターの稼働状況をまとめてSVが管理することができるので、元々あるコールセンターと在宅コールセンターを併用して活用したい企業へ特におすすめできます。

株式会社エナジーパートナー


株式会社エナジーパートナーの提供する「CT-MAX」では、PBXからCRM、CLI(コンピューターと電話の統合)までの在宅コールセンターを運用するにあたり必要な機能がオールインワンで利用できるサービスを提供しています。

「CT-MAX」の1番の特徴は様々な電話回線を複合して利用できる点です。固定電話機、ソフトフォン(PCインストール)、WEBフォン(ブラウザー)、スマートフォンを用途に合わせて利用可能です。ブラウザがあれば海外拠点からの接続も可能で、日本語だけでなく英語や中国語など様々な言語で対応できるオペレーターを設置できます。ECサイトで取り扱う商品のユーザー層が幅広い場合、特におすすめできる企業となっています。

楽天コミュニケーションズ株式会社


楽天コミュニケーションズ株式会社が提供する在宅コンタクトセンターパッケージ「楽天コネクトStorm」です。インターネット接続済みのPCとヘッドセットまたはキャリア契約済の携帯電話端末があれば、申し込みからテスト・簡易トレーニングまでの流れを最短1週間(5営業日)で行うことができます。

注目したいポイントは通常のIP電話とは異なり、個人スマホ番号に専用の050番号をプラスすることによって一般の携帯電話と同様の音声品質での応対が可能な点です。通話料金はそのまま企業に請求するだけの簡単なシステム内容になっています。

オペレーターの所持する端末を使用するので、新たに端末を用意する必要がないのもおすすめできる点の1つです。

株式会社オプティム


株式会社オプティムが提供する最先端AI技術を駆使した「Optimal Biz Telework」というサービスです。同社の「Optimal Biz 」は国内シェアNo.1のスマートフォン・タブレット端末のセキュリティ管理を行うサービスで、これをテレワーク用に発展させたのが「Optimal Biz Telework」です。

オペレーターの勤務時間や体調管理、勤務状況を可視化することで生産性を向上させます。勤務中のセキュリティを保つために有害なサイトをブロックしたり、無操作状況を感知したりと在宅ワーク中のSVの悩みを一気に解決するシステムです。

元々クラウドサービスを採用していて、電話回線機能も自社で接続可能な企業はこのサービスを導入することで完全な在宅化へのシフトチェンジが可能です。初期費用と1ユーザーあたり月額550円(税込)の価格で導入できるので、従業員の管理に不安を抱える企業は導入してみるべきシステムです。

自社で在宅コールセンターを構築する際のFAQ

ここでは、自社で在宅コールセンターを構築する際に知っておきたい、求人についてFAQ形式で解説します。リモートで働いてくれるオペレーター募集について詳しくみていきましょう。

求人方法はどうしたらいい?


在宅コールセンターのオペレーターの求人募集には、以下のような方法があります。

募集方法によって応募数や費用が異なるため、費用対効果を事前に考えて選びましょう。

●求人媒体に掲載する
●人材紹介サービスを利用する
●人材派遣会社を利用する
●Web広告に出稿する
●自社サイトに求人ページを作る
●SNSを活用する

未経験者でも採用して大丈夫?


どの程度のスキルをオペレーターに求めるかによりますが、未経験から採用するのであれば、人材教育の期間を設ける必要があります。専門性が高い業界や高度な対応が求められるコールセンター業務であれば、未経験者は採用しないほうがよいでしょう。未経験者から採用しても問題なさそうであれば、スキル習得のための「研修プログラム」を用意しておくとよいです。

勤務体系・シフトはどうしたらいい?


オペレーターの勤務体系やシフトは、自社が提供する商品やサービス内容にあわせるとよいでしょう。たとえば、24時間365日対応が必要なサービスを提供しているのであれば、夜間や休日に対応できるオペレーターの雇用が必須となります。在宅で働きたい人のなかには柔軟な勤務体系を希望する人も多いため、勤務時間や日数を比較的自由に選べる体制を整えておきましょう。

在宅の場合、時給はどう決めたらいい?


たとえ働く場所が在宅になったとしても労働基準法が適用されるため、時給の決め方は従来の従業員と変わりません。そのため、最低賃金を下回らないように在宅コールセンターのオペレーターの時給を考える必要があります。

参考:テレワークにおける 適切な労務管理のためのガイドライン

まとめ

今回は在宅コールセンターの特徴から実際の導入方法までを詳しく解説しました。在宅コールセンターの導入はコストと時間がかかるイメージがあるので、中々取り掛かることができなかった企業も多いはずです。サービス会社を利用すると申し込みから最短1週間で在宅コールセンターを導入できる方法もあるので、自社の今後の事業計画や運用体制を見直した上でどの手法で導入するのが良いのかを検討しましょう。

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