良品計画が来年2月までにモバイルアプリ「MUJI passport」を中国で展開
「MUJI passport」で、海外EC売上高アップをはかる
無印良品で知られる株式会社良品計画が「MUJI passport」の中国展開を始める。
「MUJI passport」は2013年5月にリリースしたスマートフォンアプリで、ダウンロードすると、貯まったマイルに応じて買い物で使える「MUJIショッピングポイント」や、無印良品週間中には優待価格で買い物できるクーポンをもらえる。
同アプリはリリース後から順調にダウンロード数が拡大。2014年6月末には日本だけで200万超のダウンロード数を突破し、同8月末には223万ダウンロードを超えた。
2014年2月末現在、中国は100店舗、台湾29店舗、香港12店舗、UAE1店舗を展開。中期経営計画では2017年2月までに、中国は現在比倍増となる200店舗など、アジア地区を中心に年間60店舗前後で実店舗を増やす計画を打ち出している。
「MUJI passport」などの展開で、2017年2月期までに海外EC売上高を50億円まで引き上げる計画だ。
中国の巨大マーケットでねらうO2O
「MUJI passport」は良品計画にとって、O2O(Online to Offline)の可能性を探る重要なツールとなっている。
ツールを設定したのは、ユーザーとの関係を深めて実店舗に来てもらい、購入を楽しんでもらうことにある。このためポイントが貯まる仕組みとしては、商品の購入やMUJI Cardの契約だけでなく、店舗の半径600メートル以内にいる場合「チェックイン」やソーシャルメディアへの投稿、さらには商品開発への参加(くらしの良品研究所)といった形態も取り入れている。
貯めたポイント(MUJIマイル)に応じてマイルステージも上がっていく。MUJIマイルは「MUJIショッピングポイント」として商品購入時などに利用できる。
中国で「MUJI passport」を展開するのは、中国においても今後O2Oが重要になると考えているからだろう。
ただし、One to Oneマーケティングを実現するためには、モバイルアプリだけではなく、メールやウェブサイト、ソーシャルメディアなど多種多様なツールを組み合わせていくことが必要になる。実店舗を主体に買い物をする人には実店舗の案内を送る一方、O2Oにこだわらず、ウェブサイトでよく買う人にはネットキャンペーンの案内を送るなど細かい対応が必要になる。
ほとんどすべての企業が手探り段階だと思われるが、良品計画も将来の大きなマーケットを見据えて、計画を推進して行くつもりなのだろう。