同封広告とは?同梱広告との違い、広告費用の相場や出稿方法を徹底解説

  公開日:
最終更新日:

ECのミカタ編集部

同封広告とは?同梱広告との違い、広告費用の相場や出稿方法を徹底解説

同封広告は、 ターゲティングや開封率の面で強みをもった広告手法です。商材と相性のよい媒体を選び、適切に訴求できれば、見込み顧客に効率よくリーチできます。
一方、発行時期や広告枠が限定されている点、審査が厳しい点などのデメリットもあります。メリットとデメリットを把握したうえで、商材と親和性の高い媒体を選べるとよいでしょう。

同封広告とは

同封広告とは、商品や郵送物に同封して広告を送付する広告手法です。同封広告に用いられる郵送物は、カタログや会報誌からクレジットカードの明細書に至るまで、さまざまな種類があります。いずれもターゲティングの精度に長けている点が最大の特徴です。

同梱広告との違い


同封広告と同梱広告は、どちらも同じ意味で使われています。媒体によって表現が違うだけで意味上の違いはありません。
また、同封広告や同梱広告のほかに同送広告と呼ばれることもあります。いずれも同じ意味の言葉としておさえておくとよいでしょう。

同封広告の種類

同封広告は、メインとなる郵送物によって、いくつかの種類に分けられます。どんな郵送物に同封するかによって、特徴やターゲティングできる属性が異なるため、商材やターゲットに応じて適した媒体を選ぶことが大切です。
以下では、同封広告において用いられる媒体について解説します。

通販カタログ


通販カタログは、もっともメジャーな同封広告です。通販カタログは特定のジャンルに特化して商品情報を掲載しているため、消費者のニーズからターゲティングしやすい点が特徴です。
また、消費者が請求すると送付されるようになっている媒体が多く、開封率の高さもメリットとしてあげられます。購入意欲の高い消費者を中心にアプローチできるため、コンバージョンにつながりやすい媒体といえます。

商品同梱


商品同梱は、顧客が購入した商品に同封する広告手法です。化粧品や健康食品のなどの分野を中心によく利用されており、サンプルを同封する方法も効果的です。顧客自身が商品を購入しているため、ほぼ100%の開封率を期待でき、あらゆる広告手法のなかでもアプローチに強みをもっています。
また、購入商品や登録情報をもとにターゲティングできる点も商品同梱の特徴です。ターゲティングの精度が高いうえ、ほぼすべての顧客に開封してもらえるため、優秀な媒体であるといえます。

会員誌・会報誌


会員誌・会報誌は、特定の組織に所属するメンバーに送られる雑誌に同封する広告手法です。通常の新聞や雑誌に比べてターゲティングしやすいため、リーチする消費者をセグメントできる点が特徴です。
また、会員誌・会報誌を用いた同封広告では、組織に登録されている情報をもとに、独自のセグメントを追加できます。細かなターゲティングや独特の条件を設定できるため、カスタマイズも相談できる可能性があります。

明細書


明細書は、クレジットカードなどの利用明細書に同封する広告手法です。重要な情報が掲載されているため、開封率が高く、利用者層をもとにターゲティングできる点が特徴です。
また、クレジットカードの利用明細書を用いた同封広告の場合、スーパーマーケットや百貨店などの発行元からも媒体を指定でき、より細かなセグメント分けができます。

同封広告のメリット

同封広告は、紙媒体のなかでもレスポンス率の高い広告手法として知られています。近年ではパフォーマンスの高いWeb広告が注目されていますが、チラシやサンプルで訴求したい場合は同封広告が有力候補となるでしょう。
しかし、同封広告にはどんなメリットがあるのでしょうか。以下では、同封広告のメリットについて解説します。

ターゲティングがしやすい


前述のとおり、同封広告はターゲティングに強みをもった広告手法です。同封する媒体によって、消費者の趣味嗜好や価値観はもちろん、年収帯や居住地などからもターゲットを絞れます。
年齢や性別などをもとにターゲティングできる広告手法は多くありますが、趣味嗜好をはじめ、内面的な情報をもとにしたセグメンテーションができる媒体は希少です。ターゲティングの精度を高められると、見込み顧客に効率よくアプローチできるでしょう。

帰属意識の強い層にリーチできる


同封広告のなかには、特定の組織に所属するメンバーだけにリーチできる会員誌・会報誌があります。会員誌や会報誌を利用すると、帰属意識の強い層にリーチできます。
会員の帰属意識が強い媒体の強みは、開封してもらいやすい点です。広告の開封率を向上させるのは難しく、はじめから開封率の高い媒体を選択することは非常におすすめです。とくに会費が発生する会員誌・会報誌であれば、メンバーの帰属意識とともに、同封広告の開封率も高まります。
また、物販系の媒体の場合、直近で購入履歴がある顧客だけにターゲティングしておけば、コンバージョン率の向上にもつながるでしょう。

媒体の種類が多い


同封広告を出稿できる媒体の数は、1,000以上にものぼります。そのため、商材やターゲットによって適した出稿先を選ぶ際、あらゆる媒体のなかから適した媒体を選択可能です。
媒体の数は、広告主にとって選択肢の数でもあります。広告素材や商材が同じであっても、掲載する媒体によって結果に大きな差が出るケースもあるため、仮説をたてて検証してみるとよいでしょう。

つねに新たな層にアプローチできる


同封広告と似た手法として、ポスティングや新聞折込チラシなどの方法があります。しかし、これらは顧客層の入れ替わりが少なく、アプローチできる顧客の数が制限されてしまう点がデメリットです。特定の顧客に対して同じ広告を配信しつづけても、コンバージョンにつながらないうえ、広告に対する嫌悪感を募らせかねません。
一方、同封広告を出稿できる媒体のなかには、新規開拓に力を入れているものが多く、つねに新たな層にアプローチできる点が強みです。そのため、一つの媒体を継続的に利用していても、広告効果が薄くなりにくいでしょう。

同封広告のデメリット

同封広告にはさまざまなメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。そのため、出稿を検討する際は、デメリットも理解しておくことが重要です。
以下では、同封広告のデメリットについて解説します。

出稿できない商材がある


同封広告は、媒体の種類が豊富な広告手法として知られていますが、商材によっては媒体側から掲載を断られてしまうケースもあります。
同封広告の出稿においては、広告表現やその他の法的な基準はもちろん、媒体が独自に設けた規定をクリアしていなければいけません。なかには、媒体のブランディング上の規定などが設けられていることもあり、一部の媒体では厳しい基準が課されます。
そのため、同封広告の出稿に対応している媒体であっても、商材や広告の内容によっては広告を出稿できるとは限りません。媒体を選定する際は、いくつかの媒体をピックアップしておくとよいでしょう。

媒体の発行時期が決まっている


同封広告を出稿できる媒体の多くは、発行時期とペースがあらかじめ決められています。そのため、広告を任意のタイミングで配信できるわけではありません。商品の発売や繁忙期などのタイミングに合わせて配信したい場合、同時期に発行される媒体を選ぶ必要があります。
上記の理由から同封広告は、配信時期をコントロールする必要がある商材にはあまり向いていません。広告主の指定日に配信できるDMやWeb広告と比べて、柔軟性に劣る面もあるでしょう。

広告枠の数が制限されている


同封広告をはじめとする紙媒体は、基本的に広告枠の上限が設けられています。人気の媒体は広告枠が埋まってしまい、出稿できないケースもあります。そのため、出稿を希望する媒体が決まったら、早い段階で広告枠をおさえておくことがポイントです。
発行時期が近くなると広告費が安くなることもありますが、広告費を抑えようとして枠自体がなくなってしまうと本末転倒です。

同封広告の料金相場

同封広告の料金相場は、1件あたり6〜15円程度です。紙媒体の広告は、基本的に一定数以上からでないと出稿できない仕組みとなっており、同封広告の目安としては50万円程度から出稿可能です。
一度に大口の出稿を契約したり、複数回にわたって出稿している得意先になったりすると、単価を下げてもらえる可能性もあります。

同封広告を出稿するまでの流れ

同封広告を出稿する際はどのような手続きが必要となるのでしょうか。
以下では、同封広告を出稿するまでの流れについて解説します。

広告代理店・出稿媒体を決める


同封広告の出稿を希望する場合、はじめに広告代理店と出稿媒体を決めます。同封広告の場合、直接媒体に交渉できるものもあるため、媒体の問い合わせ窓口に連絡する方法と広告代理店に依頼する方法があります。媒体と直接契約ができればマージンが発生しない分、広告費を抑えられますが、1,000以上もある媒体のなかから自社に適した出稿先を探すのは簡単ではありません。
また、媒体によっては広告代理店経由でないと出稿できないものもあるため、はじめから広告代理店に相談してみるのも一つの手です。

企業・商材の審査を受ける


出稿媒体が決まったら企業・商材の審査を受けます。前述のとおり、同封広告の出稿には審査の通過が必須です。審査にかかる期間は、媒体によって異なりますが、約1週間ほどです。

出稿枠を確保する


審査の通過後は、出稿枠を確保します。発行時期と広告枠数があらかじめ決められているため、できるだけ早めに出稿枠を確保しておくとよいでしょう。
ただし、出稿枠を確保したあとにキャンセルすると、別途キャンセル料が発生してしまいます。そのため、広告を出稿すると決定してから、広告枠の確保を伝えるようにしましょう。

クリエイティブの制作・審査


出稿する広告枠が決まれば、クリエイティブの制作に移ります。クリエイティブとは、実際に同封する広告です。クリエイティブの制作には一定の期間がかかるため、最低でも約1か月程度をみておくとよいでしょう。
また、クリエイティブの制作後にも審査があります。媒体側のフォーマットや規定を満たしていないと、クリエイティブを修正する手間が発生するため、事前によく確認しておくことが大切です。

印刷・封入


審査の通過が確認できたら、原稿データを印刷会社へ入稿します。媒体に確認のうえ、あらためて印刷会社と発注枚数や納期を確認しておくと安心です。
また、媒体に納品された広告は封入されて消費者のもとへ届きます。

広告効果を検証する


広告の配信後は、必ず効果検証を実施すべきです。同封広告の場合は、ある程度期間が経過してから効果が現れはじめる可能性もあるため、広告の配信直後と一定期間後に効果検証を実施するのがおすすめです。