リスティング広告の費用相場は?仕組みや予算の決め方を解説

ECのミカタ編集部

リスティング広告の費用相場は?仕組みや予算の決め方を解説

マーケティング施策の一つとしてリスティング広告を考えたとき、費用相場や効果は気になる情報の一つだろう。リスティング広告の運用では、費用の仕組みや予算の決め方について把握しておくことも重要だ。今回の記事では、リスティング費用の仕組みや費用相場、予算の決め方に加えて自社と代理店で運用するメリット・デメリットなどを紹介する。

目次

●リスティング広告費用の仕組み
●リスティング広告費用の相場
●リスティング広告の予算を決めるには
●自社と代理店で運用するメリット・デメリット
●リスティング広告費用を抑えるポイント
●まとめ

リスティング広告費用の仕組み

リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジン上で検索したキーワードに合わせて表示される広告のことだ。リスティング広告には、検索したキーワードに連動した広告が表示されるという特徴がある。サービスや商品などユーザーが求めるニーズに対して、有効なアプローチができるWebマーケティング手法の一つだ。

なお、リスティング広告費用は、以下の2つの仕組みによって決定される。

クリック課金制


クリック課金制とは、ユーザーが広告をクリックすると料金が発生する仕組みのこと。画面上に表示されたのみでは、費用は発生しないのが特徴だ。「CPC」(Cost Per Click)と呼ばれることもある。

1クリックあたりの金額(クリック単価)は、広告に掲載する商品やサービス、ジャンルによって異なる。

広告費用の算出方法は、以下の通り。
広告費=クリック単価×クリックされた回数

広告費をシミュレーションできるサイトも存在するため、概算を知りたい場合は試してみるとよいだろう。

オークション制


リスティング広告の「クリック単価」は、キーワードが検索された際にいくらまで支払うかというオークション形式で決まる。具体的には、1回のクリックに対して支払える金額である「上限クリック単価」を決定する。Google社やYahoo!JAPAN社といった検索ページを運用する企業は、その上限クリック単価と広告の品質、自社のミッションを照らし合わせ、ユーザーにとって有益な情報かを判断する。これにより、掲載の有無や掲載順位が決まり、上位から掲載されるという仕組みだ。キーワードの競合が増えると、それに伴ってオークションの競争も激しくなる。



リスティング広告費用の相場

リスティング広告の費用相場は、一般的に、ひと月あたり20万円~50万円程度といわれてる。しかし、広告を出稿する商品やサービスによって金額は異なるため、それ以上になる場合もあれば、10万円前後で利用できる場合もあり、あくまで相場と捉えておくのがよいだろう。

リスティング広告は、キーワードのみならず配信の曜日や時間帯、地域など細かく設定できる。広告運用会社の中には、運用費の最低額を1,000円としている企業もある。その一方で、広告運用を代理店に委託する場合は、最低出稿額を30万ほどに設定しているケースも多いため、注意が必要だ。

また、運用にかかる費用は広告料に加え、運用手数料が発生する場合もある。手数料には、手数料率型・定額型・成果報酬型の3つがあり、広告の内容や掲載企業によって異なる。見落としがちな費用であるため、掲載会社に確認するなど広告掲載費用と別途でかかる料金を踏まえ、予算を算出するとよい。


リスティング広告の予算を決めるには

リスティング広告の予算を決定する際、一般的には「目標CPA」から費用を算出する。CPAとは、広告による最終的な成果である「CV(コンバージョン)」を1件獲得するのにかかった広告費用を表す値である。

目標CPAの算出方法は、商品やサービスの販売価格から「原価」と「予想される利益」を差し引く。
目標CPA =( 販売価格)-(原価)-(利益)

次に、この「目標CPA」と「CV数」を用いて、広告費用の算出をする。
必要予算 =(目標CPA)×(目標CV数)

この計算により導かれた数値が、必要予算となる。他にも、クリック単価相場から算出する方法や、代理店による算出する方法がある。クリック単価は業種によって異なるため、自社で扱う商品やサービスについてあらかじめ調査をし、自社のコストや費用対効果を見て決定するとよいだろう。


自社と代理店で運用するメリット・デメリット

リスティング広告を掲載する場合、自社で運用するか、代理店に依頼するか迷うこともあるだろう。それぞれのメリットとデメリットを見てみよう。

自社で行うメリット・デメリット


リスティング広告を自社で運用するメリットは、マーケティングに関わる知識やナレッジが自分たちのものとして蓄積されることだ。また、商品やサービスの売上げや傾向、売り出し方などあらゆるデータやマーケティング方法をあわせた戦略の立案も可能となるだろう。

一方で、自社運用のデメリットは、リスティング広告運用を担当する人材の採用・教育に時間がかかることだ。ノウハウがない状態でスタートのであれば、方法や戦略などの最新情報は担当者自らが調べる必要がある。担当者育成後も業務が属人化しやすいため、自社内に方法やノウハウを共有する必要があるだろう。

代理店で行うメリット・デメリット


代理店で運用するのメリットは、リスティング広告の専門性が高いことだ。過去の実績とノウハウをあわせ持つため、社内で行うよりも短期間で常用しやすく、情報の最新性に優れている。また、採用や運用にかかるリソースを割く必要がないことにより、他業務に注力できるといった利点もある。

代理店運用のデメリットとなるのは、社内に広告掲載のノウハウが溜まりにくいことだ。また、自社内の運用に比べて、対応にワンテンポ時間がかかることもあるだろう。広告費用に加えて手数料が発生するが、専門的視点からアプローチするため、効果は出やすいといえる。

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リスティング広告費用を抑えるポイント

リスティング広告を効果的に使うには、適切な費用対効果となるような工夫が必要だ。広告費用を抑えるポイントを紹介する。

事前に撤退するタイミングの決定


リスティング広告は、効果を実感できるまでに時間がかかることが多い。予め撤退ラインを決定しておくことで、無駄なコストやリスクの発生を防げるだろう。リスティング広告の効果を検証するには、最低3カ月程度の分析や改善を行い続けることが必要だ。これを踏まえた上で、「CPAが◯万円以上となったら」「◯カ月の平均CV数が◯件以下となったら」など、具体的な数値を設定しよう。

マッチタイプの活用


リスティング広告は、広告を配信する対象が登録するキーワードの「マッチタイプ」によって異なる。選択できるマッチタイプは以下の4種があり、これらを使い分けることで広告費の削減につながるだろう。

完全一致
完全一致とは、広告を出稿するキーワードとユーザーの検索語句が、全て一致している場合のみ表示される。

部分一致
部分一致とは、広告を出稿したいキーワードとユーザーの検索語句が、関連すると判断された場合に表示される。

絞り込み一致
絞り込み一致とは、広告に設定したキーワードがユーザーの検索語句に含まれていると表示される。

フレーズ一致
ユーザーの検索語句の中に広告を出稿したいキーワードが含まれ、さらに同じ語順であれば表示される。

マッチタイプは機会損失を減らすことにもつながるため、費用対効果を高めることにも有効だ。

除外キーワードの設定


より効果的な広告表示をするには、除外キーワードの設定が重要だ。成果につながらないクリックの防止と、キーワードへの投資が抑制できるだろう。こまめに除外キーワードを設定することで、一つひとつのキーワードが成果につながる。

あわせて、検索ボリュームが少ない「ロングテールキーワード」を狙うのも効果的だ。ロングテールキーワードはあまり検索されない反面、CV率は高いのが特長だ。近年、ビッグキーワードのクリック単価は高騰していることから、ロングテールキーワードを用いることで、クリック単価を抑制できる。また、ニッチなキーワードとなるため、ユーザーにとって的確な情報となり、より購入や問い合わせにつながりやすいといえる。

配信対象の限定


配信対象を限定することも、広告費用を抑えるための重要なポイントだ。配信対象の選択肢には、エリアのみならず、年齢・性別・世帯年収といったターゲットの限定もできる。過去にサイト訪問したユーザーやサイト訪問者と似た関心を持つユーザーなど、オーディエンスリストから選び、条件を設定していくとよいだろう。ターゲットに対して適切なアプローチができるよう、ターゲットのニーズや求めている情報を把握することが重要だ。

品質の向上


リスティング広告の掲載順位は、クリック単価と品質スコアをかけ合わせた「広告ランク」で決まる。つまり、低いクリック単価でも、広告の品質を上げることによって高い広告ランクは得られるのだ。品質スコアは、「推定クリック率」「キーワードと広告の関連性」「ランディングページの利便性」などをもとに、10段階で評価され、高いほど良いとされている。そのため、検索ページに表示されるテキストや画像はもちろん、広告クリック後のランディングページにも工夫が必要といえるだろう。

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まとめ

リスティング広告の費用相場は、ひと月あたり20万〜30万だ。しかし、業種によってクリック単価は大きく異なるため、自社の商品やサービスの相場を調査した上で利用するとよいだろう。リスティング広告の運用前に撤退タイミングを決めることや、運用中の費用を削減することも、適切な活用のポイントとなる。自社もしくは代理店で運営するメリットやデメリットを踏まえ、リスティング広告の導入を検討してみてはいかがだろうか。


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