みずほ銀行 人工知能をコールセンターに導入

ECのミカタ編集部

世界初のシステムを共同開発中

みずほ銀行と日本IBMは人工知能型コンピューター「ワトソン」と音声技術を組み合わせた世界初のシステムを共同開発する。みずほ銀行は来年からコールセンターで同システムの利用を開始するという。

「ワトソン」は、米IBMが開発した質問応答システムで、2009年に米の人気クイズ番組にチャレンジするコンピューターとして登場した。自然言語で問われた質問の文脈や趣旨を理解する人工知能として、医療、ヘルプデスク、コールセンターでの顧客サービスに活用できるとされ2013年には一般のデベロッパーに提供することを発表していた。
今年に入り、米IBMはワトソン事業に2,000人規模の専門部署を設け、10億ドルの投資を行っている。同社の成長分野と位置づけられた「ワトソン」の多言語化を進める中、日本語対応の基盤をソフトバンクと共同開発している、と担当者が10月に講演で発言していたが、今回のみずほ銀行とのシステムに関わっているかは不明だ。

今回日本IBMとみずほ銀行により共同開発されるシステムでは、オペレーターと利用者の会話を音声認識システムが文字データ化し「ワトソン」に送信する。「ワトソン」は想定問答集やウェブサイトなどを参考にして即座に最適な回答、利用者への追加質問などをオペレーターに提示するというものだ。
質問への回答は人の経験に頼る部分がとても大きく、経験の浅いオペレーターでは回答までに時間がかかることも多い。調べる手間と時間が大幅に短縮でき、適切な回答が即座に提示できることは利用者にとってもオペレーターにとっても大きなメリットとなるだろう。
また人工知能である「ワトソン」は会話や回答の組み合わせを学習し、時間のかかった質問も2回目からは迷わず回答するはずだ。

発展する人工知能

コールセンター業務で人の会話を理解する人工知能を活用するのは、世界で初めてのこと。
人工知能対名人の将棋対決「電王戦」や、自動運転技術の開発、が自動掃除ロボや感情を認識して生活を共にするロボットが登場するなど近年の人工知能の発展は目覚ましい。いずれ人類の知能を超えるとされる2045年問題という議論もあるなど、SFのような世界が現実化し始めている。

ECの業界でもネットと現実の交わりが本格化し、人工知能や新しい技術を活用した新サービスやビジネスモデルが登場するだろう。人工知能に関しては、三井住友銀行もコールセンターに活用していく計画を打ち出しており、今後様々な企業で人工知能の導入が行われそうだ。



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