セブン&アイ 通販商品をコンビニ即日受け取りへ
セブン&アイホールディングスはグループのスーパーや百貨店などで扱う商品を消費者がインターネットで購入し、コンビニエンスストアで当日に受け取れるようにする。と日本経済新聞が報道している。
ネット事業専用の物流拠点を本格稼働させ、イトーヨーカ堂、そごう・西武、ロフト、赤ちゃん本舗など、グループの商品を集約。2015年中にネットで約300万品目の商品を揃え首都圏の7千店で即日受け取りサービスを可能にし、早期にサービスを全国に広げる予定だという。
午前7時に注文すれば、最短で午後7時に店舗での受け取りが、夜中に注文し翌朝に店舗で受け取るというような使い方ができる。コンビニで受け取る場合は送料は無料となり、店舗での返品も可能となる。
オムニチャンネル推進プロジェクト
昨年よりオムニチャネル推進プロジェクトを発足し、オムニチャネル化にむけた取り組みを本格化させている同社。24時間どこにいても買い物ができ、都合の良い時間や場所で商品を受け取るサービスを、同社のビジネス基盤を活かし確実に実現化している。
プロジェクトでは、実際にテストを実施し、想定と現実の違いを踏まえながら、仮説と検証を繰り返し、あらゆる設計を修正していく手法を取り入れており、2015年にはリアル店舗と連携した様々なテストを開始するとしていた。特に今回のサービスに関しては、昨年の12月から広島地区でそごう・西武のショッピングサイトの商品をセブン−イレブンで受け取る事業社間の連携テストを実施していたデータが大きく役立っていると思われる。
コンビニ、スーパー、百貨店、専門店、レストランなど多様な業態を有する同社は、いつでも、どこでも、あらゆる商品・サービスが利用できるオムニチャネルの便利さを最大化できるとしており。来年は更なる新サービスの登場があるかもしれない。
利用者側の視点で言えば、生活インフラとして定着しているコンビニで荷物が受け取れることは便利であり、即日というスピードにも驚かされる。宅配を待つために自宅で待機する煩わしさのないコンビニ受け取りが定番化するとまた新しい生活の形が見えてくる。コンビニという特性上、荷物を受け取りに行ったついでに何か買ってしまうプラス効果も見逃せない部分だろう。
コンビニへの負担は増していく
心配してしまうのはコンビニ側の対応だ。
グループから次々と配送されてくる荷物の管理、受け渡しミスや混雑時の対応など様々なトラブルを想像してしまう。特にサービス開始を受け増大すると予想される様々な荷物の保管スペースとその管理だ。もちろん様々なトラブルやシチュエーションは想定してあると考えるが、物理的な保管スペースはすでにギリギリなのではと勝手な心配をするくらい、素人目に見てもコンビニ店舗には様々な商品が詰め込まれている。
普段から良いサービスを利用している利用者だけに、荷物を扱う従業員の負担が増えることも心配でならないという気持ちになる。
今回の取り組みが今後のオムニチャネル推進プロジェクトの良いデータとなることは間違いない。同社が掲げるオムニチャネルの未来に期待しつつ、まずは今サービスの動向を見守っていきたい。
−編集部−