商品登録を効率的に行うために。アウトソーシングのメリットや業者選択のポイント

ECのミカタ編集部

ECサイト運営に欠かせない、「商品登録」の業務。「商品情報の入力に大幅な時間がかかる」「人手が足りず、本来行うべきコア業務に専念できない」と悩む担当者もいるのではないだろうか。商品登録を効率的に行うためには、業務内容を理解し、外部サービスをうまく活用するのも一つの方法だ。

今回は、商品登録の手順や内容、商品登録業務をアウトソーシングするメリットなどを紹介する。費用相場や商品登録代行業者を選ぶ際のポイントも紹介しているので、自社の業務体制を見直す際の検討材料にしよう。

目次

●商品登録業務の内容
●商品登録代行とは
●商品登録業務をアウトソーシングするメリット
●商品登録代行業者を選ぶ際のポイント
●まとめ

商品登録業務の内容

最初に、ECサイトにおける商品登録の業務内容を、一般的な手順とともに見ていこう。

商品情報の入力


まずは、商品掲載ページに表示する情報を登録する。登録方法はシステムによって異なり、「管理画面から1つずつ入力する」「CSVファイルで一括登録する」などの方法がある。入力する情報は、以下の通りだ。

・商品名
・販売価格
・在庫数
・商品画像
・商品説明
・商品スペック(数量、サイズ、素材、生産国)

「商品説明」や「商品スペック」では、顧客が知りたい情報を入力することが重要だ。食品であれば原産国や賞味期限、アパレルであれば自宅での洗濯の可否などを記載することで、コンバージョン率の向上につながるだろう。

また、使用するシステムによっては、JANコードやメーカー名などの入力が必要となる場合もある。

画像の撮影、加工


メーカーから商品の画像を取り寄せる場合を除き、商品ページで使用する画像は自社で撮影する必要がある。顧客が商品の利用シーンをイメージできるよう、アパレルであれば着用したモデル、雑貨・インテリアであれば具体的な配置イメージなどを撮影しよう。

また、撮影した写真は、見やすさや統一感を出すために「リサイズ」「トリミング」「白抜き」「明るさ補正」などを行う。サイトでの表示速度が遅くならないよう、データ圧縮をするなどの工夫も必要だ。ECサイトによってはガイドラインが設けられている場合もあるので注意しよう。

カテゴリ、キーワードの登録


商品の情報と画像を登録したら、顧客が検索しやすいようにカテゴリ登録をする。同時に、おすすめ商品への掲載、関連商品の表示、レコメンド、キーワード設定なども行おう。

商品カテゴリの他にも「予算」「贈る相手」「使用シーン」など複数のカテゴリを設定すると、さまざまなキーワードでも検索されやすくなる。また、出店しているサイトに応じたSEO対策を行うことで、売上の向上も見込めるだろう。

表示確認、公開設定


最後に、「掲載内容に間違いがないか」「商品説明や画像はスムーズに表示されるか」を確認し、公開日や掲載終了日を設定できる場合は登録をする。誤字脱字や記載内容のミスは自社の信用問題にも関わるため、丁寧なチェックが必要だ。


商品登録代行とは

「商品登録代行」とは、商品登録業務を外部に委託すること。ここでは、商品登録代行の種類と費用相場を紹介する。

商品登録代行の種類


商品登録業務をアウトソーシングするには、主に「商品登録代行会社に依頼する」「フリーランスに依頼する」の2種類の方法がある。依頼したい業務や商品数、予算などに応じて選択するとよいだろう。

商品登録代行の費用相場


商品登録代行の料金体系は、「従量制」と「固定制」とに分けられる。アウトソーシング先によってサービス内容や料金は異なるが、一般的な相場は1商品あたり100~230円程度だ。登録費以外に初期費用がかかる会社や、「○○点以上で値引き」を行う会社があることも念頭に入れておこう。


商品登録業務をアウトソーシングするメリット

商品登録業務を外部に委託することによって得られるメリットを、具体的に紹介する。

リソース不足の解消


商品登録業務をアウトソース化するメリットは、自社のリソース不足を解消できることだ。商品登録はさまざまな情報を入力する必要がある上に時間がかかるため、取り扱う商品の種類が多かったり、複数のモールで出品したりする場合には、人手が足りないということもあるだろう。外部に委託することで、リソースに余裕が生まれるだけでなく、本来取り組むべきコア業務に注力することが可能となる。

コストの削減


さまざまなコストを削減できることも、外部委託のメリットとして挙げられる。商品登録業務が発生するのは「ECサイトのオープン時」「新商品の登録時」「商品の入れ替え時」が大半だが、そのために人材を採用し、継続して雇用するのは現実的でないだろう。アウトソーシングを活用すれば、自社に必要なタイミングで業務を依頼できるだけでなく、採用費や教育費、継続した人件費が不要となる。

業務の効率化、安定化


業務の効率化や安定化を図れることも、商品登録業務を委託するメリットだ。委託先は商品登録業務に長けているため、クオリティを確保したまま商品情報を登録することができる。自社社員のスキルや経験が浅い場合でも、プロのノウハウで補完することで、効率的にECサイトを運営することが可能だ。

また、CSVのフォーマットはシステムごとに異なるため、多店舗展開をするためには各システムに合わせたCSVファイルの作成が必要だ。代行業者の中には複数店舗への一括登録に対応しているところもあるため、多店舗展開する場合の手間や時間も省くことができるだろう。

他業務にも対応


商品登録代行だけでなく、EC運営におけるさまざまな業務に対応している代行業者も多い。自社の状況や予算によってこれらのサービスも併用することで、より効率的・効果的なECサイト運営をすることができるだろう。

例として、以下の業務に対応していることが多い。
●業務フロー設計
●サイト制作(特集ページやバナーの制作など)
●店舗運用(ニュース更新、受発注代行など)
●マーケティング(広告運用、メルマガ配信など)
●サイト分析(アクセス解析、広告効果分析など)
●入出庫・在庫管理
●カスタマーサポート


商品登録代行業者を選ぶ際のポイント

商品登録業務をアウトソーシングする際には、以下のポイントに注意した上で比較検討するようにしよう。

対応サイト、対応業務


対応サイトや対応業務は、最もおさえておくべきポイントだ。中には特定のサイトに特化した代行会社があり、「A社とB社は可能だがC社は不可」というケースもあるため、どのサイトであれば対応できるのかは必ずチェックしておきたい。

併せて、後々のトラブルにつながらないよう、「セールやキャンペーンなどの繁忙期にも依頼が可能か」「カタログやパンフレットなど紙媒体からの情報入力にも対応しているか」などについてもしっかりと確認しておこう。

料金システム


1商品あたりの金額や月額料金だけでなく、「○カ月以上」「○件以上」といった対応が可能な条件についてもきちんと確認しておきたい。商品登録代行会社によっては「多数の商品登録を依頼すると、1商品あたりの費用が安くなる」「特定のショッピングモールへの登録には費用が加算される」など、通常の費用と異なるケースがあることにも注意が必要だ。

依頼するケースを事前に想定し、複数社から見積りを出してもらうようにしよう。

アフターフォローの有無


商品登録後のフィードバックや、アフターフォローがあるかどうかも重要だ。購買分析を行ってくれたり、具体的な対策をアドバイスしてくれたりする代行業者を選ぶことで、購入率や売上、クオリティの向上が図れるだろう。


まとめ

商品登録は情報入力や画像準備に手間も時間もかかるため、特に取り扱い商品が多い場合やセールなどの繁忙期には、外部委託を行い人員不足を補うことも1つの方法だ。アウトソーシングサービスを活用することで、社内スタッフの負担軽減や、業務の効率化、コスト削減などの効果も期待できる。業務体制の改善や利益向上の施策として、アウトソーシング化を一度検討してみてはいかがだろうか。


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