【2022版】リピーターの獲得方法を業種別に紹介！リピート率改善の施策や成功事例

2022/05/12

ECのミカタ編集部

リピーターは、集客コストが低いうえ、売上の安定性を高める存在です。一般的な集客施策では新規顧客に注目しがちですが、店舗運営においてはリピーターをいかに獲得するかが重要です。顧客心理を理解してリピーター獲得施策に取り組み、ロイヤルカスタマーの育成につなげましょう。

リピーター獲得はなぜ重要なのか

事業や店舗の売上拡大において、リピーター獲得は欠かせない条件の一つです。顧客は、購入頻度が低い順に一般客、流行客、優良客に分けることができます。一般客はもっとも購入頻度が低く、新規顧客も一般客の分類です。流行客は、セールやキャンペーンなどのタイミングで利用するケースが多く、購入頻度や客単価の低さから利益が出にくい傾向にあります。優良客は、商品やブランドのファンとなって継続的に購入するリピーターを指します。店舗の利益向上のためには、購入頻度と客単価がともに高いリピーターの獲得に注力すべきといえるでしょう。

顧客がリピーターになる理由

リピーターの獲得は、売上の向上にもつながります。一般客がリピーターになる理由を知り、適切な施策を実施することは、リピーター獲得の近道となるでしょう。以下では、顧客がリピーターになる理由について解説します。

商品やサービスに価値を感じている

リピーター獲得のうえで、もっとも重要な要素は商品やサービス品質の向上です。店舗の商品やサービスが「また訪れたい、購入したい」と思わせるようなものだからこそ、顧客はリピーターになります。顧客ニーズを把握し、常にユーザーにとって価値ある商品やサービスを提供する姿勢が大切です。

接触回数が多い

一度購入しただけの顧客がリピーターになるためには、その商品に触れる機会を増やすことが必要です。日常生活の中で何度もその商品やサービスを目にすれば、顧客の心に印象強く残り、購入意欲の促進が期待できます。思い出す機会や接点が多いほど、その対象に対して印象がよくなることを「ザイオンス効果」と呼びます。ザイオンス効果は、マーケティングにおいても重要なポイントです。顧客との接点を増やすべく、積極的な広告や宣伝を行い、顧客に繰り返しアプローチしましょう。

お店やブランドのファンになっている

店舗やブランドのファンとなっている顧客は、ロイヤルカスタマーと呼ばれます。顧客のロイヤリティは、購入の頻度や金額に大きく影響する要素です。顧客ニーズを満たせる商品や細やかなサービスによって、ロイヤリティを高めることもリピーターを獲得するうえで有効です。

顧客がリピーターにならない理由

顧客の中には、商品やサービスへの満足度が低く「もう利用しなくてもよい」と判断する人もいます。顧客がリピーターにならない理由をつぶすこともリピーター獲得につながる施策の一つです。以下では、顧客がリピーターにならない理由について解説します。

顧客満足度が低い

当然ながら、顧客が商品やサービスに満足できなければ、継続購入を見込めなくなってしまいます。顧客アンケートやウェブでの口コミを活用して顧客満足度を調査しましょう。また、アンケート内で改善点を質問することも有効です。商品に問題がない場合でも、スタッフ対応やECサイトの使い勝手など、別の部分に原因がある可能性もあります。顧客の声に目を向けつつ、商品やサービスの課題を洗い出し、改善することが顧客満足度の向上にもつながります。

商品やサービスの存在を忘れている

購入した商品やサービスが満足のいくものであっても、顧客が存在を忘れてしまっては意味がありません。アプリのプッシュ通知やメルマガなどを活用して、定期的に店舗を思い出してもらうきっかけを提供することが大切です。

再来訪するきっかけがない

顧客が店舗を訪れるとき、背景には必ずきっかけがあります。たとえば、同じ商品を購入したかった、偶然近くを通ったなどです。来店のきっかけは、店舗主導で生み出すこともできます。たとえば、新商品のお知らせ、クーポンの配信などは再来訪のきっかけになるでしょう。

リピーター獲得にはどんなメリットがある？

リピーター獲得によるメリットは、売上の向上だけではありません。集客コストの削減、長期的な売上の安定などもメリットの一つです。以下では、リピーター獲得により、具体的にどのようなメリットがあるかについて解説します。

集客コストを削減できる

新規顧客の獲得には、市場の調査や広告の出稿をはじめ、さまざまなコストがかかります。新たな層へのアプローチ、新たな訴求などを検討しなければならず、それなりの工数や時間も必要です。しかし、リピーターが少ないビジネスは、常に新規顧客の獲得に注力するよう迫られ、集客コストがかさみます。

一方、リピーターが増えると、新たに顧客を獲得せずとも一定の売上を生み出せます。また、リピーター獲得にかかるコストは、新規開拓の約5分の1といわれており、リピーター施策に取り組む方が集客コストを抑えられるでしょう。

長期的に売上が安定する

リピーターとは、継続的に商品を購入する顧客です。個々のリピーターの消費活動は、一定の頻度・金額で継続的に発生することが多く、リピーターが増えると売上は安定します。さらに、リピート購入を続ける間に顧客満足度を高められれば、徐々に頻度や金額を増やすこともできるでしょう。

LTV（顧客生涯価値）の向上につながる

LTV（顧客生涯価値）とは、一人の顧客が店舗で消費する総額です。複数回にわたって店舗を利用するリピーターは、一度しか店舗を利用しなかった顧客に比べてLTVが高くなります。LTVが向上すると、売上が安定しやすくなるため、マーケティングにおいては重視される項目です。

リピーターを獲得するための施策

前述のとおり、リピーター獲得にはさまざまなメリットがあります。しかし、具体的にどが、うすればリピーターが増えるのかがわからない方も多いでしょう。以下では、リピーター獲得のための具体的な施策について解説します。

会員制度やポイントカードを導入する

会員制度やポイントカードは、顧客が定期的に利用することでメリットを得られる仕組みです。購入金額や来店頻度に応じて、会員ランクが上がったり、ポイントが貯まったりすれば、リピートしたいと感じる顧客も増えるでしょう。また、ポイントカードには店舗の存在を思い出してもらえるメリットもあります。

メルマガやDMを利用して情報を発信する

リピーターを獲得するには、顧客にお得なサービスを提供するのがポイントです。しかし、情報が顧客に届いていなければリピートにはつながりません。そのため、クーポンの発行やキャンペーンの実施時には、メルマガやDMで告知することが大切です。定期的にお得な情報を発信して、リピートのきっかけをつくるとよいでしょう。

SNSを利用して接触機会を増やす

接触機会を増やすこともリピーター獲得において重要なポイントです。顧客と接触できる機会は、来店時だけではありません。SNS上のいいねや返信もコミュニケーションのチャンスです。SNSを利用する際は、継続的にコンテンツを投稿したり、ライブ動画を配信したりと、ユーザーの目に止まりやすい施策を行うことが大切です。割引やキャンペーンの情報ばかりではユーザーに飽きられてしまうため、新商品や日常についての投稿を織り交ぜるとよいでしょう。

特別感を演出する

顧客にとっての特別感は、リピーターになる要因になります。特別感は、顧客の心に残るサービスとも言い換えられます。顧客が特別感を得るようなサービスを一人ひとりに提供するのは、ハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、特別感につながるのは、ちょっとしたサービスや細やかな心づかいです。悩んでいる顧客に試食を進めたり、購入商品におまけをつけたりするだけでも、顧客の印象は大きく変わるはずです。

商品やサービスの差別化をする

数多くの店舗がある中でリピートしてもらうには、商品やサービスの差別化が必須です。ほかの店舗にはない商品・サービスがあると、リピートされやすくなります。独自のサービスを考案するのは難しいため、競合他店よりも一歩進んだサービスを目指すのもおすすめです。たとえば、ほかにはない商品デザインに取り組んだり、丁寧に接客したりするのも一歩進んだサービスです。

リターゲティング広告の配信をする

リターゲティング広告とは、リピーターの獲得に特化した広告手法です。過去にWebサイトを訪問したユーザーのみに表示されるため、再来訪を促すのに適しています。リターゲティング広告はGoogle広告をはじめ、Yahoo!広告、Facebook広告などの幅広いプラットフォームで提供されています。

リピーター獲得の成功事例

リピーターの獲得方法は、業種によって大きく変わるものではありません。そのため、同業以外の成功事例も参考にしやすい分野です。以下では、リピーター獲得の成功事例について紹介します。

【アパレル】UNIQLO

UNIQLOは、顧客の意見をもとにしたマーケティング施策に長年注力しています。中でも話題となったのは1995年に実施した広告施策です。全国紙に「UNIQLOの悪口言って100万円」の文言を記載した広告は、顧客から意見を引き出すための画期的な施策として注目されました。

【飲食店】塚田農場

塚田農場は、居酒屋業態としては驚異的な、リピート率6割超の店舗として知られています。同店の特徴は、来店回数に応じて変化する会員ランクシステムです。会員ランクは会社の役職名となっており、主任や課長、部長などがあります。会員ランクの昇進時にはお祝いサービスが提供される点もユニークです。

【ホテル】星野リゾート

星野リゾートは、顧客アンケートの結果をサービスに反映しています。高級宿泊施設として一人ひとりに合わせたおもてなしを大切にしており、積極的に取り入れています。また、業界内の慣習にとらわれない姿勢も注目すべきです。時間を忘れられる空間を提供するために客室からテレビや時計をなくしたり、食事なしの泊食分離プランを提供したりした点は星野リゾートの功績です。