クーリエとEMSそれぞれを選択する際の判断ポイントとは
日本から海外へ荷物や書類を発送するとなると、「手続きが大変そう」「お金がかかりそう」というようなイメージを持つ方も多いと思います。しかし、クーリエという国際宅急便を利用することで実は簡単に商品を国外へ発送することが可能です。この記事では、クーリエとはどのようなサービスなのか、利用方法はどのような手順なのかを解説していきます。
クーリエとは
クーリエとは、書類や荷物を海外へ発送する「国際宅急便」で配送サービスの一つです。海外へ荷物を発送する際には、税関への申告などで必要になる様々な書類を用意しなければいけないのですが、クーリエには通関業務を専門とする通関士がおり、荷物を発送する時に必要な通関手続きを代行してもらうことができます。代表的なクーリエ業者にはFedExやDHL、OCSなどがあります。
クーリエ利用の流れ
クーリエを利用する際の具体的な流れを見ていきましょう。
①荷物の内容を確認する
どのような物品でも海外へ発送できる訳ではありません。国によって発送できる物品、禁制されている物品が定められています。クーリエのHPにも発送できない物品は掲載されているので、送付したい荷物が発送対象可能かは必ず確認をしましょう。
②運送状(Air Waybill)を作成する
次に運送状を作成します。運送状の媒体には紙とwebがあり、業者によって書式が異なります。また、書類以外の荷物を発送するときは、海外発送時に必要な「明細書・請求書・納品書」の役割を兼ね備えているインボイスという書類も用意します。最近では、業者がモバイルアプリで所要日数の確認や見積りができるサービスを提供してるケースもあるようです。
③集荷手配をする
運送状が作成できた後は、電話またはwebで集会依頼をし、集荷日時、荷物のサイズ、個数などの情報を伝えます。webで行う場合、業者によっては集荷内容を変更することができないので予め間違いがないかよく確認しておきましょう。
④通関手続きを経て配送へ
クーリエでは、集荷依頼を終えた段階で業者が通関手続きを進めてくれるため、自身が海外発送に必要な輸出入の手続きを行う必要はありません。業者は自社の通関システムを所持しているので、荷物をスムーズに国外へ送り出すことができます。早ければ集荷日当日に航空便に搭載できるといったように、他の発送サービスに比べて荷物の到着が早いことも特徴です。
クーリエを利用するメリットとデメリット
続いて、クーリエのメリットとデメリットを紹介します。
メリット
クーリエのメリットは、圧倒的な配送の速さと手続きの簡単さです。業者が自社運行の航空便を利用していたり、ドアtoドアの輸送(業者が集荷〜配送まで一貫して行うこと)を目的としているために実現しています。日本からの発送だとアジア圏で1〜3日、欧米で3〜5日、その他の地域では1週間程度で商品を届けることができます。
デメリット
クーリエのデメリットは、他の輸送サービスよりも費用が高いことです。集荷〜配達の一貫したサービスであるため、便利である反面、割高となっています。また、業者によって発送可能地域に限りがあることにも注意をしましょう。
よく比較されるクーリエとEMSとの違いは?
クーリエの他によく利用される国際輸送サービスとしてEMSが挙げられます。これらはコストやサービス内容が異なってくるため、それぞれの特徴を比較しながら見てみましょう。
EMSとは
EMS(Express Mail Service)とは、世界の公的配送会社が取り扱う国際配送サービスのことです。日本では日本郵便が担っており、郵便局で利用することができます。
運営機関の違い
クーリエとEMSの主な違いは、国際輸送サービスを運営する機関が「公的機関」か「民間企業」かということです。EMSが公的、クーリエが民間企業のサービスとなります。国内発送で例えるなら、郵便局かクロネコヤマトや佐川急便かといった違いです。
通関手続きの違い
EMSは、発送者が発送物を郵便局に引き渡し、郵便局が手続きを行います。国際郵便の取り扱いで配送されるため、通関手続きはありません。しかし、発送物が20万円を超える場合には通関手続きが必要となり、受取人が輸出申告書の作成と搬出要請を行わなければならないため注意が必要です。一方クーリエでは専属の通関士がいるため、金額に関わらず通関手続きは不要となります。
送料・関税などの支払者の違い
クーリエでは、送料・関税を発送者と受取人でどちらが負担するか選ぶことができるのに対してEMSは、発送者が送料、受取人が関税を支払うということが決まっています。EMSを用いてショップから商品を発送した場合は、購入者に負担をかけてしまうことになるので注意しましょう。
料金・配送スピードの違い
EMSは、船便などの他のサービスに比べると発送スピードは早いですが、クーリエはさらに早い傾向があります。また、クーリエは集荷〜配達までを含むサービスのため割高となります。
クーリエとEMSそれぞれを選択する際の判断ポイントとは
クーリエとEMSの違いのイメージはつかめたでしょうか?
ここでは、クーリエとEMSを選択する時に意識すべきポイントを紹介していきたいと思います。
配送日数
送付する地域によっては、EMSとクーリエで配送日数に差がないこともあります。一般的に、配送に時間を要しても送料を抑えたいときはEMS、多少割高でもスピードを重視したい場合はクーリエを利用するのが得策です。
送料や関税の支払い
EMSでは、送料を払うのは発送者、配送先の国でかかる関税を払うのは受取人と決まっています。一方クーリエにおいては、送料や関税の支払いを発送者と受取人のどちらにするかを選択することができます。そのため、荷物によって柔軟に設定したい場合はクーリエを選択するべきでしょう。
また、送る荷物の量が多い場合は送料も大きくなるため、便利さとコストのバランスを考えて最適な方法を選ぶことが重要です。普段はEMS、急いでいるときはクーリエといったように使い分けることも有効な手段と言えますね。
運送保険の有無
EMSは、価格が2万円以上の商品を発送する時には上限200万円の補償が適用されるため、保障が必要と考えられる商品にはEMSを選んだ方がいいかもしれません。一方クーリエでは、オプションとして運送保険をつけられる場合もあるため、サービス内容を料金を考慮した上で利用しましょう。
まとめ
本記事では、クーリエの内容や利用する流れ、EMSとの違いについて紹介してきました。クーリエは多少割高となるものの、集荷から配送までが一貫したサービスとなっているため、利便性やスピードといったメリットが多く存在します。クーリエを活用することで、新たな販路を得るなど事業の拡大も期待できそうですね。海外発送をおこなう際にはクーリエの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
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