大阪の商業施設「HEP FIVE」、Z世代向けの新たなファッション体験の実証実験を開始
阪急阪神不動産株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:諸冨隆一)とアイテック阪急阪神株式会社(本社:大阪市福島区、代表取締役社長:清水正明)、および株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井伊基之)は、「バーチャル技術を活用した、リアル店舗とオンラインショップを融合させた新たなファッション体験の実現」に関する実証実験を2022年3月10日から2022年4月10日まで、阪急阪神不動産が運営管理する大阪梅田の商業施設「HEP FIVE」にて実施すると発表した。
実証実験の背景と目的
生活者の価値観や生活様式は、コロナ禍やテクノロジーの進化に伴い大きく変化しつつあり、ドコモが実施したZ世代を対象としたリサーチによると、購買体験において偶発的なアイテムとの出会いや友人とのコミュニケーションを重要視していることがわかっている。
こうした背景に基づき、本実証実験では、バーチャル技術を用いてリアル店舗とオンラインショップを融合させた各種体験を提供することで、ユーザーの購買体験におけるエンターテインメント性や利便性の向上にどのような効果があるのかを検証。また、商業施設への送客効果や来館者の購買行動に与える影響についても検証する。
アプリやECサイト、AR試着を活用
本実証実験では、2022年3月10日~2022年4月10日の期間中、HEP FIVEにて「TRY ON!NEW STYLE PROJECT」と題したイベントを開催し、ドコモが開発を進めるXRコンテンツ開発ツールや衣装3Dモデル加工技術を活用した実証実験用アプリ「HEPSコーデ」を提供するほか、ECサイト「HEP FIVE ONLINE SHOP」を開設するとともに、HEP FIVE内に「AR試着体験ゾーン」を設置。
アプリでは、バーチャル上に再現したHEP FIVEで3D化したファッションアイテムのコーデ体験ができ、友人と一緒に会話をしながら複数ブランドのアイテムを組み合わせて、コーディネートが楽しめる。また、ECサイトを利用することで、アプリで紹介するアイテムのほか、HEP FIVEに入居するさまざまな人気ショップのアイテムを、24時間いつでもどこからでも購入できる。
さらに、「AR試着体験ゾーン」では、ドコモが開発した3Dバーチャル試着システム「3D Dress-up システム(R)(スリーディードレスアップシステム)」を活用したデジタルサイネージを設置することでAR試着が可能。また、アプリと同様に3D化したファッションアイテムを利用したコーディネートも体験できる。
「アイテム遭遇体験」「3Dコーデ体験」をアプリで
実証実験用アプリ「HEPSコーデ」アプリは以下のような特徴を備えている。
①アイテム遭遇体験
アイテム単体ではなく利用シーンを基本とした画面構成により、ファッション雑誌をめくるように、偶発的にファッションアイテムと出会うことができる。また、ファッションアイテムはHEP FIVEで販売しているものを掲載しているため、実店舗で実際に手にとってアイテムが確認できる。
②3Dコーデ体験
ドコモの衣装3Dモデル加工技術を活用した3Dファッションアイテムをバーチャル上のマネキンに着せることで、複数ブランドのアイテムを組み合わせたコーディネートが楽しめる。さらに、マルチユーザー機能を実現することで、友人とボイスチャットをしながら同時にコーディネートを体験することができる。
③デジタルツイン体験
点群データを活用しバーチャル上に再現したHEP FIVEでの3Dコーデ体験や、実際に現地に行ったかのようなHEP FIVEの入退館動画を通じてデジタルとリアルが融合する新しい体験を楽しむことができる。
進むECと店舗の融合
いつでもどこでも、膨大な数のアイテムから選んで買い物ができる利便性は、間違いなくECの強みだ。一方、「偶発的なアイテムとの出会い」については、商品全体を一瞬で見渡せるリアル店舗に軍配が上がるだろう。
最近は、ECサイトもリアル店舗で買い物をしているかのような接客を実現しようという動きが進んでいたり、ECで購入した商品が店舗で受け取れたりと、ECとリアル店舗の垣根がなくなり、「ECだから」「店舗だから」という固定観点が薄れつつある。
今回「HEP FIVE」で行われる実証実験がZ世代の消費者にどのような価値をもたらし、どのように受け止められるのか、反響に注目だ。