小田急百貨店がインバウンドにフォーカスしたEC展開を開始

ECのミカタ編集部

株式会社小田急百貨店(本社:東京都新宿区、取締役社長:樋本達夫)は、アイエント株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:大森智人)が提供する「TFO」への出店を通じて、全世界に向けたEC事業への参画を開始することを公表した。

スマホ上で免税手続きが可能

株式会社小田急百貨店(以下「小田急百貨店」または「同社」)は、OMOソリューションを手掛けるベンチャー企業、アイエント株式会社が提供する、訪日外国人向け免税ECサービス「TFO」への出店を通じて、全世界に向けたeコマース事業への参画を2022年2月9日(水)より開始する。

事業開始後の初期段階は、インバウンド消費が回復し本格稼働するまでの準備期間と位置づけ、化粧品ブランドを中心に商品展開を行い、随時、展開カテゴリーを拡大させていく計画だという。

商品展開する「TFO」の最大の特徴は、訪日外国人が旅行前および滞在中に注文した商品を、空港やホテル等で受け取れるほか、スマートフォン上で免税手続きをすることができ、それらに費やす時間を節約できる仕組みだ。

その仕組みと国内有数の商業地である新宿に本店を構える同社の信用度、さらにインバウンド客の声をふまえた商品展開等を組み合わせることで、高感度化するインバウンド客の購買心理に応えるとしている。

TFOでの事業概要

TFOでの事業概要

[開始時期]
2022年2月9日(水)

[対象顧客]
同サイトを利用可能とする訪日旅行者

[利用方法]
検索サイトで「Tax Free Online」と入力、アクセス後、同社バナーを選択して商品を注文

[決済方法]
クレジットカード、WeChatPay、AliPay

[受取場所]
国内指定箇所(ホテル、空港など)

[対象商品]
化粧品等

コロナ後を見据える

公表に際して同社では次のように述べている。

「新型コロナウイルスの影響により、インバウンド消費の回復は見通しが立ちづらい状況下ですが、このタイミングでの本事業への参入は、本格的に回復するまでに、WITHコロナ時代に対応した、リアルとオンラインの両軸で免税対応できる仕組みが必要不可欠であるという考えによるものです。さらに、アイエント株式会社とそれぞれの役割を踏まえ、相互の狙いが合致したことから、当社として売上高の拡大に伴う新たな収益源になり得ると判断しました。

本格稼動後は『TFO』の会員増とともに当社ゾーンの売上拡大を図るべく、顧客ニーズを見極めた商品展開とプロモーションを図ってまいります。当社では、今後も海外向け事業を含めた様々な事業に積極的に取り組むことで、新たなお客さまとの接点を創出し、事業領域の拡大に努めてまいります」

これまではリアル店舗での売上が縮小し、EC化も遅れていた百貨店業界だが、近年は百貨店各社による積極的なEC化施策が相次いでいる。今回の同社の施策もその一環と見ることができるが、インバウンドにフォーカスしてスマホ上で免税手続きができる点は特筆に値するだろう。

記事執筆時点では、国内で新型コロナウイルスによる感染拡大の第6波のもとにあり、インバウンド需要の復活やその前提となる海外からの観光客の本格的な流入再開の目途は立たないが、コロナ後を見据えた意欲的な施策と言えそうだ。

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