ECプラットフォーム「Stailer」がシニア向け機能を追加、免許返納後のネットスーパー利用を促進

ECのミカタ編集部

小売チェーン向けECプラットフォーム「Stailer」を提供する株式会社10X(本社:東京都中央区、代表取締役CEO 矢本真丈)は、改正道路交通法の施行を背景に高まるシニアのネットスーパー利用ニーズに対応するため、シニアユーザー向けの機能追加を行ったと発表した。

高齢ドライバーが免許返納しない背景に「買い物」

高齢化が進む中、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化している。5月13日には、75歳以上のドライバーが免許の更新をする際に、一定の違反歴がある場合には運転技能検査を義務付ける改正道路交通法が施行され、適切なタイミングでの「免許返納」を促す動きが進んでいる。

一方、免許返納数は2019年をピークに直近数年では減少しており、自主返納がなかなか進まないという課題がある。その背景には、75歳以上の後期高齢者の運転の目的1位が「買い物のため」という調査結果があるなど、免許返納を行うことで「日々の買い物ができなくなる」「買い物難民化する」という不安が要因の一つとして考えられる。

シニア世代にもネットスーパーが徐々に浸透

シニア世代(高齢者)が自ら運転をしなくても、自宅で安全に買い物ができるネットスーパーは社会インフラとして重要な手段のひとつだ。コロナ禍でネットスーパー全体の利用者数が増加したことに加え、60・70代の利用が前年の約2倍に増加するケースもあり、身体的な負担が小さく、感染リスクも低いネットスーパーの利用が徐々に浸透している。

一方で、シニア世代にとっては「ネットスーパーの使い方が難しい」「画面が小さく文字が見えづらい」などの課題も多数残っているのが現状だ。

そこで同社は今回、小売事業者向けに提供するネットスーパーのプラットフォーム「Stailer」において、シニア世代がより使いやすくなる機能を追加。ネットスーパー利用がより簡単・便利になり、免許返納を行っても安心して買い物ができる社会を目指すという。

追加機能の概要

追加機能の概要

シニア世代のネットスーパー利用をより便利にするため、新たに追加した機能は以下の通り。以下の機能は、「Stailer」を利用して提供する各小売事業者のネットスーパーやドラッグストアECにて順次反映されるという。

①文字サイズの拡大に対応
iOS、Androidの各OSや、各ブラウザにて提供する文字サイズの拡大機能に対応し、大きい文字で閲覧できるように。文字サイズを大きくした場合には、同時にボタンのサイズも大きくなり、タップしやすくなる。

②タブレット端末のレイアウト変更
iPad、iPad mini等のタブレット端末で表示した際のレイアウトを変更し、商品を比較・選択しやすい画像サイズ・文字で閲覧できるようになった。

③文字色の変更
可読性の向上を目指し、基本的な文字色について十分なコントラストを確保するよう調整を行った。

徒歩圏内にスーパーがなく、公共交通機関も不便な地域では車で買い物に行くのが当たり前になっており、車を運転できなくなった、あるいは免許を返納した途端、日常生活に支障をきたすという現実がある。

コロナ禍での外出自粛の文脈で脚光を浴びたネットスーパーだが、今後は高齢者をはじめスーパーに足を運ぶことが難しい層を支える社会インフラとして、ますますその存在感を高めていきそうだ。

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