BtoB-ECサイトの構築方法を解説!必須機能からおすすめのシステムまで紹介

ECのミカタ編集部

BtoB-ECサイトの構築方法を解説!必須機能からおすすめのシステムまで紹介

近年では、BtoCだけでなく、BtoBビジネスもEC事業を展開するケースが増えています。BtoB-ECサイトの場合、BtoC-ECサイトとは異なる機能が必要になることもあり、専用のプラットフォームや制作会社を利用しなければいけません。そのため、BtoB-ECサイトの構築を検討している場合は、BtoB-ECサイトに必要な機能、構築できるプラットフォームなどを把握しておくとよいでしょう。この記事では、BtoB-ECサイトの種類と機能、構築方法について解説します。

BtoB-ECとは

BtoBとは、「Business To Business」の頭文字をとったもので、企業どうしの取引のことです。BtoB-ECは、企業どうしの取引に使われるECサイトのことを表しています。

具体的な例としては、会社で使われる事務用品を販売するECサイト、卸売業者が小売店向けに販売するECサイトなどがあげられます。

BtoB-ECの市場規模


2021年の経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、BtoB-ECの市場規模は、2020年度の実績値にして334.9兆円でした。前年度と比較すると増加しており、コロナ禍の影響により、各企業においても店頭での取引ではなく、オンライン上での取引へ切り替えたことが要因とみられています。

今後、アフターコロナの時代となっても、利便性の観点からBtoB-ECに参入する企業の増加が予想され、ますます発展していくことが見込まれます。

BtoC-ECとの違い


BtoB-ECによく似た言葉として、BtoC-ECがあります。BtoC-ECとは、「Business To Customer」の頭文字をとったもので、一般消費者に向けたECサイトのことです。エンドユーザーとして利用するECサイトは、基本的にBtoC-ECサイトにあたると考えるとわかりやすいでしょう。

具体的な例としては、Amazonや楽天市場のようなECモール、ブランド直販のECサイトなどがあげられます。BtoC-ECもBtoB-ECと同様、コロナ禍を機に成長しています。

EDIとの違い


企業間の取引をあらわす言葉に、EDIというものもあります。EDIは、「Electronic Data Interchange」の頭文字をとったもので、直訳すると電子データ交換です。

EDIは、企業間の取引に専用回線を利用して、受発注書・納品書・請求書などをやりとりすることに使われるシステムを指しています。従来はISDN回線を使用してやりとりを行っていましたが、ISDNの廃止にともなって、今後はブラウザ版のWeb-EDIやECサイトへの乗り換えが進んでいます。

BtoB-ECサイトの種類

BtoB-ECサイトには、大きく分けてクローズド型とスモール型の2種類があります。それぞれ構築の方法が異なるため、ECサイトの構築を検討する段階で違いを理解しておくことが大切です。

以下では、クローズド型とスモール型のBtoB-ECサイトについて解説します。

クローズド型ECサイト


クローズド型ECサイトは、名前のとおり、閉じられた空間で構築されるBtoB-ECサイトです。すでに取引のある企業との取引を目的として構築されており、新規で取引をする事業者は利用できません。

既存の取引先と一定量の注文が安定して発生する場合に構築されることが多く、EDIを使用して構築されるケースもあります。構築する際の注意点として、BtoB取引では注文量が多い企業に対して割引を行うことが多いため、企業ごとに価格設定をできる機能が必要です。

また、特定の企業のみが利用するため、仕様や設計が売り手目線になってしまうことが多く、買い手目線での使いやすさを意識して構築することがポイントです。使い勝手が悪いとECサイトは利用されず、電話やメールで発注されてしまう可能性もあるでしょう。

スモール型ECサイト


スモール型BtoB-ECサイトは、クローズド型とは反対に、一般に公開されているBtoB-ECサイトです。特定企業との取引を目的としているのではなく、営業担当がいない中小企業・小規模事業者を対象として構築されます。

基本的な部分は、BtoC向けのECサイトと同様であるため、BtoC-ECサイトの営業支援(SFA)や顧客管理(CRM)ツールを活用することも可能です。スモール型BtoB-ECサイトを構築することで、日本全国からの注文を受けられるようになり、今まで取引のなかった新規顧客を獲得できる可能性が広がります。

BtoB-ECサイトに必要な機能

前述のとおり、BtoB-ECサイトには独自の機能が数多くあります。BtoC-ECサイトの構築や運用を経験していても、なじみのない機能もあるはずです。

以下では、一般的なBtoB-ECサイトの機能について解説します。

企業情報管理機能


BtoCのECサイトでは顧客の情報のみを扱います。しかし、BtoBの場合は、担当者個人の情報だけではなく、在籍している企業の情報も管理できた方が便利です。

企業の担当者はそれぞれが部署に属しているため、担当者名だけで管理していると、会社単位や部署単位で取引している内容が把握できなくなってしまいます。会社・部署・担当者と、それぞれの情報を管理できるようなシステムを構築する必要があるでしょう。

クローズド運営機能


BtoBでの取引の場合、BtoCのようにいつもオープンな状態ではなく、クローズドな取引を行う可能性があります。BtoCに比べてBtoB取引は高額になることが多く、信頼できる企業に限定して取引するためです。

はじめはスモール型ECサイトとして立ち上げても、将来的にクローズド型に変更したくなったり、取引によって使い分けをしたくなったりする可能性があります。そのため、BtoB-ECサイトの場合には、クローズド運営機能が備わっているシステムを利用するのがおすすめです。

取引先別設定機能


BtoC取引においても、購入頻度の高いユーザーは割引率が上がったり、限定商品を購入できたりするケースがあります。BtoBにおいても、取引先の企業によって値引きしたり、販売商品を変更したりするのは一般的です。

そのため、取引先の企業によって割引率、商品の公開・非公開を操作する機能が求められます。企業情報管理機能とリンクさせられると、より便利に管理できるでしょう。

一括注文機能


企業が商品を注文する場合、同じ商品を大量に注文することが多くあります。社内で従業員が使うものであれば、従業員の人数分必要になるほか、仕入れであれば色やサイズを変えて大量に注文します。

そのため、商品番号やJANコードを指定して商品を一括注文する機能や、CSVファイルを読み込みまとめて注文できる機能があると便利です。BtoC-ECサイトのようなショッピングカートは適していないため、構築の際には注意しましょう。

BtoB-ECサイトの構築方法

BtoB-ECサイトを構築する方法は、基本的にBtoC-ECサイトを構築する場合と同じです。しかし、いくつかの手法があるため、それぞれの構築方法ごとの違いは理解しておく必要があります。

以下では、BtoB-ECサイトを構築する方法について解説します。

カートASP


カートASPは、ベンダーが保有するクラウド上でECサイトを作成する方法です。費用が安価で済み、システムの保守やメンテナンスが不要な点がメリットです。

しかし、デザインは数パターンのテンプレートから選ぶものが多く、利用できる機能も制限されている点がデメリットといえます。システムの専任者がいなくても構築・運用できるよう設計されており、個人や小規模な事業者に向いている構築方法です。

ECパッケージ


ECパッケージは、ECサイトの機能をパッケージ化して販売しているソフトウェアです。基本的な機能を備えているうえ、希望する機能やデザインがあればベンダー側で追加してもらえるため、自由度の高さも魅力的です。

サービスによっては、プログラムのソースコードを開示できるベンダーもおり、社内に詳しい担当者がいればカスタマイズも可能です。一方、デメリットとして自社でサーバーを用意しなければならず、保守が必要な点があげられます。その分、構築や運用にかかる費用が高額になります。

クラウドEC


クラウドECは、カートASPと同様、ベンダーが提供するクラウド上でECサイトを構築する方法です。しかし、カートASPに比べて、デザインや機能の自由度が高い点がメリットといえます。

ただし、利便性と機能性を備えている一方、構築や運用にかかるコストは高額になってしまいます。また、クラウド上で運用している都合上、ソースコードを開示してもらうことは基本的にできないため、自社ではカスタマイズできません。

フルスクラッチ


フルスクラッチは、自社の要件に合わせてゼロからECサイトを構築する方法です。運用体制や連携システム、取引先や商材などをもとに、求める機能やイメージを洗い出して構築していきます。

開発力さえあればすべて思いどおりにデザインできるため、どんな仕様でも実現できる点がメリットです。しかし、ゼロベースで構築するため、開発には膨大な時間と費用を費やさなければならない点がデメリットといえるでしょう。

BtoB-ECサイトの構築におすすめのシステム

BtoB-ECサイトを作成するには、既存のシステムを利用するのがおすすめです。フルスクラッチでゼロから構築する方法もありますが、既存のシステムやプラットフォームで対応できるケースがほとんどです。

以下では、BtoB-ECサイトの構築におすすめのシステムについて解説します。

Bカート


https://bcart.jp/
Bカートは、BtoB専用のECサイトを簡単に構築できるクラウド型のシステムです。月々9,800円からというリーズナブルな価格で利用でき、BtoB専用として設計されているため、カスタマイズすることなく利用できます。

また、外部サービスとの連携機能にも長けており、ビジネス向けの決済サービス・在庫・物流システムとの連携も可能です。30日間限定で無料のお試しコースが用意されているため、まずはトライアルで利用してみるとよいでしょう。

EC-Rider BtoB


https://ec-rider.net/
EC-Rider BtoBは、ASP型とオンプレミス型の2種類の方法で提供されています。ASP型を選んだ場合であっても、オプション料金を払えばカスタマイズを依頼することが可能です。

また、オンプレミス型を選んだ場合であっても、年間保守費用を払えば、トラブル時の対応やカスタマイズを含めた保守に対応してもらえます。ASPとオンプレミスの弱みを補完できるサービスをつけられる点が強みです。上長の承認を管理する組織階層管理、外部システムとの連携、多言語対応など、機能の面でも充実しているECシステムです。

MakeShop


https://www.makeshop.jp/
MakeShopは、さまざまなインターネット関連の事業を行う会社として知られるGMOが提供しているサービスです。BtoC向けに開発されたシステムではありますが、BtoBでも使えるクローズド型の運営、取引先ごとの価格設定が可能です。

料金プランは、商品の登録数やアカウント数に応じて、プレミアムプランとエンタープライズプランが用意されています。15日間のお試し利用ができるため、導入を検討している方はトライアルを申し込んでみましょう。

楽楽B2B


https://raku2bb.com/
楽楽B2Bは、取引先ごとに細かな設定ができるシステムです。取引先ごとに掛け率・価格を設定できる「卸価格設定機能」、取引先ごとに表示する商品を設定する「販路設定」、取引先ごとに選択可能な決済手段を設定する「決済方法設定」の3つの機能が実装されています。

公式サイトでは、動画やマンガでわかりやすくサービス内容を説明しており、ECシステムに慣れていない方でも安心して利用できます。なお、カスタマイズするオプションの料金については、問い合わせが必要です。

CO-NECT


https://biz.conct.jp/
CO-NECTは、完全無料で利用できるBtoB-ECシステムです。取引先1件、月間受注件数10回までと制限はありますが、高機能なECシステムを無料で利用できるのは魅力的です。

具体的には、受注から伝票作成までをシームレスに行えるほか、取引先別に専用のURLを作成できます。料金プランは先にあげた無料プランを含めて全部で5つあり、カスタムプラン以外は無料トライアルが可能です。

【業種別】BtoB-ECサイトの事例まとめ

前述のとおり、BtoB-ECサイトには独自の特徴が多くあります。設計や仕様が特徴的であることから、他社の成功事例をもとに検討するのがおすすめです。

以下では、BtoB-ECサイトの事例について紹介します。

【事務用品】ASKUL


https://www.askul.co.jp/
はじめに紹介するのは、中小事業所向けの事務用品などの通信販売で知られる株式会社ASKULの事例です。ASKULは、中小事業所向けということもあり、スモール型のECサイトを構築しています。取扱商品数が800万点以上あるにもかかわらず、カテゴリーごとに商品が細分化されているため、探しやすい点もポイントです。

また、ASKULの社名の由来にもなっている「明日来る」の言葉どおり、最短当日配送が可能な点、支払い方法が豊富な点なども支持されているポイントといえるでしょう。

【工業】モノタロウ


https://www.monotaro.com/
次に紹介するのは、テレビCMでもおなじみのモノタロウの事例です。モノタロウは工場で扱う工業用資材を販売しており、スモール型のBtoB-ECサイトとして売上を伸ばしています。モノタロウのECシステムは、商品カタログに記載された注文コードを入力するだけで注文できるため、サイト上で商品を探す手間がかかりません。

また、サイドメニューに詳細なカテゴリーを表示しており、カタログなしでも商品を探せるよう、工夫されています。

【食品】フーヅブリッジ


https://foodsfridge.jp/
最後に紹介するのは、コーヒーで有名なUCCのグループ会社が手がけるフーヅブリッジの事例です。フーヅブリッジは、飲食店が業務用食材を仕入れるのに利用するECサイトで、1点からの単品購入もできます。

フーヅブリッジが工夫しているのは、中華や洋食など、店舗のメニューに合わせて食材をカテゴリー分けしている点です。病院や学園祭向けのコーナーも設けられており、幅広いターゲットを取り込むことに成功しています。

BtoB-ECサイトの構築を得意とする企業

BtoB-ECサイトの構築においては、独自の要件が発生するケースが多く、豊富なノウハウや知見をもった制作会社に依頼するのがおすすめです。

以下では、BtoB-ECサイトの構築を得意とする企業について紹介します。

株式会社アイル


https://www.ill.co.jp/
株式会社アイルは、大阪府大阪市にある制作会社で、柔軟なカスタマイズ機能があるBtoBのECパッケージである「アラジンEC」を提供しています。導入実績が5,000社以上という豊富な経験をもとに、依頼した事業者の業種に合わせて柔軟なカスタマイズを行うことが可能です。

同社がリリースする基幹系システムの「アラジンオフィス」の構築、既存の基幹系システムとの連携により、出先からの在庫確認や棚卸作業の軽減、システム化などに対応できます。幅広いニーズを満たせる制作会社といえるでしょう。

株式会社ecbeing


https://www.ecbeing.net/
株式会社ecbeingは、東京都渋谷区にある制作会社で、顧客が抱える課題を解決できるBtoB-ECシステムの「ecbeing BtoB」、高機能で安価な点がウリの「ecWorks」を提供しています。

さまざまな基幹系システムとの連携も可能で、セキュリティに関するISOも複数取得しているため、安心して大切な情報を任せられる企業です。大手企業では、取引先に対してもセキュリティに厳しい基準が設けられているケースもありますが、そのような場合にも対応できるでしょう。

株式会社エスキュービズム


https://s-cubism.jp/
株式会社エスキュービズムは、東京都港区にある制作会社で、日本の商習慣に合わせた幅広い業務に対応可能な「EC-ORANGE BtoB」を提供しています。同業他社の情報や自社の目的に合わせて、コンテンツ制作を支援することを得意としています。

「EC-ORANGE BtoB」のほか、タブレットのPOSレジシステムやMAツールなども提供しています。

株式会社イーシー・ライダー


https://ec-rider.co.jp/
株式会社イーシー・ライダーは、愛知県名古屋市にある制作会社で、BtoB-ECサイトの構築におすすめのシステムでも紹介した「EC-Rider BtoB」を提供している会社です。

予算に応じたECサイトの作成を行ってもらえるほか、オプションとして翻訳も行ってもらえるのが特徴です。そのため、海外での事業を検討している場合にもおすすめできます。

株式会社ラクーンコマース


https://www.raccoon.ne.jp/
株式会社ラクーンコマースは、東京都中央区にある制作会社で、1,300社以上が利用するアパレル・雑貨業界向けのBtoBプラットフォーム「スーパーデリバリー」を提供しています。

スーパーデリバリーは国内向けだけではなく、海外向けの「スーパーデリバリー~international~」も展開しています。国内外のECに関する知見をもっており、越境を視野に入れたECサイトの構築も安心して任せられます。そのほかにも、アパレルメーカーと縫製工場のマッチングサービスとして「SDファクトリー」も提供している企業です。

まとめ

BtoB取引においても、今後ECサイトでの取引が主流となり、従来のやり方であるFAXや電話での取引は減少していくでしょう。時代に取り残されないよう、早い段階でBtoB-ECを導入して、コストの削減に努めることが重要です。また、導入を検討する際にはBtoB-ECならではの要件を意識しつつ、プラットフォームや制作会社を選定するのもポイントです。他社の成功事例をもとに、BtoB-ECに求められる機能やデザインをまとめられるとよいでしょう。


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