AmazonがJAPAN STORE を英国とオーストラリアに拡大 日本事業者の海外販売支援を強化
Amazon(所在地:東京都目黒区)は、10月12日(水)から開催しているAmazon ECサミット( http://amazon-ec-summit.jp )において、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)と共同で展開している「JAPAN STORE」( https://www.amazon.com/JAPANSTORE )を、英国とオーストラリアでも順次開始することを発表した。
JAPAN STOREとは
JAPAN STOREは中小企業をはじめとする販売事業者が日本の商品を販売するストアとして、2021年11月に米国のAmazon.comに開設された。
英国での展開は2022年10月以降、またオーストラリアでは2022年12月以降の展開を予定と公表している。
米国のJAPAN STOREでは、味噌や醤油などの食料品のほか、急須や湯呑、茶碗などのキッチン用品、浴衣や足袋などの服、履物など、日本ならではの商品に加え、スーツケースや財布、化粧水、文房具、PC関連機器など数千種類の商品が日本の販売事業者によって販売されている。
JAPAN STOREで購入した海外顧客からは、商品の品質の高さや配送のスピードについて高評価を受けている。
本発表にあるように、英国とオーストラリアでも同様に高品質の日本の商品を届けるとしている。
Amazonが展開する海外販売サービス
1. 商品の保管、注文処理、梱包、配送、さらには注文や返品に関するカスタマーサービスをAmazonが代行するフルフィルメント by Amazon(FBA)を海外でも利用可能。
2. 2020年には専属チームによる日本語での海外販売支援サービスを開始し、米国Amazon.comでの出品アカウントの作成や商品登録のサポートのほか、海外送金や海外輸送などに関する外部サービスを紹介。
3. 同年から日本のマーケットプレイスで出品アカウントを作成・登録することで、同じ出品アカウントで他の国のマーケットプレイスでも簡単に販売ができる機能「Global Registration(グローバル登録)」を提供している。
4. 2022年3月からは、日本を含む複数の国のマーケットプレイスで商品を一括登録できる機能の提供を開始。
なお、出品商品の情報は自動翻訳機能により各国の言語に翻訳されAmazonのサイトに表示されるようになる。
このように日本の販売事業者が海外販売を通して事業を拡大できるよう、手続きの効率化や販路拡大に向けた取り組みを進めている。
海外のお客様に日本文化を知っていただく
現在、米国のJAPAN STOREに出品している、株式会社メタレックス(愛知県名古屋市)代表取締役 後藤康之氏は以下のように述べている。
「当社は銅器のある生活の実現を目指して、主に新潟県燕三条・富山県高岡の職人が手掛けた急須や茶筒などの金属製品を販売している小売店です。新型コロナウイルスの影響により国内の実店舗での集客が伸び悩み、新規顧客の開拓のために新しい事業を検討していた中、JAPAN STOREの存在を知り、2022年1月から出品を開始しました。JAPAN STOREは、日本文化や日本製品に関心のある米国のお客様向けのストアのため、日本の工芸品を取り扱う当社にとっては新規のお客様へのリーチがしやすいという利点がありました。より多くのお客様に興味をお持ちいただけるよう、検索結果の商品をまずクリックいただけるような魅力的な商品画像を使用するよう工夫をし、より詳細な商品説明を行うようにしています。JAPAN STOREを通して販路拡大に取り組むことができ、また当社の工芸品を通じて海外のお客様に日本文化を知っていただく機会に繋げることができていると感じています」
今回のJAPAN STORE販路の拡大は、より多くの新規顧客の取り込みに繋がることが考えられる。海外販路であれば長引く円安も追い風になる可能性もあり、日本の伝統工芸をきっかけに来日するといった副次的効果も期待できるかもしれない。