【2022最新】SNS広告とは?特徴やメリットから料金や事例まで徹底解説
認知拡大の可能性をもつSNS広告は、効率的に潜在層に情報を届けられます。
SNSを用いたコミュニケーションや情報収集は、多くの現代人にとって日常における当たり前の行為になっています。企業にとっても、この巨大なプラットフォームを活用しない手はないでしょう。
せっかくよい製品・サービスがあっても、ユーザーに知ってもらわなくては意味がありません。ぜひSNS広告を通してプロダクトの魅力をもっと広めてみてください。
SNS広告とは
Twitter、LINE、InstagramなどのSNSプラットフォーム上で配信する広告をSNS広告と呼びます。
総務省による2021年度の調査では、48.6%とおよそ半数の人が日常的にSNSを利用していると回答しました。民間のマーケティング会社の独自調査による、より高い割合のデータも存在しています。
SNS広告は、多くの人が目にする機会のある場所=SNSで自社の製品やサービスを、より興味を持ってくれる可能性の高いユーザーに知ってもらえる、いまの時代だからこそ求められているプロモーション手段です。
現在、テレビや新聞といった従来のマスメディアの影響力は以前ほど強くありません。企業は「不特定多数の消費者」ではなく、より細かな区分の「自社のプロダクトを欲している消費者」をターゲットに情報を届ける必要があります。
この時代性を反映したマーケティングフレームワークで、「ULSSAS(ウルサス)」と呼ばれるものがあります。これは、ユーザーの購買行動プロセスを「UGC(広告や投稿での認知)」「LIKE(いいね)」「Search 1(SNSでの検索)」「Search 2(検索エンジンでの検索)」「ACTION(購買)」「SPREAD(拡散)」の6段階にわけたものです。ユーザーの購買を促すには、まず「UGC」や「LIKE」で認知と関心を集める重要性がわかります。SNS広告は、認知・関心の部分に効くプロモーションです。
ここから詳しく、その特徴について解説をしていきます。
WEB広告との違い
SNS広告で特徴的なのは、ほかのWEB広告ではアプローチをしきれない層のユーザーにまでリーチする可能性がある点です。とりわけ、リスティング広告とは明確に性質が異なっています。
リスティング広告との違い
GoogleやYahoo!の検索面に出るリスティング広告とSNS広告。両者の最も大きな違いは、ターゲットとするユーザーの属性です。
リスティング広告は、ユーザーがWEBで検索した語句に応じて広告を露出します。つまり、広告を目にするユーザーは自分が今求めているもの、探しているものを明確に持っている顕在層です。
対して、SNS広告は検索というユーザーの自発的な行為ではなく、普段使っているSNS上での行動や登録されているデータをもとに関心が高いと思われる内容を配信します。
SNS広告のメリット
SNS広告は、具体的に次のようなメリットを持っています。
ターゲティングの精度が高い
SNS広告のターゲティングは、プラットフォームに集まる大量のユーザーデータから生み出されるものです。
一般的に使用されるSNSの多くは、ユーザー登録の際にメールアドレスや生年月日、地域などの個人情報を登録します。加えて、閲覧者としてフィードに現れる投稿に対しておこなう「いいね」や「RT」の反応から、一人ひとりのユーザーがどのような興味関心をもっているかの情報も蓄積されています。
これらのデータを用いることで、たとえば「東京都在住」「女性」「子育て中」といった、細かいセグメントで絞った条件にあうユーザーをターゲットとし、広告を配信できるのです。
潜在顧客にアプローチできる
すでにリスティング広告との違いとして述べていますが、SNS広告は潜在顧客からの認知獲得という点において、高い確度を持っています。
ここでいまいちど、顕在顧客と潜在顧客の違いを、例を交えて解説しましょう。
たとえば、「毎日の掃除を効率化したい」というニーズを持つユーザーは、欲求を満たすためのものとしてロボット掃除機を購入しようと考え、WEBサイトでよい製品を見つけようと検索します。このようなユーザーが顕在顧客です。
一方、潜在顧客は自らのニーズに自覚的ではありません。毎日掃除機をかけるのを心の中では面倒に思いつつも、状況を解決できる製品やサービスがあることを知らず、積極的に探そうともしていない状態です。彼らは検索行為をしないので、リスティング広告やSEO対策で情報を届けることは困難です。
そこでSNS広告が効果を発揮します。前述のように、SNS広告はデータを用いて商品やサービスに関心を持ちやすいと思われるユーザーをターゲティングできるため、まだ自社のことを認知していない潜在顧客へもアプローチが可能です。
コストパフォーマンスが高い
SNS広告の費用は成果報酬型です。加えて少額からの出稿が可能であり、従来のメディアにおけるマス広告に比べて大きくコストを抑えられます。
また、すでに述べている、精度の高いターゲティングで潜在顧客にアプローチできるメリットのほか、
・自然投稿の中になじむ形のインフィード広告のため、よい意味でPR色が強くなく、ユーザーから内容を読んでもらいやすい
・若年層にリーチしやすい
・場合によってはユーザー自身も拡散をさせてくれる可能性がる
といった特質から、費用対効果の高い広告モデルといえます。
SNS広告の種類・出稿できるプラットフォーム
これから紹介する6つはいずれも多くのユーザーが使用するメジャーなSNSプラットフォームであり、すべて広告の出稿機能を持っています。
それぞれ、「どんなユーザーが主に使うのか」「ユーザーはどのような使い方をしているのか」など特徴が異なるので、自社の製品にあったプラットフォームの選定が肝心です。
月間利用者数:6,658万人(2024年3月時点)
参考:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/0014
アクティブユーザーの年齢層は広く10~50代までわたり、日本で最も活発に利用されているSNSのひとつです。
Twitterの特徴は拡散性の高さ。また、匿名性があることから、多くのユーザーがリアルの人間関係だけでなく、趣味や興味関心ごとを通してのアカウント同士のつながりを持っており、情報収集手段としても使われています。
拡散性とユーザーを趣味嗜好によりセグメントできる点は、広告としてもTwitterというプラットフォームの特性です。この点に着目し、認知度拡大を目指してあらゆるジャンルの企業が公式アカウントを開設し、広告も出稿しています。
月間利用者数:3,300万人(2024年3月時点)
参考:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/0014
写真やイラスト、短い動画などのビジュアルを中心としたコミュニケーションの場を提供するInstagram。若い世代を中心に利用されており、とりわけ10代・20代の女性が活発なユーザー層です。
TwitterのRTのようにユーザーから投稿を拡散してもらうことは難しいですが、反響のよい投稿は検索面で優先的に表示されることがあります。
Instagram広告が向いているのは、アパレルブランドやコスメ、通販の食品など見た目の魅力が重要なto C向けの商品販売です。アカウントにそのままショップシステムを持たせる機能もあります。
また、インスタをおすすめスポットの検索のために使うニーズもあり、実店舗やサービス施設のプロモーションにも活用できます。
月間利用者数:2,600万人(2024年3月時点)
参考:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/0014
Facebookがほかのプラットフォームと大きく異なるのは実名登録が必要な点です。これにより、地域や経歴などをもとにしたターゲティングの精度がかなり高いものとなっています。
Facebookの利用者ニーズの大半はビジネス目的で、主なユーザー層は30~50代、比較的男性が多い傾向にあります。toBの商材やサービスなどの宣伝に向いているでしょう。
LINE
月間利用者数:9,600万人(2024年3月時点)
参考:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/0014
いまやコミュニケーションツールとして欠かせないLINE。ほかのSNSは使っていなくても、LINEは日常的に使っているという人も多く、リーチできるユーザーの幅はかなり広いといえます。
企業でも、LINEアカウントを運用してユーザーとコミュニケーションをとる事例が増えてきています。LINE公式アカウントでは、「友だち」と呼ばれるフォローユーザーに直接メッセージやクーポンの配信が可能です。
LINE広告は美容院や飲食店、クリーニング店など地域密着でサービスを展開する実店舗や個人事業主におすすめです。
YouTube
月間利用者数:7,000万人(2022年10月時点)
参考:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
動画プラットフォームの最大手であるYoutubeは、幅広い層のユーザーを抱えています。世界でもGoogleについで2番目に多く利用されているサイトであり、リーチのできるユーザーのボリュームもかなり大きなものです。
YouTube広告は運営元であるGoogleのデータを用いて配信します。最適化の精度が高く、Google広告の管理画面から細かな効果検証も可能です。
幅広いジャンルの商材におすすめできますが、動画広告用にの質のよいクリエイティブを用意するには時間とコストがかかります。
TikTok
月間利用者数:1,690万人(2021年時点)
参考:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
短くインパクトのある動画を投稿できるSNSで、主なユーザー層は10代~20代前半の若者です。最近では「TikTok売れ」という言葉も出るほど、TikTok上でバズった=大きく話題になった商品の売れ行きが伸びる現象も起きています。
若者向けの商材はTikTok広告出稿におすすめですが、広告費が他の媒体に比べると高めという点がデメリットです。
SNS広告の課金方式・費用相場
SNS広告は、ほかの多くのWEB広告同様、運用型の出稿スタイルとなります。
運用型広告とは、配信の内容に応じて自由に予算を調整できる成果課金の広告です。
課金ポイントをどこに設定するかはプラットフォームにより異なりますが、主に下記のような種類が存在します。それぞれ特徴と、費用相場をご紹介しましょう。
クリック課金型
広告がユーザーにクリックされると費用が発生します。サイト遷移を増やしたい場合、あるいは商品の販売などに適しています。
費用相場:24~200円/クリック
インプレッション課金型
タイムラインやフィードに表示されるに応じて費用が発生します。認知度の向上に効果的です。
費用相場:400~650円/1,000imp
インストール課金型
アプリの拡散のためよく使用される、インストールされるごとに課金されるタイプの広告です。
費用相場:100~250円/インストール
動画再生課金型
出稿した動画広告の再生数に応じて課金されます。注意点は、プラットフォームにより「再生された」とカウントする基準が異なること。きちんと広告のメッセージがユーザーに伝わるところまで再生されるかどうかもポイントです。
費用相場:5~20円/再生
エンゲージメント課金型
主なプラットフォームの中ではTwitterで使用されているものです。エンゲージメントと呼ばれる、投稿内容に対するユーザーからの行動(いいね・RT・詳細のクリックなど)が起きるたびに、費用が発生します。
費用相場:5~20円/再生
フォロワー課金型
フォロワー獲得に応じた基準も、Twitter広告で採用されているものです。広告を経由してフォローが発生すると課金されます。
費用相場:40~100円/フォロワー
SNS広告の注意点
SNS広告には、いくつか気をつけておかなくてはいけない点があります。
炎上リスクを避ける
広告に限らず、企業のSNS利用には常に炎上リスクが伴っていることを意識しましょう。
昨今、企業モラルは消費者にとって大きな関心ごとです。とくにTwitterのように拡散性のあるメディアでは、ひとつの投稿でも、不適切な発信があっという間に広まってしまうおそれがあります。悪印象のある企業のプロダクトを消費者は避ける傾向にあり、一度ついたマイナスイメージはなかなか払拭できません。
投稿内容に対しては常に、「企業メッセージとして適切か」「誰かを傷つけたり不快にさせたりする表現はないか」という視点でチェックが必要です。
コンバージョンを適切に測定する
運用型というSNS広告の特性を最大限活かすためには、コンバージョンを正しく測定し、つねに広告出稿内容の最適化を図る必要があります。
ただし問題なのが、必ずしもコンバージョン計測の基準が全プラットフォームで統一されているわけではないことです。
たとえば、Twitter広告の管理画面上で確認できるコンバージョン状況と、Google Analyticsなどサイト側の分析ツールにあらわれる数値が合致しない、といったケースも生じます。
正しいデータを計測できないと、広告の中で何を改善すべきかを探すのが難しくなります。
あらかじめ媒体による計測の仕様を調べ、平行して使う分析ツールとの違いを把握したうえでの利用がおすすめです。
ターゲットによって出稿媒体を選択する
SNSは、プラットフォームによってそれぞれメインのユーザー層が異なっています。プラットフォームの中では蓄積されたデータにより効果的なターゲティングが可能でも、肝心のターゲットがそもそもそのSNSを利用していなかったらあまり意味がありません。
わかりやすくたとえるなら、育毛剤の広告を、ターゲットとする中年男性があまり利用していないTikTokの配信面に出稿しても、あまり効果は得られないということです。
あらかじめ想定しているユーザー像にあわせて出稿する媒体を決めましょう。
SNS広告の出し方(Facebook・Instagram)
プラットフォームごとに、広告の出稿方法は異なります。
以下、今回紹介するのは2021年に社名変更した「Meta」が保有するふたつのSNS、FacebookとInstagramでの広告の出し方です。
どちらのプラットフォームでも、広告を出稿する際は「Meta Business Suite」というFacebook広告の管理画面を使います。そのため、まずはFacebookのアカウントとページ(Instagramに出稿するならそちらのアカウントも)が必要となりますので、事前に登録をしておいてください。
アカウントができたら、管理画面から下記の流れで広告配信の設定を行います。
1.広告のマーケティングの目的を設定
2.オーディエンスと呼ばれるターゲットの設定
3.広告の配信先の設定
4.予算の設定
5.広告フォーマット(どのような見た目の広告にするか)の設定
Instagram広告の場合は、上記の手順の前にFacebookページとInstagramアカウントの連携が必要となります。
SNS広告の活用事例
ここまでSNS広告の持つメリットや可能性を解説してきましたが、やはり具体的な成功例を見るのがいちばん活用のイメージをしやすいでしょう。
以下に、それぞれ異なるジャンルから4つの企業のSNS広告の事例を紹介します。ぜひ、自社での運用の際参考にしてみてください。
【エンタメ】ユニバーサル・ミュージック
音楽企業のユニバーサル・ミュージックが導入したのは、Instagram広告の「ThruPlay」です。ThruPlayは、動画広告が15秒以上再生されるように最適化された広告オプションで、FacebookやInstagramで使用できます。
ユニバーサル・ミュージックがインスタ上の動画再生数アップのためThruPlayを採用したところ、ユーザーの視聴意欲向上につながる結果となりました。
【食品】カモダ米穀
カモダ米穀は、兵庫県姫路市にある全国の銘柄米の取扱会社です。「お米のみよちゃん」という店舗名で、法人・個人どちらも対象に販売を行っています。
同社はEC展開を促進させるため、LINE公式アカウントの運用を実施。同じタイミングでほかのSNSも導入しましたが、より幅広い層のユーザーに直接情報を届けられるメリットからLINEに注力することを決め、配信対象のユーザー数を増やす目的で「友だち追加広告」に出稿しました。
また、LINE広告の配信と同時に告知フライヤーも配布。両方のクリエイティブデザインをそろえ、WEBとリアルをかけあわせたアプローチの結果、1か月間でおよそ1,000人もの友だち登録ユーザー増につなげています。
【工業】浅野金属工業
新潟県に本社を構える、漁具の国内シェアナンバーワンのステンレス製品メーカーです。海外市場開拓のため、Facebook広告を活用しています。
もともと展示会などで海外顧客と商談の機会を持ちつつも、成約まで至らないという課題を抱えていた同社。Facebook上で配信ターゲットを北欧・北米の漁業関係者に絞り、画像を複数表示させるカルーセル広告や動画広告の配信で製品をアピールしました。さらに、配信タイミングを展示会前後の日程にあわせることで、当日会場での成約率アップに貢献しています。
【飲食】熊本ラーメン黒亭
飲食店の販促を活性化させたSNS広告活用例として、熊本県のラーメン店によるLINE広告の事例を紹介しましょう。
「熊本ラーメン黒亭」は、県内の4つの実店舗とオンラインショップを抱え、それぞれでLINE公式アカウントを運用しています。LINEアカウントでは、友だち登録をしているユーザーにキャンペーン情報やクーポンを配信して集客・販売を促進するほか、ブランディングを目的にオリジナルコンテンツの配信も行っています。
黒亭は登録ユーザーの伸び悩んでいたECサイトのアカウントを活性化させるため、LINE広告の「友だち追加広告」を導入。9か月間で7倍以上のユーザーを獲得しました。配信の際に設定した友だち追加の特典も、成果の一因となっています。
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