世界の越境EC市場は2030年まで年平均26.2%で成長の見込み、大都市圏の若年層が成長を後押し

ECのミカタ編集部

市場調査レポートを提供するREPORT OCEANは、2022年から2030年にかけての世界の越境EC市場が26.2%以上の成長率を見込んでいると発表した。

2021年の世界の越境B2C電子商取引市場規模は7,657億3,000万米ドルであった。世界の越境B2C Eコマース市場規模は、2022年から2030年までの予測期間において年平均成長率(CAGR)26.2%で成長し、2030年には6兆2092億9000万米ドルに達すると予測されている。

大都市圏の若年層人口の増加が越境EC市場の成長を促進

国境を越えて行われる電子商取引は越境ECと呼ばれ、企業、店舗、ブランドとその顧客とのあいだで取引が行われる。Eコマースプラットフォームを利用してビジネスを行い、国境を越えた物流によって商品を流通させることができ、グローバル化、匿名性、即時性、ペーパーレス、急速な進化を特徴としている。

この業界の成長は、おもにテクノロジーに大きく依存する大都市圏の若年層人口の増加によるものだ。インターネット利用やスマートフォンの普及が進み、世界の産業を推進すると予測されている。

ITは、国境を越えたB2C電子商取引の基礎となっており、企業のネットワーク拡大やペーパーレス取引の促進、ダウンタイムの障壁の解消につながっている。国家間の国際貿易に加え、この業界におけるM&Aは有利な成長機会をもたらすと思われる。

その一方で、輸入規制、返送物流、配送時間の長さ、配送コストの高さなど、多くの物流上の問題が市場の成長を阻害する可能性がある。

新型コロナウイルスによる影響

新型コロナウイルスの流行は、サプライチェーンの混乱や国境を越えた貿易の一時的な停止による産業成長の低下を招いている。閉鎖された国際国境と貿易障壁により、すべての輸出入が停止し、産業の発展が阻害された。

鎖国規制の結果、いくつかの航空会社は、物流に民間航空機を使用できないため、各地に荷物を送ることができなくなった。エクスプレス輸送会社は飛行機を使うものの、運航を維持している。

新型コロナウイルスの感染拡大は、サプライチェーンの混乱、封鎖措置、消費者・企業の支出制限により、グローバル産業の成長にマイナスの影響を与えた。しかし、国境を越えた政府によるロックダウンの規制が緩和されたため、越境ECは活況を呈すると予想されている。

アジア太平洋地域が最大の収益シェアを占める

2021年のB2C Eコマース世界市場において、アジア太平洋地域が最大の収益シェアを占めている。巨大な市場シェアの背景には、新興国でのスマートフォンやインターネットの普及が進んでいることが挙げられる。

さらに、急速な都市化、生活水準の向上、消費者の可処分所得の増加が業界の発展に寄与している。韓国、インド、中国などの発展途上国がおもに市場の成長に寄与している。この地域の国家間の貿易関係が拡大した結果、市場は大幅に成長すると考えられる。

北米でも、予測期間中に越境B2C Eコマース市場が急成長すると予測されている。北米では、手頃な価格で高品質な商品への需要が高まっていることが、市場の急成長に寄与している。この地域ではPLI(物価指数)が高く、国内の買い物客が国境を越えてB2Cショッピングを行うことが可能になっている。

越境EC市場の主要プレーヤー

世界の越境B2C eコマース市場における主要企業は以下の通りだ。

・Alibaba/AliExpress
・Amazon.com, Incorporated
・ASOS plc
・eBay Incorporated
・iHerb LLC
・Joom
・Lazada Group
・Pinduoduo Incorporated
・Shein
・Shopee Pte. Limited
・Wish
・Zalando SE
・Zooplus AG
・Other Prominent Players

同社はホームページ上(https://reportocean.com/industry-verticals/sample-request?report_id=BWCC839)で、より詳細な世界の越境EC市場を分析したレポートを販売している。

コロナ禍における「巣ごもり消費」の拡大により、世界的にEC市場が伸長した。とりわけ越境EC市場は、今後しばらくは世界のEC市場の成長率を上回る勢いでの成長が見込まれている。

日本発の越境ECにおいては、ニッチな商品であっても希少性が高いものやストーリー性のあるものは売れる傾向にある。今後日本発の越境ECをさらに盛り上げていくためには、「差別化要素のある商品の発掘」と「海外の消費者に響く見せ方がポイント」となりそうだ。

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