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ネットショップ(ECサイト)の集客方法には何がある?ECならではのコツも紹介
ネットショップの集客はかんたんではありません。
自社商品やサービスに強いブランド力をもっていたり、高い認知度があったりすれば別ですが、そうでない場合はゼロから集客戦略を立て、顧客を獲得していく必要があります。
また、ネットショップの集客方法は多岐にわたるため、ECサイトを立ち上げたばかりの方は何から手をつければよいのか迷うこともあるでしょう。
そんな方へ向けて、この記事ではネットショップにおける集客方法の基本を解説します。すぐに取り組めるものから中長期で取り組むべきもの、成功事例をご紹介するので参考にしてください。
ネットショップ(ECサイト)の集客が難しいと言われるのはなぜ?
ネットショップの集客が「難しい」と言われる理由にはいくつかの理由があります。
まず、インターネット上には無数の競合が存在し、その中で顧客の目に留まるのはかんたんではありません。検索エンジン最適化(SEO)や広告を駆使しても、競争が激しく埋もれてしまうのは珍しいことではないのです。
また、広告をとってみれば、取り扱いサービスや商品の競合店鋪が多いほど、価格競争に陥りやすく、費用対効果が合わないといったケースもしばしば。
また、実店舗と異なり、直接商品を手に取って確認できないため、信頼性の確保が難しく、サイト設計や広告で使用するランディングページなどを最適化できなければ、購入までのハードルが高くなります。
さらに、消費者の購買行動が多様化し、SNSやレビューサイトの影響力が強まる昨今の状況では、効果的なマーケティング戦略を立てるのが難しくなっています。
これらの要因が重なり、ネットショップの集客は非常に複雑かつ難しいものとされているのです。
ネットショップ(ECサイト)の集客方法
ネットショップの主な集客方法として、まず以下の3つが挙げられます。
- SEO対策
- インターネット広告
- SNS活用
まず、この基本の3つの方法を自社の商品の特徴や状況に合わせて、うまく活用することで、効率的に集客を進めることができます。
それぞれ詳しく解説します。
SEO対策
SEOとは、「SearchEngineOptimization」の略であり、「検索エンジン最適化」を指します。
SEO対策は、Google等の検索エンジンにおいて特定のキーワードで検索されたときに、ショップのページを検索結果の上位に表示させることで、検索からのサイト流入を目的とする施策です。
SEO対策は主に、サイトのHTMLタグの最適化やコンテンツ作成等、サイトの中身を改善する内部施策と、外部のサイトに自社サイトのリンクを設置してもらう被リンク対策等の外部施策の2つに分けられます。
サイトを最適化したり、オリジナルコンテンツを作成したりする必要があるため、労力はかかりますが、一度上位表示ができれば継続的に集客ができる仕組み作りが可能です。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングは、SEO対策の内部対策の1つです。ここでいう「コンテンツ」にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして自社運営のオウンドメディアが挙げられます。
ネットショップのコンテンツマーケティングについては以下の記事で詳しくまとめているのでぜひ読んでくださいね。
あわせて読みたい:
EC運営におけるコンテンツマーケティングとは。SEO対策に効果的な方法を紹介
インターネット広告
インターネット広告には、リスティング広告、ディスプレイ広告、アドネットワーク、動画広告Eなどさまざまな種類があります。
ネットショップの集客で、はじめに取り組むのであればリスティング広告がおすすめです。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に応じて連動して表示される広告で、検索連動型広告とも呼ばれます。
特定のキーワードが検索されたときに広告を表示させることができ、キーワードによっては、購買意欲の高いユーザーへ認知を促すことができます。検索結果ページの上部に表示されることもあり、クリック率が高くなり、遷移先のページが優れていれば高い確率でコンバージョンを狙えます。
ただし、ネットショップで低単価商材を扱っている場合は注意が必要です。リスティング広告の月額費用は、クリック単価×クリックされた回数で決まります。クリック単価はキーワードにより異なり、1クリック数10円のものもあれば、競合性の高いキーワードだと数千円以上かかることもあります。
ネットショップで購入される商品価格は2,000円〜4,000円が平均というデータもあるため、単価が安い商品だと利益率が低くなりやすい点があります。
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約9割がECを利用!平均購入金額は「2,000円~3,000円未満」【GMOリサーチ調べ】
SNSの活用
近年はユーザーの購買行動も多様化しており、SNSで話題になった商品を購入する人や、事前に商品の口コミをSNSで調査してから店舗やECサイトで購入するという人も増えています。
SNSを使った集客手法には自社アカウント運用、SNS広告、インフルエンサーマーケティングがあります。
自社アカウント運用とは
自社のネットショップの商品やブランド情報を発信するために、FacebookやX(旧Twitter)、インスタグラムなどのSNSアカウントを活用する方法です。
SNSはリアルタイムで情報を発信できるプラットフォームであり、自社アカウントを所有することで、顧客との双方向のコミュニケーションが可能になります。なかでもインスタグラムは特にビジュアルコンテンツに強く、商品の写真や動画を通じて魅力を伝えやすいのが特徴です。
SNSアカウントの運用は基本的に無料で始めることができ、低コストで広範囲にリーチできる点が魅力です。
一方で、運用には時間と労力が必要です。継続的な投稿やフォロワーとのコミュニケーションが求められるのに加え、良い投稿を作成するにはクリエイティブなスキルも必要です。
SNS広告とは
SNS広告とはYoutube、Instagram、Facebook、X等のSNS上で、利用ユーザーの属性や関心にあわせてターゲットを絞り、配信できる広告です。
広告がSNS上のタイムラインに流れるとユーザーは自然と広告を目にするので、自社ブランドや商品を知らないユーザーへも認知してもらえるメリットがあります。
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングは、影響力のある芸能人やインフルエンサーに、SNSで商品を紹介してもらうことで、ブランドや商品の認知度を高める集客方法です。
特に健康、美容、グルメなど特定のカテゴリーで影響力のあるインフルエンサーのフォロワーは、そのカテゴリー自体に興味があるフォロワーである可能性が高いため、質の良いフォロワーにPRできます。
SNSを使い分ける際は、SNSごとのユーザー属性や商品の特性を踏まえて運用することが大切です。
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ネットショップ(ECサイト)集客の短期施策・長期施策
前章で紹介した集客手法は短期で成果が見込めるものと、ある程度の期間を設けて成果を期待するものの2つに分かれます。
ここでは、それぞれに当てはまる集客手法を紹介します。
短期施策
短期で集客に力を入れたい場合はWEB広告を活用しましょう。先述したリスティング広告は短期施策に該当します。
登録は最短即日で進めることができ、審査に通れば配信が開始されます。予算上限もデイリーごとに設定可能なので、試験的に回すことができます。
期間と予算を決め、期待した成果が得られるようであれば、さらなる予算を投下して継続的に配信していくのがよいでしょう。
長期施策
ネットショップの集客において長期施策に該当するのは、コンテンツマーケティングです。なかでもSEOコラムをアップするオウンドメディアの運営が一般的です。
コラムの内容は、ユーザーにとって価値のある情報やお役立ち情報にしましょう。例えば、ダイエットに関する商品を扱うネットショップであれば、ダイエット方法や筋トレ・ボディメイクに関する有益な情報を記事にまとめるのが有効です。
また、記事コンテンツを作成する際は、キーワード調査が必須です。
ECサイトの場合、顧客対象となるユーザーがどんなキーワードで検索し商品購入までに至るか、仮説を立てておくことで、ユーザーの検索意図に合った価値のあるコンテンツ作りが可能になります。
ある程度、検索からの流入が獲得できるようになれば、広告のように都度費用を投下しなくても、継続的に流入が発生するようになります。多少のリライトが必要な場合もありますが、価値のあるコンテンツであれば、一度公開してから手を加える必要はありません。
ただし、効果が出るまでに最低でも半年〜1年はかかる点や、SEOに関する知見がある程度必要な点から、始めたばかりの頃は成果を実感しにくいかもしれません。
とはいえ、一度制作すれば売上を継続的に生み続ける試算になるので、辛抱強くコツコツと続けていくことが大切です。
ネットショップ(ECサイト)における集客のコツは?
ここでは、ネットショップの集客を実際に行うにあたって、事前にもっておきたい視点や考え方について解説します。
取扱商品のターゲットに合った手法を選択する
ネットショップの集客には、ターゲットとなる顧客の属性に合わせた手法を選択することが重要です。
例えば、若者向けのファッションアイテムを販売する場合、InstagramやTikTokなど、若年層が多く利用するSNSを活用するのが効果的といえます。
一方で、高価格帯の商品を扱う場合は、信頼性の高いSEOブログやレビューサイトとの提携などが有効でしょう。このように、ターゲット顧客の特性や行動パターンに合わせたマーケティング戦略を立てることで、効率的に集客を図ることができます。
細かく効果測定を行う
ネットショップに限った話しではないですが、集客活動を行う際は、マーケティング施策の効果を細かく測定する必要があります。
一般的に、効果測定の実施にはGoogleAnalyticsなどのツールの活用が有効です。サイトへの訪問者数、滞在時間、コンバージョン率などを定期的に分析し、実施した施策により数値がどのように変動したのかを確認しましょう。
例えば、新しいキャンペーンを実施した場合、その影響をリアルタイムで追跡し、効果があった施策とそうでない施策を明確にするなどです。これにより、無駄な予算を削減し、費用対効果の高い手法に資源を集中させることができ、結果的に集客力が向上します。
顧客の声を活用する
自社商品の購入経験がある顧客のフィードバックを集め、それを基にサービスを改善することも重要な集客手法といえます。購入後のレビューやアンケートを通じて顧客の意見を収集し、そのデータを基に商品の改善や新商品の開発を行います。
例えば、人気商品のレビューをウェブサイトやSNSで共有することで、信頼性が高まり、新規顧客の獲得につなげることもできます。
また、顧客の声に基づいたカスタマーサポートの強化も、リピート率を高める効果があります。このように、顧客とのコミュニケーションを重視し、常にサービスを進化させる姿勢が集客につながることもあるのです。
【業界別】集客に成功したネットショップ(ECサイト)事例
ここでは、独自のやり方で集客に成功しているネットショップの事例を、業界別に紹介します。
【アパレル】ファーストリテイリング
ファーストリテイリングが運営するユニクロの売上は、2020年8月期以降右肩上がりです。
成功要因の1つに、UNIQLOLIVESTATION(ユニクロライブステイション)というライブコマースを採用したことが挙げられます。
内容は、自社サイトとアプリのライブ配信でスタイリストやファッションモデル、バイヤー、スタイリストなどが登場し、ユーザーの質問やコーディネートのポイントをプロの目線から解説するというもの。コロナ禍での実施なので非対面でありながら、顧客との密接なコミュニケーションを実現をしたことで、ユーザーの購買意欲向上につなげました。
【家電】ヨドバシカメラ
大手家電メーカーのヨドバシカメラがECサイトで成功できた要因は、物流にあります。
ヨドバシカメラの店鋪の多くは駅前にある一方で、大型家電が購入された場合は、倉庫から直接配送する仕組みをとっていました。
コロナ禍には、店舗への来店者数が減少しましたが、この「倉庫から直送」の仕組みは既に構築されていたので、ネットショップ販売促進にもスムーズに移行できたのです。
さらに、ネットで注文してから最短2時間半で商品を発送するという「ヨドバシエクストリーム便」は顧客満足度向上に貢献しました。
【食品】株式会社伝統デザイン工房
株式会社伝統デザイン工房は、日本各地の醤油を販売している「醤油職人」というサイトでコンテンツマーケティングを成功させています。
醤油に関する知識を深めるためのコンテンツや、普段目にする機会が少ない醤油作りの工程や生産者の想いなどのコンテンツが数多く掲載されており、ユーザーも商品の情報を深く知ることができます。
このようなユーザーの悩み解決や興味をそそるコンテンツが充実したオウンドメディアにはファンがつきやすく、結果的にネットショップの認知度向上、売上アップにつながります。
組み合わせ次第でネットショップの集客効果が望める販売手法
ここまで、王道の集客手法について紹介してきましたが、最後にネットショップの集客に良い影響を与える可能性のある販売手法についても紹介します。
ライブコマース
ユニクロの成功事例で紹介したライブコマースは、インフルエンサーや会社の社員がライブ動画の中で商品の販売をする新しい販売形態です。日本でもやっとYouTubeライブなどで目にする機会が増えてきましたが、中国では既に効果の高い販売手法として、主流になりつつあります。
ユーザーは、ライブ配信中に商品に関する質問などもできるので、ネットショップ特有の「サイトに記載されている情報以外分からない」という不安が解消されます。その結果、購買意欲の向上につながります。
また、芸能人やインフルエンサーとのコラボができれば、一気に認知度アップを図ることも可能な手法です。
Facebookショップ
Facebookショップとは、Facebook内で無料オンラインショップを開設できる機能です。
アカウントを作成するだけで無料で商品を登録できたり、自由にショップのレイアウトを変更したりできるので、時間やリスクを伴わずに集客経路を拡大できます。
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【FAQ】ネットショップ(ECサイト)の集客に関するよくある質問
最後に、ネットショップの集客を行う上で、担当者の方が疑問に感じやすいポイントと、その回答を紹介します。
集客力があるECモールにネットショップを出店するのはあり?
Amazonや楽天市場などの大手ECモールは巨大な集客力をもっているので、出店するだけでその恩恵を受けることができます。
ただし、その分競合となる店舗も非常に多いので、顧客に見つけてもらうための独自の戦略をねる必要があります。
ネットショップの集客を無料で実施することはできる?
原則、ネットショップの集客をお金をかけずにスタートするのはほぼ不可能に近いでしょう。
たしかに、自社のSEOコンテンツ作成やSNSのアカウント運用などを、運営者本人やスタッフが実施すれば、「広告料」といった形での支出は発生しません。ただし、長期施策となるこれらの手法に取り組む場合、長い期間と多大なる労力がかかります。
スモールスタートで構わないので、広告などの既存の集客手法にコストをかけていくのが無難といえます。
開業したばかりのネットショップにぴったりな集客方法は?
開業したばかりのネットショップは、既存のサービス認知やインフルエンサーのバックアップがない限り、ほぼ集客力がゼロの状態です。
先述した通り、はじめはリスティング広告などを小さく運用しつつ同時並行で長期施策のオウンドメディア運営等を進めていくのがベターといえるでしょう。
ネットショップの集客を行う上で必須のツールは?
ネットショップの集客を行う上で役に立つツールは多岐にわたりますが、必ず取り入れたいツールは以下の2つです。
- Google Analytics
- Google Search Console
Google Analyticsは、ウェブサイトのトラフィックやユーザー行動を分析するツールです。サイトに関する詳細なデータを提供してくれるので、訪問者の動向やマーケティングキャンペーンの効果を把握するのに役立ちます。
Google Search Consoleは、ウェブサイトの検索エンジン最適化(SEO)を支援するツールです。検索パフォーマンスを監視し、インデックス状況や検索キーワードのパフォーマンスを把握できます。
ネットショップ(ECサイト)の集客は代行業者にアウトソーシングするのもおすすめ◎
今回は、ネットショップの集客について解説しました。
集客手法は多岐にわたります。自社のフェーズや使える予算、取り扱い商材などあらゆる条件を考慮し、どの手法を使って、どのような戦略で進めていくかをあらかじめ検討する必要があります。
とはいえ、ネットショップを開業したばかりのタイミングで、最適な集客戦略を立てるのはハードルが高いかもしれません。また、広告にしろSEOにしろ、成果をあげるには専門的な知見が必要不可欠のため、ノープランで始めてしまうと失敗する可能性が高くなります。
そのため、ネットショップの集客はスペシャリストの事業者にアウトソーシングするのがおすすめです。
「ECのミカタ」では、ネットショップの集客支援の専門事業者を無料で紹介しています。あらゆる条件をもとに、もっとも希望に合う事業者を選定するので、事業者探しをする手間が省けますよ。
まずは気軽な相談からできるので、ぜひ「ECのミカタ」を活用してくださいね。