We Agri、日本食材をシンガポールのECサイト・飲食店などに販売できる海外販路開拓支援サービスをリリース
テックファームグループで農水産物輸出ソリューションを手掛ける株式会社We Agri(東京都中央区、代表取締役CEO:根岸健)は、日本産食材をシンガポール向けにECサイトや小売店、外食店などで販売できる海外販路開拓支援サービス「コネクトアジア(仮称)」を2022年3月より開始すると発表した。
デジタル化やデータ活用に関する最先端技術を活用した独自の流通プラットフォームにより新たな顧客開拓や商品開発を支援するデータを収集するとともに、原材料の法規制確認など複雑な輸出関連業務をすべて代行することで、輸出業務から現地消費者やバイヤーなどへの認知を高める長期的なブランディングまで一貫してサポートするという。
日本の「食」を海外へ
We Agriは、2010年よりASEANの有望市場であるシンガポールをはじめとしたアジア諸国をターゲットに、日本の農水産物や加工食品などの輸出事業を軸として発展してきた。
コロナ禍の消費行動の変化に合わせ、ITを活用した農水産物流通プラットフォームを卸売から直販向けに展開し、自社ECとして国内の消費者向けに「大田市場直送.com」、シンガポールの消費者とレストランなど小売店向けに、それぞれ「Tokyo Fresh Direct」「Tokyo Fresh Biz」を開設し、高品質な生鮮品を中心とした日本産食材の流通拡大に貢献してきた。
さらに、農林水産省の農林水産物・食品の輸出拡大事業として、「日本食冷凍ミールキット販売プロジェクト」に参画し、冷蔵・冷凍品輸送のコールドチェーンやシンガポールの主要小売店への販路開拓による流通網の構築などを行ってきた。
こうした知見・ノウハウ・ネットワークを、自社だけにとどまらずさまざまな生産者や食品メーカーに提供することで、日本の「食」を盛り上げたいという思いから、海外販路開拓支援サービス「コネクトアジア(仮称)」の提供開始に至ったという。現在はシンガポールのみだが、同社はマレーシア、香港、台湾へのサービス展開に向けて準備を進めているそうだ。
輸出業務からブランディングまで一貫サポート
今回提供を開始する海外販路開拓支援サービス「コネクトアジア(仮称)」のサービス特徴は以下の通りだ。
①オンラインと実店舗の同時販売が可能
一般的な展示会への出店は、販売期間が短いにもかかわらず、流通網や人材の確保などでコストが高額となる。シンガポールの大手ECサイトや外食企業向け自社越境ECサイト、大手小売店の常設棚での半年間にわたる同時販売を代行することで、属性が異なる顧客のニーズにも対応できる。
②複雑な輸出関連業務を一貫してサポート
食品輸出には、さまざまな法規制や手続き、各国特有の商習慣や言葉の壁が存在し、個々の事業者にとって多くの課題が立ちはだかる。We Agriがこれまでの取引で蓄積してきたデータベースを活用することにより、原材料などの法規制確認を即時に行うことができる。またICTを活用し、英文貿易書類作成、現地受発注業務、売場メンテナンスなどの複雑で多岐に渡る輸出関連業務を一貫して支援する。
③輸出を低コスト化し、販売価格を最適化
テックファームグループが有するデジタル化やデータ活用に関する最先端技術や多様な産業におけるDX支援の知見を活用し、独自に構築したデータ活用のための流通プラットフォームにより、過去データに基づく商品ダメージリスクの予測と複数ある物流ルートからコスト優位な選択を行うことで流通コストを下げ、適正な現地販売価格を算出する。また、顕在化された需要に対処することで在庫リスクの減少にもつながる。
④毎月の販売レポートで長期的なブランディング構築
毎月1回、販売状況のレポートを提供し、ユーザーの声やデータ分析を通じ改善点を抽出。オプションとして提供する現地の嗜好を捉えたSNSマーケティング活動により、商品ニーズを把握しながら長期的なブランディングのための活動をサポートする。
「コネクトアジア(仮称)」概要
・金額:初期費用30万円/月額6万円
・実施期間:6ヵ月(6ヵ月単位で延長可能。初期費用は初回のみ)
・配送可能エリア:シンガポール国内全域(一部島しょ部除く)
・取扱商品:原則、小売店の店頭にて常温販売が可能な加工食品が対象
・販売商品数:最大5商品まで。(商品入れ替えは別途相談)
※オプションでSNSマーケティングも対応可能
8年連続で輸出額が過去最高を更新も
農林水産省の統計によると、2020年の日本の農林水産物・食品の輸出額は9,223億円で、8年連続で過去最高額を更新した。順調に輸出額を伸ばしているように思えるが、政府が掲げていた「2020年までに1兆円を超える」という目標値を達成することはできていない。
近年、アジアを中心に、見た目が美しく高糖度であることから日本産の果物の人気が高まっているが、価格の面で広く普及するまでに至っていない。日本の食品の真の魅力を世界に伝えるためには、高級路線一辺倒ではなく、大衆層に向けたマーケティングにより力を入れる必要があるのではないだろうか。