株式会社いつもが合同会社ピースユーのM&Aに合意
株式会社いつも(以下:いつも)は、2022年11月11日(金)に合同会社ピースユー(以下:ピースユー)の持分を100%譲り受けることに合意した。
ライブコマース販売の拡充を目指す
SNSの普及によって、買い物体験は商品の機能だけを見て「何を買うか」を決めるのではなく、「誰から買うか」で決めるように変化している。
この変化はマーケティング手段として、いち個人が商品販売やブーム・トレンドに影響を与えはじめた1990年代のカリスマ店員ブームから始まったと言えるだろう。そして近年の主流は、SNSやYouTubeなどのインフルエンサーであり、今後ライブコマース販売員にシフトしていくと考えられている。
これまでいつもはブランドメーカーに対するD2C・EC支援の一環として様々なライブコマースの企画・実行支援を行ってきたが、今回のM&Aにより、「商品の魅力をライブ動画で説明し、売ることのできる、店舗やライバー」を短期間に多数確保できることとなる。
また、コロナ禍で店舗来店や、店舗での販売が減少した小売り店舗に対しても「商品の色やサイズを詳しく知りたい」や「店員による使い方のアドバイスが聞きたい」といった消費者ニーズへの解決策としてライブコマースでの「デジタル接客」を導入していくとしている。
ピースユーで活躍している、「売る力を持つ店舗・ライバー」を一層増やし、全国の企業に対し「ヒト×EC」マーケティングを提供していくだろう。
注目を集めるライブコマース
ライブコマース市場は中国を筆頭に急速に成長を遂げており、2021年の中国のライブコマースは43兆1,243億円(19円/中国元で計算)、米国では1兆3,970億円(127円/USドルで計算)と推定されている(※1)。
日本国内においても、成長が見込まれる市場として注目を集めており、ライブコマース市場規模の2027年の最大値予想は、5,893億円と見込まれている(※2)。 大手小売企業がライブコマースで配信を行う店舗を全国に拡大する事例や、自社ECサイトでのライブコマース実施、インスタライブなどのSNS活用など、ライブコマースによる国内販売事例は増えている状況であり、これからの発展が期待されている分野だと言えるだろう。
(※1):「China's E-commerce Livestreaming Research Report 2021」(iResearch社)、「Retail TouchPoints」(Coresight Research社)のデータをもとにいつもが推定
(※2):2025年国内のEC市場規模は経済産業省の電子商取引に関する市場調査で17兆1578億と予想され、米国のライブコマースの成長率を参考値とし2027年段階で国内ライブコマース化比率を3.0%として算出
モノの魅力を伝える最善の方法
今回のM&Aにあたり、両企業は以下のようにコメントしている。
◆合同会社ピースユー 代表社員 木村和人氏
「人や商品にファンが付き売れる時代に、ライブコマースはモノの魅力を伝える最善の方法だと考えています。個人でも気軽に始められるピースユーライブの特性と、企業との繋がりの強い、いつも社の力を合わせれば、日本最大のECプラットフォームにもなり得ると思い、M&Aを決意しました。ピースユーライブの成長に向け、共に盛り上げていきたいと思います」
◆株式会社いつも 取締役副社長 望月智之氏
「国内有数規模のライブコマースアプリを運営する『ピースユー』と共に、本事業に参入できることを嬉しく思います。ここ数年で高まっている、メーカーや小売企業のライブコマース販売へのニーズに応えられるよう、当社とのシナジーでECプラットフォームの拡大成長を目指していきます」
ピースユーライブは日本有数の流通額を誇るライブコマースサービスである。販売力のあるライバーと、購入意欲の高い顧客環境がすでに整っているため、いつもが保有するEC販売ノウハウとの結合によって大きな伸長に繋がるはずだ。従来のECでは実現できなかった、「デジタル接客」による購買体験向上が期待されるだろう。