藤久とゴンドラが業務提携 より創作意欲を刺激するECサイトへ刷新
藤久株式会社(愛知県名古屋市、代表取締役社長 中松健一、東証1部藤久HDグループ<証券コード7135>、以下「藤久」)と株式会社ゴンドラ(東京都中央区、代表取締役社長 古江恵治、東証1部パイプドHDグループ<証券コード3919>、以下「ゴンドラ」)は、業務提携を実施した。
新たな価値を創造
手芸販売専門店「クラフトハートトーカイ」を中心に、手芸関連商材や生活雑貨販売の店舗およびECサイトを運営する藤久と広告・CRM支援を行うゴンドラは2022年2月14日に業務提携を実施した。この提携による取り組みの第一弾として藤久が運営するECサイト「クラフトハートトーカイドットコム」へ、ゴンドラがモノづくりの愉しさを体験できるコンテンツを提供し、創作意欲を促すECサイトに刷新するという。
◆新たな価値を生む店舗✕ECのオムニチャネル化のための施策
・ものづくりの愉しさを実感できる作品中心のコンテンツ提供
・会員ランク制度によるロイヤリティプログラムの導入
・興味嗜好や購買データの活用によるレコメンド最適化と優良会員の育成
・マルチチャネルでの情報提供を通じたタッチポイント強化
・店舗とECサイトの会員データの連携と活用を通じたシームレスな買い物体験の実現
脱コモディティ化を図る
業務提携の背景と目的は次のようなものだ。長引くコロナ禍で苦戦を強いられる小売業界では、実店舗とECを連動させ、複数の接点を通じて顧客とより深い関係を築く「オムニチャネル化」が進んでいる。その一方で、競合が激しくなっているECサイト市場では、コモディティ化が深刻となっており、低価格競争が余儀なくされている。脱コモディティ化を図るためには、企業が顧客を深く知り、付加価値性の高い良好な関係を築くことが課題だ。
藤久は、創業60年を迎える手芸販売専門店で、手芸関連商材や生活雑貨専門の販売店のほか、公式通販サイト「クラフトハートトーカイドットコム」の運営を行っている。コロナ禍でイベントが相次いで中止に追い込まれたハンドメイド業界を盛り上げるべく、ハンドメイド教室を店舗とWebで開講するなど、オンラインとオフラインの融合を意識した取り組みを行っている。
ゴンドラは、カスタマーエンゲージメントの向上を目指しながら、顧客のマーケティング課題に対し、「広告」と「CRM」を軸にビジネスの戦略設計から集客、Webサイト制作、さらには顧客との関係構築までを一気通貫でサポートすることを強みとしている。
今回の業務提携により、藤久とゴンドラが持つそれぞれの強みを活かし、顧客体験の向上を追求した新たなECサイトをはじめとするカスタマーエンゲージメントサービスの研究開発を進め、ハンドメイド業界ならびに小売業界の発展に寄与することにしたのだ。
「作りたい」を刺激する
藤久株式会社からのコメント
「私たち藤久株式会社は縫糸の卸売商から創業し、60年以上と長きにわたりお客様に支えられ、全国チェーンの手芸店として成長してまいりました。一つ一つの材料・素材を紡いで作品に仕上げるという手づくりの価値観を大事にし、これからの時代に即したお客様のニーズに応えていきたいと考えています。時代とともに変化・多様化するお客様のお買い物ニーズに答えるべく、オムニチャネルをひとつの答えとして、マルチチャネルでの情報タッチポイントを強化し、店舗・ECサイトでシームレスなお買い物体験の実現を株式会社ゴンドラ様とともにチャレンジしてまいります。
合わせてECサイトを刷新するプロジェクトも推進してまいります。当プロジェクトでは『お客様の作りたいを刺激する』をテーマに、『ハンドメイド作品を作る喜びを実感できるサイトの構築』を目指しています。よりお客様がお買い物しやすい環境を作るべく、検索機能や導線を整備し、ユーザビリティの向上を目指しています。本業務提携を通じ、業界の変革リーダーとして果敢にチャレンジし、そしてお客様に手づくりを通じ心豊かな生活の実現をお届けできるよう努めてまいります」
株式会社ゴンドラ プロジェクト責任者執行役員、黒川僚一氏のコメント
「企業と顧客のカスタマーエンゲージメント向上の重要性が高まってはきていますが、アクイジション領域の広告、リテンション領域のCRMといったサイロ化が現状です。そのため、本来アクイジションとリテンションが密接に連携することで効果が最大化されますが、連携は十分ではなく、多くの機会ロスが発生しています。
当社は広告だけでもなく、CRMだけでもなく、どちらも支援できる環境が整備された企業であり、これにより、藤久様が抱える個々の課題解決はもちろん、付加価値性の高い顧客体験のご提供を通じてカスタマーエンゲージメントの実現を目指します。また今後、藤久様が保有する会員データを活用し、アクイジションからリテンションまでを繋ぐプラットフォームサービスの研究開発にも取り組んでまいります」
同社も述べているようにEC市場が拡大するにしたがって、その副作用としてコモディティ化も進んでいるとの指摘がある。ECに留まらず「そのブランドやECショップから買いたい」といった、選ばれる存在になることが求められることになる。今回の両社の提携を通して、広告やCRM、オムニチャネルにフォーカスしながら、また顧客とのロイヤリティを高めつつ、顧客の創作意欲を促す展開が加速することになりそうだ。