【徹底比較】Yahoo!ショッピング・楽天市場・Amazonはどこに出店すべき?

ECのミカタ編集部

【徹底比較】Yahoo!ショッピング・楽天市場・Amazonはどこに出店すべき?

ECモールへの出店を検討するとき、はじめに候補にあがるのはYahoo!ショッピング・楽天市場・Amazonの3つではないでしょうか。いずれも国内における知名度が高く、ユーザー数も多いことから、もっとも売上をあげやすいECモールです。しかし、それぞれの特徴、出店方法の違いなどを理解しないまま、無計画に出店を進めるのは危険です。3つのECモールは一見似ていますが、出店時のコストや規約にはさまざまな違いがあります。この記事では、3大ECモールの特徴、販売手数料や出店方法の違いについて解説します。

国内3大ECモールの特徴

インターネットで商品を購入する場合、多くの方が利用するECモールといえばAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3つでしょう。多くの店舗が出店しており、どのECモールも同じように見えますが、実はそれぞれのモールには違いがあります。

まずは、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、それぞれの特徴について解説します。

Amazonの特徴


Amazonは、世界中で利用されているECモールの代表格です。Amazonの特徴は、大きく2つあり、FBAとお急ぎ便です。

FBAは、「フルフィルメント by Amazon」の頭文字をとったもので、Amazonの物流拠点に商品を発送しておくと、在庫管理から注文処理・配送までの一連の作業をすべてAmazon側で行ってもらえます。お急ぎ便は、Amazonプライムの会員であれば無料で利用できるサービスで、通常のお急ぎ便なら3日以内、当日お急ぎ便であれば当日、もしくは翌日までに配送されます。

また、Amazonは商品ページのデザインやレイアウトがあらかじめ決まっているため、ページを作るのに技術がいりません。しかし、購入する利用者が多い反面、出店数も多いためライバルが多いのも特徴です。

楽天市場の特徴


楽天市場は、メインターゲット層が30代から40代の女性となっており、食品・アパレル・コスメに強いのが特徴です。現在、日本国内のECモール市場は、Amazonと楽天市場で二分しているといっても過言ではないでしょう。

楽天市場は、Amazonに比べて、特定の店舗で買い物したいユーザーではなく、商品を目的に探すユーザーが多い傾向があります。そのため、新規参入する企業にとっても大きな可能性を秘めたECモールです。多くの店舗のなかから、自分の好みに合った商品を探すユーザーが多いため、PV数や滞在時間も長く、商品ページをみてもらえる可能性も上がります。

また、楽天ポイントを目当てに利用するユーザーも多くおり、還元率の高いセールの際にはさらに販売チャンスが広がるのもメリットです。

Yahoo!ショッピングの特徴


Yahoo!ショッピングは、Amazonや楽天市場と比べると、3番手のECモールのイメージがありますが、今後伸びていくECモールとして注目されています。ほかのモールより遅れて参入したため、出店料や売上マージンを無料に設定しており、3つのモールのなかでは商品数と出店数がもっとも多いモールとなっています。

メインターゲット層は、20代から30代の利用者となっており、楽天市場よりもすこし若年層に寄っている印象です。独自のポイントプログラムを設けている楽天市場に対して、Yahoo!ショッピングではPayPayボーナスが付与されるため、ボーナスが増える日には販売チャンスが広がります。

また、2020年6月30日よりヤマトホールディングスと提携してフルフィルメントサービスも開始しており、出品事業者にとっても利用しやすい環境が整備されています。

各ECモールの出店料・販売手数料

それぞれのECモールは特徴のほか、出店料や販売手数料の面でも違いがあります。費用は利用するうえで重要な要素でもあるため、事前によく確認しておくべきです。

以下では、各ECモールの料金プランと利用料について解説します。

Amazonの出店料・販売手数料


Amazonには、販売する商品ごとに100円の手数料を支払う「小口出品」と、月額固定で4,900円を支払う「大口出品」の2種類があります。小口出品の場合、1商品100円となっているため、月に50個以上販売する場合は大口出品の方がお得です。また、大口出品の場合には、広告を出したり、詳細なレポートを確認したりできます。

販売手数料は、出品する商品のカテゴリーごとに異なり、販売価格の8%から15%が差し引かれます。

楽天市場の出店料・販売手数料


楽天市場は、画像の容量や販売する商品の量によって、「がんばれプラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の3つのプランがあります。出店料は、各プラン共通で6万円です。

また、各プランの月額料金は、以下のとおりです。なお、料金はすべて税別となっています。

上記のほかに、全プラン共通で以下の手数料が差し引かれます。

Yahoo!ショッピングの出店料・販売手数料


Yahoo!ショッピングは、出店料・販売手数料は無料となっていますが、そのほかにさまざまな手数料がかかります。

手数料の内訳と金額は、以下のとおりです。

また、アフィリエイト経由で購入された場合には、追加で販売商品価格(税抜)の1%~50%、さらにアフィリエイトパートナー報酬原資の30%を支払います。

そのほかに決済方法によって手数料がかかる仕組みとなっており、決済方法ごとの手数料は以下のとおりです。

各ECモールの出店方法

ECモールに出店するには、それぞれで審査があるうえ、商品ページの作成なども必要です。そのため、簡単に出品できるECモールを中心に検討するのも一つの手です

以下では、各ECモールに出店する際の審査、出店までの流れについて解説します。

Amazonの出店方法


Amazonの出店審査は、3大ECモールのなかでは、一番通りやすいといわれています。出店する際には、運転免許証などの本人確認書類、通帳やクレジットカードの明細書など、180日以内に発行された取引明細書を提出します。書類は原本ではなく、スキャンデータをはじめとする電子データでも提出が可能です。

商品ページは、Amazon内に既存商品があればあわせて掲載されるため、デザインを考える必要はありません。しかし、デザインが選べないのは楽である反面、ライバル店舗との差別化が難しいともいえます。なお、料金プランを大口出品に登録しており、店舗独自の商品を掲載する場合のみ、商品紹介ページの下にオリジナルの商品紹介コンテンツを作成できます。

楽天市場の出店方法


楽天市場の出店審査は、3大ECモールのなかでもっとも厳しく、申し込みをしても許可が下りないケースもあります。審査基準は非公開となっており、審査に落ちたとしても理由を知ることはできません。

出店する際には、出店申込書と審査書類をWeb上で作成し、原本を送付します。そのほかに、取り扱う予定の商材の販売にあたって必要な営業許可・資格などの書類、商材の写真、登記簿謄本の用意も必要です。さらに個人事業主の場合には、3か月以内に発行された住民票・印鑑証明書、実店舗の写真も提出する必要があります。

商品ページは、スマートフォン向けページを簡単に作成できる「SUMAOU! for 楽天市場」が月額980円から利用できるほか、パソコンとスマートフォン両方のページを作成できる「compass for 楽天市場」が月額2,980円から利用可能です。また、無料で使えるサーバースペースの提供もあります。

Yahoo!ショッピングの出店方法


Yahoo!ショッピングは、楽天ほどではありませんが、年々出店審査が厳しくなってきています。出店する際に用意するものは、以下の2種類です。

  • 3か月以内の公共料金の領収書など、国税・地方税の領収証書・または納税証明書、青色申告承認申請書(控)・社会保険料の領収書または納入告知書(納付書)いずれか1つ

  • 本人確認書類(法人の場合は代表者)


  • 商品ページは、直感的に操作できるストア運営ツール「ストアエディタ」があり、各種テンプレートを利用可能です。ただし、2021年1月に旧ストアデザインが廃止され、新デザインに変更となりました。そのため、他社との差別化が少し難しくなっています。

    各ECモールのメリット・デメリット

    各ECモールはそれぞれに個性があるため、どこに出店するかを悩んでしまう方もいるかもしれません。そこでメリット・デメリットを整理しつつ、どのプラットフォームが適しているかを検討するのがおすすめです。

    以下では、それぞれのECモールのメリット・デメリットを紹介します。

    Amazonのメリット


    Amazonに出店するメリットは、副業や個人事業でやっている、小規模な店舗でも出店できる点です。Web上で必要書類を送付するだけで、確認が取れれば3日以内にはオープンできます。また、商品ページを構築する必要もないため、特別な知識も不要です。初期費用や月額料金も、小口出品であれば都度の負担だけで利用できるため、気軽に始められます。

    Amazonのデメリット


    Amazonに出店するデメリットとしては、商品ページを作り込むことができないため、他社との差別化が難しい点です。基本的にユーザーは価格しか認識できず、新規参入する場合、割引率や特典などでアピールして信用を獲得する必要があります。

    楽天市場のメリット


    楽天市場に出店するメリットは、2,000万人を超える楽天カードの利用者が集まる点です。楽天カードを利用すると、利用金額に応じて楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントは楽天市場で利用できるため、集客力には定評があります。また、ネット広告やテレビCMなどの広告効果によって、集客力がますます上がっている点にも注目です。

    楽天市場のデメリット


    楽天市場に出店するデメリットととして、出店料がほかのサービスに比べて高い点があげられます。初期費用の6万円に加えて、月々のコストが最低でも19,500円はかかります。さらに広告やキャンペーンに応じたセールを行う場合には、相応の料金負担が発生します。また、審査基準が厳しく許可が下りないため、個人が副業で行う場合には向いていないといえるでしょう。

    Yahoo!ショッピングのメリット


    Yahoo!ショッピングに出店するメリットは、コストの安さです。1成約ごとにポイント分や決済手数料はかかりますが、出店料や売上ロイヤリティが無料となっており、約6.74%の手数料のみで済みます。手数料だけを比較すると、ほかのサービスの約半額です。また、商品ページの自由度が高いため、自社サイトやほかのECモールなど外部へのリンクも自由に貼れることから、ほかのチャネルへの集客にも活用できます。

    Yahoo!ショッピングのデメリット


    Yahoo!ショッピングに出店するデメリットとしては、新規参入者が増加しており、ライバルの数が多い点です。コストの安さをはじめ、出品者にとって魅力的な要素がそろっているため、競合度が高まっています。ライバルが多い分、広告費に力を入れなければならず、今後は集客とコストのバランスを考えながら運営する手腕が求められるでしょう。

    各ECモールに出店する際に注意すべきポイント

    出店するECモールが決定したら、各モールへの出店にあたり注意しなければならない点を確認しておく必要があります。とくに販売が制限・禁止されている商品の有無は、かならず事前にチェックしておきましょう。

    以下では、それぞれのECモールに出店する際に注意すべきポイントについて解説します。

    Amazon出店時の注意点


    Amazonでは、いくつかの商品の販売が制限されています。制限されている商品が多いため、詳細は以下のリンク先をご確認ください。

    制限対象商品 - Amazonセラーセントラル
    https://sellercentral.amazon.com/gp/help/external/200164330?language=ja_JP
    また、出品が制限されてはいませんが、許可が必要なカテゴリーもあります。こちらも以下のリンク先から当てはまるかどうかご確認ください。

    出品許可が必要なカテゴリーと商品 - Amazonセラーセントラル
    https://sellercentral.amazon.com/gp/help/external/G200333160?language=ja_JP

    そのほかに、事業を行っていない個人やAmazon上から仕入れた商品は新品として出品できません。Amazonでは、出品者名に「Amazon」「アマゾン」を含めることができません。出品者名を「○○ショップAmazon店」などにしようとしている場合は変更しましょう。

    楽天市場出店時の注意点


    楽天市場でも、販売が禁止されている商材、事前に申請が必要な商材があります。対象となる商材は、以下のリンク先の記載をご確認ください。

    出店審査や取扱商材に関する注意事項|楽天市場 (rakuten.co.jp)
    https://www.rakuten.co.jp/ec/open/attention/

    また、楽天市場では外部リンクの掲載も禁止されています。メールや電話などで注文を受け付ける旨を記載するのもNGとなっているため、ほかのECモールから転載する際には注意しましょう。法律関係にも厳しいため、薬機法および景品表示法に抵触しないよう、文章にも気をつける必要があります。

    Yahoo!ショッピング出店時の注意点


    Yahoo!ショッピングでも、取り扱いを禁止している商品があります。対象の商品は、Yahoo!ショッピングストア運用ガイドラインの「3 取扱商品・販売形態について」に記載されています。詳細は以下のリンク先(PDF)からご確認ください。

    約款・ガイドライン - Yahoo! JAPANでネットショップ開業
    https://business-ec.yahoo.co.jp/regulation/

    Yahoo!ショッピングでは、1つのアカウントで複数のショップを開けるほか、外部リンク先も制限がなく、比較的自由なプラットフォームとなっているため、そのほかに注意点はありません。

    まとめ

    ECサイトを運営するうえでは、集客を行うのが一番の課題といっても過言ではありません。巨大なECモールに出店することで、自社でECサイトを立ち上げるより楽に集客が可能です。その分、コストはかかりますが、宣伝費用と考えれば十分に価値があります。ECモールへの出店を検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考に出店先を選んでみてください。


    記者プロフィール

    ECのミカタ編集部

    ECのミカタ編集部。
    素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
    日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

    ECのミカタ編集部 の執筆記事