【2022年最新】世界のEC市場規模。中国やアメリカ、日本各国の状況やEC業界で生き抜くための戦略とは

ECのミカタ編集部

世界のEC市場規模。中国やアメリカ、日本各国の状況やEC業界で生き抜くための戦略とは

世界のEC市場規模は、新型コロナウイルス流行の影響もあり急速に拡大している。EC業界での発展を模索する場合、より広い視野で現状を把握しておくことは重要だ。今回は、経済産業省から発表された資料をもとに、成長を続ける世界のEC市場規模や各国のEC市場の状況を紹介していく。最後に、EC業界で生き抜くための戦略も紹介するため、自社ECサイトを展開していく際の参考にしてほしい。

目次

●成長を続ける世界のEC市場規模
●各国のEC市場の状況
●今後のEC業界で生き抜くための戦略
●まとめ

成長を続ける世界のEC市場規模

世界のEC市場規模は、インターネットの普及や世界的なパンデミックの影響により、成長を続けている。具体的なEC市場規模の推移と各国のEC市場規模ランキングを、経済産業省の資料をもとに確認していこう。

世界のEC市場規模の推移


経済産業省が、2022年8月に発表した『令和3年度電子商取引に関する市場調査』の報告書には、2019年から2025年の世界のBtoC-ECにおける市場規模とEC化率の推移が示されている。下記のグラフの棒グラフは世界のEC市場規模を表し、EC市場における年間の商取引の総額を意味している。折れ線グラフは、EC化率といって、すべての商取引において電子商取引の市場規模が占める割合を示してる。

世界的に新型コロナウイルスの流行が始まった2020年を見ると、世界のBtoC-ECの市場規模は4.21兆USドル、EC化率は17.8%と、前年度に比べて市場規模では0.86兆USドル、EC化率は4ポイントと急速に増加している。今後も、市場規模とEC化率の上昇が予測されており、2025年には7.39兆USドル、EC化率は24.5%まで上昇すると考えられている。世界規模でEC化の拡大が引き続き予想されるため、企業はECを前提とした商品販売の手法を模索する必要性が出てくるだろう。

参考:経済産業省『令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書』

世界各国におけるEC市場規模ランキング


上記に示した、経済産業省の同調査の報告書では、2021年の国別EC市場シェア、トップ10位までを円グラフで表している。このデータによると、ECの世界規模において、中国は全世界の52.1%を占め、次いでアメリカが19.0%、イギリスが4.8%となっている。

グラフからわかるように、中国の市場規模の大きさは群を抜いて際立っている。1国のみで市場の50%以上を占め、アメリカを加えた2カ国では、世界の7割以上のシェアとなり、3位のイギリス以下の国を大きく引き離す結果だ。

参考:経済産業省『令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書』

各国のEC市場の状況

各国のEC市場の状況について、知見を広げておくことも重要だ。先述した、国別のEC市場規模の約8割を占める中国とアメリカとともに、日本における詳しい状況を、経済産業省の同調査の報告書を参考に確認していこう。

中国


14億人の人口規模をもつ中国は、2021年のEC市場規模は2兆4886億USドルであり、前年比で 15.0%の増加であったと推計されている。今後もEC市場は拡大傾向にあると考えられており、今後の予想として、2025年にはEC市場規模は3 兆 6,159 億USドルとなると想定され、前年比 8.0%増加の見込みだ。

アメリカ


世界第2位の需要を誇るアメリカは、2021年のEC市場規模は前年比14.6%増の8,707億USドル、小売市場に占めるEC市場の割合は13.2%と推計されている。2020年第2四半期は新型コロナウイルスの感染拡大による小売店舗の閉鎖や、外出禁止などによりEC利用が急増した。さらに、2021年に入ってからもEC化率は13%台で推移している。

日本


世界のEC市場規模4位となる日本でも、2021年はEC化率とEC市場規模が上昇した。詳しい値で見ると、2020年のEC市場規模は12兆2,333億円、EC化率は8.08%だったのに対し、2021年の市場規模は13兆2,865億円、EC化率8.78%となり、前年より0.7ポイント上昇した。2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり消費の影響で大幅に同市場規模は拡大したが、2021年の伸び率は緩やかな増加となっている。

国内における2021年の商材別EC化率は、「書籍、映像・音楽ソフト」が最も高く46.2%、次いで「生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等」が38.13%、第3位が「生活雑貨、家具、インテリア」が28.25%という結果だ。

参考:経済産業省『令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書』 参考:経済産業省『電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました』

今後のEC業界で生き抜くための戦略

新型コロナウイルスの影響によって実店舗型のビジネスが大きな影響を受けたことを始めとして、今後EC市場に参入する企業はさらに増え、競争の激化が予想されている。EC業界の現状と今後の動きを踏まえ、生き抜くための戦略を紹介していこう。

SNSの活用


SNSは、情報を発信する側も受け取る側も手軽に活用できることから、情報拡散性に優れているという特徴がある。ECサイトの運営側にとっては、販路拡大やリピーターの獲得などに役立てられると期待されている。特に、ECサイト単独での運営では、集客に悩むケースが多い。競争企業と差別化を図るためにも、WEBマーケティング施策にSNSの特性を活かしていけるとよいだろう。

越境ECの検討


越境ECを検討するのもひとつの方法だ。越境ECとは、インターネットの通信販売サイトを通じて国外へ商品を販売するビジネス形態であり、今後拡大する市場として注目されている。越境ECは、言語や法律、輸送方法といった注意点を理解しておく必要があるが、メイドインジャパンという付加価値を活かせるというメリットがある。世界の顧客のニーズを理解し、自社の扱う商品の価値を国外に展開していく道も模索していこう。

関連記事:越境ECとは?取り入れるメリットや事前に把握しておきたい注意点と手順

DXの実現


デジタル技術の活用により、EC業務全般のデジタル化を実現できれば、業務効率化も可能だ。受発注や在庫管理、顧客対応といった細かな業務をデジタル化することで、コア業務に集中でき、より戦略的な施策を打ち出すといった企業の発展へとつながるだろう。


まとめ

新型コロナウイルスをきっかけに、今後も大きく拡大すると見込まれる世界のEC市場規模。今後は、越境ECやDXの実用化といった、デジタルを活かしたビジネス展開はますます競争が激化すると考えられている。今回紹介した市場規模の推移や他国の状況を把握し、市場の動向やトレンドにいち早く対応し、自社サイトの発展を目指していこう。


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