ニッセン シニアカタログを刷新、事業売上高100億円へ
ニッセンは10月に発行した冬号から、シニア向けカタログを刷新した。カタログの名称を「ここいろ気分」から「京都ここいろ気分」に変更。テスト用はサイズを約30%大きくしたほか、カタログに使用する文字を大きくし、フォントも視認性が高いものを採用した。同社ではシニア向け事業の売上高を、2~3年後には現在の約2・5倍となる100億円まで増やしたい考えだ。
カタログはテストとして大判サイズも配布。大判では誤認を防ぐために文字を大きくしたほか、「ユニバーサルデザインフォント」を採用することで視認性を高めた。同社の逸見昌文取締役は「カタログの文字が小さくて見づらいというお客様からの声に応えたもの」と説明する。
商品面では、50代の女性319人を計測、文化服飾学院とデジタルヒューマン研究センターとの共同開発で商品製作用のボディーを作った。さらには、大きいサイズ向けに同社が展開する「スマイルランド」の仕様担当と協力し、バーチャルでパターンを製作したという。逸見取締役は「スマイルランドではサイズのバリエーションが強みになっているが、同様にシニア向けでもバリエーションを揃え、より体型に合わせた商品を展開していきたい」と話す。また、「実際に着用したい」という要望も強いことから、スマイルランドと同様に実店舗の展開も検討課題になるという。
創刊記念号では京都の旅特集を掲載した。衣料品のほか、雑貨なども販売。今後は旅グッズなどの取り扱いを強化する計画だ。JTBやミズノなど、旅行やカルチャー関連の企業との提携も進めている。さらに、カタログには同社で扱う健康食品や化粧品のチラシを同封する。
今後は新規顧客獲得に向けて新聞広告や折込チラシなどを活用。テレビCMの放映は予定していないという。カタログ中心の展開となるが、シニア層のネット利用も広がっていることから、今後は強化する。
10月31日、都内で同社会員約260人を招き開催されたファッションショーでは、平均年齢70歳の女性33名が同社のアパレル商品をまとい、ステージを歩いた。また、ゲストとして女優の中村玉緒さんが登場。ヒョウ柄のトップスにミニスカートというニッセン商品を着てランウェイを歩いた玉緒さんは「久しぶりにミニスカートを履いたけどええ気持ちでございます。(ニッセン商品は)カタログを見るだけでも楽しいし、値段がこれくらいだといいんじゃないんでございましょうか」などと話し、会場を沸かせていた。