亀田製菓はなぜShopifyを選んだのか アドテック東京2022で語る
2022年10月20日と21日に東京ミッドタウン&ザ・リッツ・カールトン東京で開催された、アジア最大級のマーケティングカンファレンス「アドテック東京2022」の2日目、Shopify Japan株式会社(以下、Shopify)がトークセッションを行った。ゲストとして登壇した亀田製菓株式会社のEC責任者である事業開発部通販チームのシニアマネージャー佐野扶美枝氏が、 Shopifyの Senior Account Executive香山克彦氏とともに、EC に注力する理由や「Shopify Plus(ショッピファイ プラス)」導入の経緯などについて話した。
亀田製菓にとって「ECは必須事業」
「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」などの定番商品で知られ、1984年に米菓業界で初めて株式上場を果たした亀田製菓。そんな米菓のトップメーカーがECに本腰を入れた理由について佐野氏は以下のように話した。「亀田製菓の商品はたしかに何処でも手に入るので、ECなんて要らないのではないかという声は社内でもありました。しかしながら、いま米菓を買ってくださるのはほとんどが50代以上のお客様。20代以下の方は(米菓を)食べることはあるけど自分では買わない傾向にあります。私どももお客様がいるところに自ら出て行かなければならないと考えました」
また、亀田製菓では以前より、日本の人口減少、健康志向の高まりを受け、米菓市場縮小への危機感も募らせている。「これから日本の市場は縮小していくことが予測されますので、やはり海外でも市場を作っていきたいと考えています」と佐野氏。これまでも海外には出ているが、さらなる拡大のためには低リスクの越境ECでしっかり始めるのが現実的と考えた。こうした理由もあり、「ECというのは私どもにとって必須事業」と考えたという。
ひとりひとりの顧客の状況が目で見られることを重視
そこでEC のプラットフォームとして選んだのがShopify のエンタープライズプラン「Shopify Plus(ショッピファイ プラス)」だった。採用の理由は「お客様とOne to Oneでつながること、どんなステータスにお客様がいるのかが可視化されて、お一人お一人のお客様の状況が目で見られることを重視したこと」だという。「お客様とコミュニケーションをとりやすいことは大きいですね」とし、現在のECストアの実現には「Shopify Plusの公式パートナーであるイーライフさんには技術的な面で本当にサポートしていただいた」と改めて感謝の言葉を伝えていた。
今後は米粉パンや長期保存食など米菓以外の複数のストアも構築したいという佐野氏。「来年度には衛星ストアを使って越境ECになんとかつなげていければきたい」と抱負を語った。