単品リピート通販とは?総合通販との違いや特徴、売上ランキングや成功事例を紹介!

ECのミカタ編集部

単品リピート通販とは?総合通販との違いや特徴、売上ランキングや成功事例を紹介!

単品リピート通販とは、特定の商品だけをリピート購入してもらうことを目的とした販売モデルです。単品リピート通販は独自の特徴をもっており、一般的な販売モデルとは一線を画しています。この記事では、単品リピート通販の概要、業界別の売上ランキング、単品リピート通販に成功した企業の事例について紹介します。

単品リピート通販とは

単品リピート通販とは、商品数を絞って定期リピート購入をメインに展開する通信販売です。さまざまな商品を幅広く展開するのではなく、あえて商品数を絞ることによって運用コストや在庫リスクを抑えられる点が特徴です。

なお、単品リピート通販では自社製品を販売するケースが大半となっており、ほかの企業の商品を仕入れて単品通販を運営するケースはほとんどありません。

単品リピート通販の市場規模


近年、単品リピート通販の認知度は徐々に高まっており、2011年に63億円であった市場規模は2016年に2,900億円まで拡大しています。5年間で45倍以上の急成長を記録しており、今後はさらなる拡大が見込まれています。

単品リピート通販の特徴

単品リピート通販では、特定の商品に絞って販売します。決まった商品のみを販売することによって、ブランドイメージを定着させる狙いがあります。

商品数やラインナップが限定されるため、幅広い顧客を獲得することは難しくなりますが、ブランドの意義をアピールしやすくなる点が特徴です。リピートを前提とした販売方法であるため、消耗品を取り扱う業種に適しており、化粧品や食品などの業界で多く用いられています。

総合通販との違い


総合通販とは、あらゆるカテゴリの商品を展開する通信販売です。単品リピート通販がリピート購入による売上をメインとしているのに対し、総合通販では幅広い商品を展開することによって売上を拡大しています。

いずれも通販という販売モデルは共通していますが、戦略の面では大きく異なる事業モデルといえるでしょう。

単品リピート通販の売上ランキング

前述のとおり、単品リピート通販に向いているのは、化粧品や健康食品などの業界です。どちらも消耗品であるうえ、一定期間継続してはじめて効果が出る商材であることから、単品リピート通販に適した商材といえます。

以下では、化粧品・健康食品業界における単品リピート通販の売上ランキングについて紹介します。

化粧品業界


化粧品業界における単品リピート通販の売上ランキングは、以下のとおりです。

健康食品業界


健康食品業界における単品リピート通販の売上ランキングは、以下のとおりです。

単品リピート通販のメリット

一つの商品を販売する単品リピート通販は、総合通販に比べて売上をあげるのが難しいようにも思われますが、単品リピート通販にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

以下では、単品リピート通販のメリットについて紹介します。

価格競争に巻き込まれにくい


総合通販においてはあらゆる商品を販売する必要があるため、すべてを自社製造でまかなうことはほぼ不可能です。そのため、基本的にはメーカーから仕入れた商品を販売するケースが一般的です。

しかし、メーカーはより多くの販売機会を得るため、さまざまな小売店やECサイトに商品を卸しています。つまり、総合通販モデルでは競合他社と同じ商品を販売する状況が生まれ、価格競争に巻き込まれやすくなります。

一方、単品リピート通販では自社製造の商品を販売するケースが多く、自社以外には同じ商品を販売できる業者は存在しません。そのため、価格競争に巻き込まれにくいメリットがあります。

生産量を管理しやすい


単品リピート通販では、リピート購入を前提として商品を販売しています。そのため、継続顧客の購入分については事前に売上の予測をたてやすく、どれくらいの量を生産すべきが明確化されます。

生産量の目安がわからないと、多くの在庫を抱えたり、在庫が不足して販売機会を失ったりするリスクもあります。そのため、生産量の管理がしやすくなると、経営の安定にもつながるでしょう。

生産コストを抑えられる


生産量を管理しやすいことに関連して、生産コストを抑えられる点も単品リピート通販ならではのメリットです。単品リピート通販においては、一定数の新規注文が入るとしても、基本的にはリピートによる売上が多数を占めるはずです。そのため、生産数の大幅な増減が発生しにくく、生産コストを抑えやすい特徴があります。

また、生産対象を特定の商品のみに絞れるため、さまざまな商品を生産する場合に比べてコストを抑えやすいといえるでしょう。

単品リピート通販のデメリット

単品リピート通販にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。そのため、単品リピート通販事業を展開仕様としている方は、デメリットについてもよく理解しておくことが大切です。

以下では、単品リピート通販のデメリットについて紹介します。

ユーザーの認知を促しにくい


単品リピート通販では、当然ながら商品のラインナップは少なくなります。総合通販のように幅広いニーズには応えられない分、認知拡大にかかる時間も長くなりやすい傾向があります。

また、総合通販では大手メーカーの商品を販売していれば、ショップ自体の認知度も高めやすいのに対し、自社製品を販売する単品リピート通販において、初期の認知拡大は非常に難しいでしょう。

広告宣伝にかかるコストが大きい


前述のとおり、単品リピート通販は初期の集客が難しい販売モデルです。そのため、広告や宣伝などの販促活動によって、集客をまかなうケースがほとんどです。しかし、売上が少ない状況で、広告宣伝にコストを費やすのは厳しいと考える事業者も多いのではないでしょうか。

ある程度、軌道に乗ってからは安定しやすいモデルではありますが、初期は広告宣伝のコストに対して売上が伸びにくく、運営に資本力が求められるのも事実です。

単品リピート通販のECサイトに必須の機能

ECサイトで単品リピート通販を実施する場合、一般的なECサイトとは異なる仕様が求められます。具体的には、以下のような機能です。

●定期購入機能
●マイページ機能
●申込フォームとLPの一元化

以下では、単品リピート通販のECサイトに必須の機能について紹介します。

定期購入機能


前述のとおり、単品リピート通販はリピート購入を前提としています。そのため、何度もリピート購入しなくても、定期的に商品が配送される仕組みを導入できると、ユーザーにとっては非常に便利です。ただし、一般的なECサイトの要件に定期購入機能は含まれていないため、別途リクエストする必要があるでしょう。

また、定期購入機能に対応できるECシステムはそれほど多くありません。単品リピート通販の実施を目的としてECサイトを開設する場合、定期購入機能に対応したECシステムのなかから選びましょう。

マイページ機能


マイページ機能は一般的なECサイトにも設けられていますが、単品リピート通販に特化したECサイトでは独自の要件が必要になります。具体的には、配送頻度を調整したり、配送をスキップしたりする機能です。

配送頻度の変更やスキップが認められていないと、ユーザーの申し込みに対するハードルが高くなってしまいます。万が一、配送のペースが合わなかったとしても、継続できる安心感を与えることが重要です。

申込フォームとLPの一元化


前述のとおり、単品リピート通販においては、広告経由の集客が中心となる傾向があります。そのため、広告をクリックしたユーザーが遷移するLPと申込フォームを一体化させられると、コンバージョン率を向上させやすくなります。

広告経由のユーザーに対して熱量を保ったまま、購入や申込ができるような設計にすることはマーケティングの定石です。コンバージョンまでのステップが多くなるほど、熱量は薄れていくため、スムーズに申込ができるシステムを整備するのがポイントです。

単品リピート通販の成功事例

単品リピート通販に限らず、さまざまなビジネスモデルを検討する際は、他社の成功事例を知っておくことが重要です。

以下では、単品リピート通販の成功事例について紹介します。

サントリーウエルネス


https://www.suntory-kenko.com/
サントリーウエルネスは、健康食品を中心に、単品リピート通販を展開しています。自社で研究施設を設立して、商品開発に力を入れている点が特徴的です。

また、化粧品分野でも商品を販売しており、健康や美容に興味がある顧客を幅広く獲得しています。

ファンケル


https://www.fancl.co.jp/index.html
ファンケルは、化粧品・健康食品を中心に販売しています。無添加にこだわっており、独自の付加価値を生み出しています。また、公式アプリをリリースして顧客のナーチャリングにも注力している点が特徴です。

新日本製薬


https://www.shinnihonseiyaku.co.jp/
新日本製薬は、製薬企業ならではの信頼性を武器化粧品・健康食品を販売しています。人気ラインであるパーフェクトワンは、多くの女性から支持を集めています。

「最高の満足と信頼」をコンセプトとして、製薬会社のノウハウを活用した商品を開発している点が特徴です。

単品リピート通販に関するよくある質問

近年、単品リピート通販はトレンドとなりつつありますが、総合通販に比べると、イメージしづらい面もあるのではないでしょうか。

以下では、単品リピート通販に関してよくある質問と回答を紹介します。

リピート率(継続率)の目安は?


リピート率の目安はだいたい3割から4割程度です。トライアルの有無によっても変わりますが、トライアルがある場合は35%、トライアルがない場合は40%を目安とするとよいでしょう。

単品リピート通販と一般的なカートは違う?


単品リピート通販は、リピートを前提としている点において、一般的なカートとは仕組みが異なります。そのため、定期購入機能はもちろん、配送頻度の変更やスキップをする機能などが必要となるでしょう。

まとめ

単品リピート通販は、あえて特定の商品に絞り、リピート購入によってマネタイズする販売モデルです。認知を拡大するのが難しいモデルではありますが、中長期的には安定した利益を出しやすいメリットもあります。

ただし、一般的なECサイトとは異なる要件が求められるため、単品リピート通販を始めるには注意が必要です。


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