Hamee、「ネクストエンジン」事業の分社化を決定

ECのミカタ編集部

Hamee(ハミィ)株式会社(所在地:神奈川県小田原市、代表取締役社長:水島 育大、証券コード:東証プライム3134、以下、Hamee)は、「ネクストエンジン」の開発・運営を手掛けるプラットフォーム事業を分社化し、「NE(エヌイー)株式会社」へ承継することを決議した。

ミッションを維持、実現していくための手段

Hameeは、2022年8月1日(予定)付で、クラウド(SaaS)型 EC Attractions「ネクストエンジン」の開発・運営を手掛けるプラットフォーム事業を分社化し、同社が設立した100%連結子会社である「NE株式会社」へ承継することを決議した。なお、この分社化は、2022年7月28日に開催予定の同社定時株主総会による承認が得られることを条件として実施するとしている。

同社は、分社化について次のように述べている。Hameeはミッションとして「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げており、メンバー一人ひとりが高い熱量を維持し続けられる環境を作ることでこそ、このミッションを達成できるとしている。そのような考えから今回、超長期的にミッションを維持、実現していくための手段として、プラットフォーム事業の分社化を決定したのだ。

進化するビジネスモデル

同社グループは、携帯電話のストラップ専門ECとしてスタートしたコマース事業を祖業としている。同事業の成長を図る一方で、EC運営に関わるさまざまな課題が表面化したことを機に、これを解決するためのサービスとして「ネクストエンジン」を開発することによって、現在のプラットフォーム事業が生まれた。

「ネクストエンジン」は、自社のEC運営現場から生まれた点が、他社サービスとの最大の差別化要素となっている。一方で多くのユーザーが利用することで、自社以外のEC運営ノウハウも取り込むことが可能となり、コマース事業とプラットフォーム事業は相互にシナジーを発揮しながらHameeグループ全体の成長を実現してきた。

しかし現在、「ネクストエンジン」のユーザー数は5,400社を超え、多種多様な商材の流通、様々な規模のEC事業者のビジネスを支えるインフラへと成長している。コマース事業は一ユーザーではあるものの、もはや単一企業の課題解決によってサービスの機能向上を実現するという観点は薄れ、5,400社以上のユーザー、その先にいる全国のEC事業者の課題解決に向けたサービス開発が求められるようになった。

一方、コマース事業においても、当初は他社商品の仕入販売が中心だったのに対して、現在では販売額全体の約9割を自社製品が占めているという。またグループ内に製品の企画、開発、製造する機能を有しており、サプライチェーンの上流から下流まで全てを自社で完結することが可能なビジネスモデルに進化した。

機動的かつ柔軟な意思決定が可能に

これらを踏まえ、プラットフォーム事業、コマース事業ともに、それぞれ成長フェーズが大きく変化したとの認識に至ったという。その前提に立ち、二つの事業が一つの組織として成長する過程で、管理業務の複雑化や非効率化、単一の人事制度による社員モチベーションの維持向上の難しさなど、様々な課題も生じた。

前述のようにHameeは、ミッションとして「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げており、メンバー一人ひとりが高い熱量を維持し続けられる環境を作ることでこそ、このミッションを達成できるとしている。そのような考えから今回、超長期的にミッションを維持、実現していくための手段として、プラットフォーム事業の分社化を決定したのだ。

同社は、分社化により、それぞれの組織がスリム化し、機動的かつ柔軟な意思決定の実現が可能になると期待するとしている。また今後について、「クリエイティブ魂に火をつける」を共通のミッションとして、それに強く結びつくカルチャーをそれぞれがグループ全体で持ち続けることで、引き続きHameeグループは一体感を持って成長していきたいとしており、分社化によってミッションを維持、実現していくための新たなステージに踏み出すことになりそうだ。

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