マーケ・広報担当144人に聞く「メルマガの活用方法」とは?【WOW WORLD調査】
コミュニケーションシステム「WEBCAS(ウェブキャス)」の企画開発・販売を通して、企業のマーケティングとカスタマーサクセスにおけるコミュニケーションの課題解決を支援する株式会社WOW WORLD(ワオワールド/本社:東京都品川区、代表取締役社長:美濃 和男、東証プライム市場:証券コード2352、以下、WOW WORLD)は、2022年2月、企業のマーケティングならびに広報・PR従事者701名を対象に「顧客とのコミュニケーション方法」に関するインターネットリサーチを実施し、同年3月レポートを公表した。
今回は第二弾として、上記レポートの中で「あなたが携わっている顧客への情報発信施策は何か」という質問に対して144名が選択した「メールマガジンの配信」について、その活用方法や取り組むメリット等をレポートにまとめている。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。
調査概要
[主体]
株式会社WOW WORLD
[調査手法]
当社開発のアンケートシステム「WEBCAS formulator」を活用し、GMOリサーチ株式会社「JAPAN Cloud Panel」のモニターでインターネット調査を実施
[調査期間]
2022年2月17日~2月24日の8日間
[エリア]
全国47都道府県
[有効回答数]
144人(職種×サービスや商品の販売先)
※前回の調査レポートにおいて、「あなたの所属する企業では、現在どのような手段(方法)を利用して、顧客や見込み顧客に情報発信をしていますか」という設問で選択した取り組みに対して、「あなたが携わっている(または携わったことのある)もの」について「メールマガジンの配信」と回答した人
メルマガ配信目的は「売上の向上」(70%)が最多
「あなたの所属する企業では、何を目的にメールマガジンを配信していますか」という質問に対して、70%の人が「売上の向上」を選択した。
次いで、61%の人が「顧客満足度の向上」、59%の人が「見込み顧客との関係性向上」を選択。メールマガジンは売上アップのための手段として使われていることが多い一方で、顧客満足度の向上や見込み顧客との関係性向上を目的として活用している企業も多いことがわかった。
また「あなたの所属する企業では、どのような情報をメールマガジンで配信していますか」という質問に対して、「新製品・新サービスの案内」を選択した人は65%で最多となった。
次いで、56%の人が「キャンペーンやセール、クーポン等のお買い得情報の提供」、47%の人が「イベントやセミナーの案内」を選択した。売上に直結する情報が上位を占めている一方で、42%の人が「企業の取り組みの紹介」を選んでいることから、会社のファンづくりを目的とした情報を発信している企業が一定数いることがうかがえる。
月間配信頻度、「3~5通程度」(30%)、「1~2通程度」(28%)
「あなたの所属する企業では、1か月間でどのくらいの頻度でメールマガジンを配信しますか」という質問に対して、30%の人が「3~5通程度」を選択。ほぼ同率で28%の人が「1~2通程度」を選択した。
1か月に1本、もしくは1週間に1本程度の頻度でメールマガジンを配信している企業が多いことになる。また「21通以上」を選択した人が10%と、積極的に配信している企業も一定数いることが明らかになった。
メールマガジン配信頻度を職種別で見ると、「1~2通程度」を選択した人は、広報・PR職では49%、宣伝・マーケティング職では20%と2倍以上の差があった。
また「6~10通程度」を選択した人は、広報・PR職では5%であったのに対し、宣伝・マーケティング職では21%だった。宣伝・マーケティング職のほうがメールマガジンを積極的に活用していることがわかった。
主な配信時間帯は?
「あなたの所属する企業では、どのような時間帯にメールマガジンが届くように配信していますか」という質問に対して、31%の人が「平日9:00~12:00」「平日13:00~18:00」を選択した。
次いで、21%の人が「平日12:00~13:00」、19%の人が「平日18:00以降」を選択。休日に送っている割合は少なく、平日の日中を狙って送っている企業が多いことが明らかになった。
メールアドレスの取得方法は?
「あなたの所属する企業では、どのような方法でメールマガジンの配信対象のメールアドレスを取得していますか」という質問に対して、54%の人が「サービスの申込みや製品購入時」を選択。
僅差で「メルマガ登録フォーム」を選んだ人は51%となった。「お問い合わせや資料ダウンロード等のフォーム」(26%)をメールアドレス取得方法として活用している企業は少ないようだ。
メルマガに取り組むメリットは?
「あなたは所属する企業でメールマガジンに取り組むメリットは何だと思いますか」という質問に対して、「効果測定がしやすい」「ダイレクトにコミュニケーションが取れる」を選択した人は46%で同率となった。
クリック率や開封率など読者の反応を数値化しやすい点や、読者の趣味・嗜好に合わせてメッセージを直接訴求できる点にメリットを感じている企業が多いようだ。
また「あなたは所属する企業でメールマガジンに取り組むにあたり大変だと思うことは何ですか」という質問に対して、44%の人が「執筆」を選択した。どんなネタで、どのように書くのかを苦労している企業が多いことが見受けられる。
次いで、37%の人が「分析・効果検証」を選択。前の質問で「効果測定がしやすい」を選択した人が多かった一方で、分析や改善点の洗い出し、ABテストなど、PDCAを回す作業に多くの人が苦労していると考えられそうだ。
さらに「あなたの所属する企業では、どのようにメールマガジンの配信をしていますか」という質問に対して、35%の人が「有料のメール配信システム」を選択した。
次いで、21%の人が「無料のメール配信システム」「マーケティングオートメーションツール」を選択。メールマガジンを配信している企業の多くは何らかのシステムを活用していることがわかった。
また、19%の人が「メーラーでBCCにして」を選択した。メールソフトのOutlookやThunderbird、WebメールのGmailやOutlook.comなどを利用してメールマガジンを配信している企業が一定数いることが明らかになった。
背景と考察
同社が2022年2月に企業のマーケティングならびに広報・PR従事者701名を対象に実施した調査では、「あなたの所属する企業では、現在どのような手段(方法)を利用して、顧客や見込み顧客に情報発信をしていますか」という設問において、「Webサイト」「企業の公式SNS」に続き、3番目に「メールマガジン」を選択した人が多い結果となった。
また、「あなたの所属する企業では、情報発信のためにどのようなシステムを導入していますか」という設問では、38%の人が「メール配信システム」を選択しており、メールマーケティングに注力している企業が比較的多いことがうかがえる。
そこで、今回は実際にメールマガジンの配信に携わっている(または携わったことのある)人に対して、企業がどのような目的でメールマガジンを配信し、どのようなメリットを感じているかが調査された。
今回の調査では、63%の人が「クリック率(回帰率)」「開封率」を選択しているという結果も出ている。読者の反応が見えやすく、KPIとして設定しやすいことから、多くの企業がクリック率、開封率を計測していることがうかがえる。また、「到達率」は21%、「配信解除率」は20%にとどまり、あまり重要視されていないことがわかった。
さらに「あなたの所属する企業では、今後もメールマガジンを配信していく予定ですか」という質問に対して、52%の人が「今後も積極的に配信を続ける」を選択。次いで、35%の人が「とりあえず配信を続ける」を選択した。「配信を続ける」を選択した人は全体の87%で、メールマガジンは顧客とのコミュニケーション手段として有効であると考えている企業が多いことがうかがえる。
「枯れたマーケティング手法」といった文脈で言われることも少なくないメールマガジンだが、到達率や配信解除率について、コンバージョンを重視しないものの、計測が比較的容易なことや、顧客とのロイヤリティ醸成の面でも、今後もメールマガジンは活用が続くことになりそうだ。