【入門】コンテンツマーケティングとは?流れや方法からメリット、成功事例まで解説

ECのミカタ編集部

【入門】コンテンツマーケティングとは?流れや方法からメリット、成功事例まで解説

コンテンツマーケティングとは簡単にいうと?

コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツの提供によって見込み顧客を育成して、コンバージョンにつなげるマーケティング手法です。コンテンツの種類は、ブログ記事や動画、メルマガをはじめ、さまざまなものがあります。

コンテンツマーケティングが重視される背景


コンテンツマーケティングが重視されるようになった背景には、いくつかの理由があります。
一つめの理由は、Googleの評価システムです。Google検索のアルゴリズムに最適化する施策はSEOと呼ばれますが、近年ではGoogleがコンテンツの質を重視しています。そのため、良質なコンテンツを発信することがWeb上における露出の増加にもつながります。

二つめの理由は、広告に対するユーザーの嫌悪感です。動画サイトの広告映像、サイト内のバナー広告をはじめ、ユーザーは日々多くの広告と接しています。そして、一方的な広告に対する嫌悪感が浸透しているのも事実です。

しかし、ユーザーにとって有益な情報は、当然ユーザーから好まれます。そこで企業が一方的にメッセージを伝える広告ではなく、ユーザーが見にきてくれるコンテンツの発信が注目されています。

コンテンツSEOとの違い


コンテンツマーケティングと混同されやすい用語に「コンテンツSEO」があります。コンテンツSEOとは、Webサイトでコラムやブログを公開して、SEOによる集客を図る方法です。主にコーポレートサイトやオウンドメディアなどの媒体が用いられます。

コンテンツSEOは、コンテンツマーケティングの一種です。コンテンツマーケティングでは、Webコンテンツや動画、SNSをはじめ、あらゆるコンテンツが利用されます。その中でもWebコンテンツを利用した施策がコンテンツSEOと呼ばれます。

コンテンツマーケティングの流れ

コンテンツマーケティングの手法は扱うコンテンツによって異なりますが、基本的な流れは同じです。ユーザーの興味をひくコンテンツを発信して、見込み顧客の獲得や既存顧客の育成をします。以下では、オウンドメディアを運営するケースについて、コンテンツマーケティングの基本的な流れを解説します。

流入獲得・認知拡大


まずは、コンテンツの発信によって流入の獲得、認知の拡大を図るところから始まります。流入ユーザーのうち、はじめてWebサイトを訪れるユーザーが多いほど、認知の拡大に貢献できていると考えられます。

見込み顧客の獲得


コンテンツマーケティングで発信するコンテンツの内容は、基本的に自社で扱っている商品やサービスに関連する情報です。たとえば、ヘアケア用品を扱うブランドの場合、「おすすめヘアパック10選」や「髪の紫外線対策」などの情報を発信します。商品やサービスに興味をもってもらえそうなユーザーを集客するためです。
また、コンテンツを通して、自社の商品やサービスの情報も盛り込むのがポイントです。有益なコンテンツを発信することで、ユーザーは商品やブランドに対して理解を示すようになっていきます。

コンバージョンの獲得


継続的に情報を発信していると、何度もWebサイトを訪れるユーザーは商品やブランドに対する理解を深めます。見込み顧客を顧客に育成する流れは、ナーチャリングの第一段階です。第一段階のナーチャリングに成功すると、オウンドメディア経由でコンバージョンが発生します。コンテンツマーケティングの成果測定をするには、Googleアナリティクスの「目標到達プロセス」などを利用するとよいでしょう。

顧客のナーチャリング


コンテンツマーケティングは、顧客を獲得して終わりではありません。さらに、顧客を育成してロイヤリティを高められると、より多くのコンバージョンを獲得できます。既存顧客をリピーターやロイヤルカスタマーに育成する流れは、ナーチャリングの第二段階です。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングは、資産の蓄積につながるほか、低コストで実施できる利点があります。コンテンツマーケティングの強みを理解したうえで施策に取り組めれば、より効果的にマーケティングを展開できるでしょう。

以下では、コンテンツマーケティングのメリットについて解説します。

資産(コンテンツ)の蓄積


コンテンツマーケティングにおいて発信した情報は、資産として蓄積されます。たとえば、オウンドメディアに記事を投稿してコンテンツSEOに取り組む場合、多くの記事がストックされるにつれてドメインパワーも高まりやすくなります。Web上のコンテンツは公開しておけば、日々新たなユーザーが訪れるため、中長期的な集客にもつながるでしょう。

低コストで取り組める


コンテンツマーケティングは、社員がもっているノウハウや情報をコンテンツ化するため、コストを抑えて実施することが可能です。しかし、社内でコンテンツを作成するのがリソース的に厳しい場合は外注費がかかります。

また、コンテンツマーケティングは、中長期的なコスト軽減にも役立つ点が特長です。広告を出稿する場合、出稿期間はつねに広告費がかかり、広告の出稿をやめると新たな集客も途絶えます。一方、コンテンツマーケティングにおけるコンテンツは、資産として新たな流入を獲得しつづけます。

顧客ロイヤリティの向上


コンテンツマーケティングでは、自社独自のコンテンツを発信します。そのため、企業やブランドに対する好感度を高めやすく、ロイヤリティの向上につながります。

ロイヤルカスタマーは一般的な顧客よりもLTVが高いため、ロイヤリティの高い顧客の割合が増えると、安定した売上を実現できるでしょう。

SNSとの相性がよい


SNSの普及によって、一般ユーザーも簡単に情報を発信できるようになった現在、オンラインのコンテンツはシェアされやすい傾向があります。趣味や嗜好の近いユーザーどうしがSNS上でつながっているケースも多いため、SNS経由でシェアされることは新たな顧客の開拓にもつながるでしょう。

コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングにはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。ほかの施策の方が適切な場合もあるため、デメリットを理解したうえで実施を検討することが大切です。以下では、コンテンツマーケティングのデメリットについて解説します。

中長期的にリソースが求められる


コンテンツマーケティングでは、継続的に情報を発信する必要があります。つまり、企画を考えたり、記事を作成したりする手間が長期にわたってかかります。たとえば、オウンドメディアを運営する場合に必要となる業務は、記事の構成作成や執筆、編集や校正、入稿などです。

成果が得られるまでの期間が長い


コンテンツマーケティングで成果を出すには、ある程度の時間がかかります。そのため、短期的な集客や利益を狙うのであれば、コンテンツマーケティングは適していません。長期にわたって施策に取り組めるリソースが確保できない場合には、ほかの施策を検討すべきでしょう。

コンテンツマーケティングの施策内容

コンテンツマーケティングに取り組む際は、順序だてて進めていくことが大切です。無計画に始めてしまうと、うまく効果を発揮できない可能性が高いため、注意しましょう。以下では、コンテンツマーケティングの内容について解説します。

目標(KGI・KPI)の設定


まずは、マーケティングを実施するうえで達成すべき目標をたてます。目標設定は、コンテンツマーケティングに限らず、すべてのマーケティング施策における基本です。
なお、目標設定をする際は、KGIとKPIを分けて考えることが大切です。KGIは最終的なゴール、KPIはKGIを達成する過程にある目標を指します。とくにコンテンツマーケティングの場合はすぐに成果が出るケースは少ないため、長期的なスパンで目標を立てておくのがポイントです。

ペルソナの設定


ペルソナとは、コンテンツを届けるターゲット像です。ペルソナ設定においては、年齢や性別、家族構成や趣味嗜好などの属性を細かく設定すべきです。設定したペルソナ像はマーケティングに携わるメンバー内で共有しておくと、コンテンツごとのブレを防止できるでしょう。

カスタマージャーニーマップの作成


目標やペルソナの設定が完了したら、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、一人の顧客がブランドを認知してから興味をもち、購買に至るまでのフローを図式化したものです。カスタマージャーニーマップを作成すると、どの段階の顧客に対してどんなコンテンツでアプローチすべきかを認識しやすくなります。

コンテンツの設計・作成


コンテンツは、設定したペルソナとカスタマージャーニーマップをもとに作成します。記事や動画などの媒体によってコンテンツの見せ方を工夫するのがポイントです。
また、コンテンツを企画する際には作成だけでなく、配信スケジュールまで含めて検討しておくべきです。とくに季節要因が関係するようなコンテンツの場合、ユーザーの注目度が高まるタイミングで配信するとよいでしょう。

効果測定


コンテンツの配信後は、効果測定をしてPDCAにつなげることが大切です。Googleが提供する無料の分析ツール「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール」だけでも十分な分析ができます。

コンテンツを作成するまでの段階では、あくまでも企業側の想定したユーザーニーズをもとに考えています。しかし、実際にユーザーの反応をみてみると、PVが伸びなかったり、CVにつながらなかったりするケースもあるため、効果測定を欠かすことはできません。

コンテンツマーケティングの種類って?

コンテンツマーケティングに利用できるコンテンツには、さまざまなものがあります。コンテンツごとの特徴を理解したうえで、ターゲットや目的に応じて適切な媒体を選択できると、効果的なマーケティングを実施できるでしょう。

以下では、主要なコンテンツの特徴について解説します。

記事コンテンツ


記事コンテンツは、主にSEO施策として実施されます。自然検索経由で流入を狙う場合、検索クエリごとにコンテンツを作成できるため、ユーザーのニーズに応じたコンテンツを作成できる点が特徴です。上位表示できるようになるまでには、ある程度時間がかかりますが、いくつか上位の記事ができてくると安定した集客を実現できるでしょう。

LP(ランディングページ)


LPとは、特定の商品を訴求するためのページです。さまざまな商品を掲載しているECサイトやコーポレートサイトとは異なり、特定の商品について紹介してコンバージョンに誘導します。LPは一度作成しておけば、広告からの遷移先にも利用できます。

動画コンテンツ


動画コンテンツは、文字だけでは伝わりにくい内容を紹介するのに適しています。商品の使用方法やレビューのほか、SNSを活用したライブ配信も効果的です。また、作成した動画コンテンツを広告に転用するのも一つの手です。

メールマガジン


メールマガジンは、既存顧客に対するナーチャリングに活用できます。メールマガジンは、すでに購入や資料請求などのアクションを起こした顧客にアプローチできます。リピーターやロイヤルカスタマーを育成するうえで非常に効果的な方法です。また、既存顧客にコンテンツを発信する方法として、メールではなくLINEを活用する方法もあります。

ホワイトペーパー


ホワイトペーパーとは、顧客が抱える課題の解決手段を示すコンテンツです。自社商品の導入事例や顧客の声を掲載する媒体として相性がよく、BtoBにおいても活用しやすいでしょう。

UGC(User Generated Contents)


UGCとは、一般ユーザーによって生成されたコンテンツです。顧客の投稿やレビュー、ブログなどがUGCにあたります。ユーザーの生の声がそのままコンテンツ化するため、内容のコントロールはできませんが、その分新規顧客にとっても信頼できるコンテンツといえます。

コンテンツマーケティングの成功事例

コンテンツマーケティングにはさまざまな手法があるため、自社の商材やターゲットに応じて適切な方法を模索する必要があります。他社の事例をもとに、複数の方法を比較して検討することがポイントです。

以下では、コンテンツマーケティングの成功事例について紹介します。

土屋鞄製作所


土屋鞄製作所は、足立区に本社を置く革製品メーカーです。FacebookやInstagramを活用したコンテンツマーケティングに長けており、SNS経由で多くの顧客を獲得しています。商品の写真だけでなく、背景や利用シーンも含めて演出している点が特長的です。

サントリー

サントリーは、大阪市に本社を置く大手飲料メーカーです。動画を活用したマーケティングを得意としており、ペプシJコーラの宣伝動画はTikTok上で1,800万回再生を記録しています。

プロトコーポレーション

プロトコーポレーションは、新宿区と名古屋市に本社を置くIT企業です。中古車情報サイト「グーネット」を運営しており、コンテンツSEOに力を入れています。ビッグワードで首位をとったことで、従来の1.4倍の申し込み獲得に成功しています。

【入門用】コンテンツマーケティングのおすすめ本

コンテンツマーケティングにはじめて取り組む際は、コンテンツマーケティングの全体像を理解しておくと、施策やフローを検討しやすくなります。また、基本的な内容を網羅した本を一冊もっておけば、コンテンツマーケティングを実施する中で疑問が出たときにも活用できるでしょう。

以下では、コンテンツマーケティングについての書籍を紹介します。

いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本

コンテンツマーケティングの基礎から実践に至るまでを網羅した一冊です。数多くのコンテンツがある中、競合コンテンツと差別化を図る方法論を掲載しています。

「いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本」

できるところからスタートするコンテンツマーケティングの手法88

Webマーケティング、SEO、セールスライティングをはじめ、各分野のプロが共同執筆した書籍です。コンテンツづくりのノウハウが書きつくされており、自社に適したマーケティング施策を見つけられるはずです。

「できるところからスタートするコンテンツマーケティングの手法88」

コンテンツマーケティングの教科書

コンテンツマーケティングの全体像を理解するのに最適な書籍です。具体的な施策の内容よりも体系的に理解したい方向けの内容となっています。とくにBtoB業種におけるコンテンツマーケティングで活用できる理論が多く収録されています。

「コンテンツマーケティングの教科書」

まとめ

コンテンツマーケティングは、一方的な広告ではなく、顧客にとって価値ある情報を発信する点が最大の特徴です。短期的に効果をあげるのは難しいものの、中長期的に安定した集客を実現できるでしょう。


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