ECサイトで売れるブランド名の決め方は?ネーミングの考え方やヒント

ECのミカタ編集部

ECサイトで売れるブランド名の決め方は?ネーミングの考え方やヒント

ECサイトを立ち上げる際に、必ず必要となるのがブランド名です。ブランド名は、適切な名前を付けることによってユーザーの認知度を高めることでき、多くの競合他社と差別化できる重要なマーケティングだと言えます。

この記事では、ECサイトを立ち上げたい方向けに、具体的なブランド名の決め方について詳しくご紹介していきます。これからブランド名を考える際の参考にしてください。

ブランド名がECサイトで重要となる理由

ECサイトでブランド名が重要となる最大の理由は、ブランドのイメージやコンセプトをより多くの人へ発信することで、売上に繋がる必要不可欠な存在となるからです。ブランド名は、ECサイトやショップの顔となる重要な役割を持ち、ブランド名を「ショップ名」や「屋号」として運営をはじめる方も多くいます。

仮に、ユーザーから認知されにくいブランド名を付けた場合、認知のために多大な時間や莫大なコストを費やさなくてはなりません。しかし反対にユーザーの記憶に残りやすいブランド名を付けることで認知が広がり、競合に負けず自社を指名して購入される可能性も高くなります。一度付けたブランド名は頻繁に変更することは難しいため、先を見据え長く愛着を持って育てられるブランド名を付けることが重要です。

あの有名企業はどうやってブランド名を決めている?売れるブランド名の考え方

では、認知されやすく、売上に繋がるブランド名とはどのようなブランド名なのでしょうか。5つのポイントを参考にご紹介していきます。

造語を使用して覚えやすいブランド名を付ける


ブランド名は、簡単で覚えやすい名前にすることがポイントです。短くシンプルな表現や韻を踏んだり、2つ以上の単語を繋げて連結法を用いる「造語」を使用することで、ブランドのイメージや伝えたい想いが表現しやすくなります。この連結法を用いているブランド名の例としては下記のようなブランドがあります。

H&M
世界的に有名なファストファッションブランドであるH&M。創業当初は婦人服専門店として、スウェーデン語で「彼女」という意味を持つ「Hennes」を設立し、その後「Mauritz Widforss」という紳士服店を買収したことで「Hennes & Mauritz」に改名し現在のH&Mが誕生しました。

鼻セレブ
ネピアの大ヒット商品である鼻セレブは、商品発売当初は「ネピア モイスチャーティシュ」という商品名でした。しかし、2004年に鼻セレブへ改名した後なんと売上が10倍以上伸びたと言われています。あえて漢字の「鼻」と、高級感を表現した「セレブ」の2つの言葉を組み合わせることで、インパクトのある覚えやすいブランド名として人気を集めた商品です。

メグミルク
雪印メグミルク株式会社の代表商品であるメグミルク。メグミルクは、「自然の恵み」と「ミルク」の単純な語句を連結して作られたブランド名で、商品のイメージが伝わりやすいことから幅広く認知されています。

読みやすく発音しやすいブランド名を付ける


おしゃれなブランド名を意識しすぎると、英語読みや英語で作られた造語からイメージを膨らませようとする方も多いですが、かえって読みづらかったり何と読むかわからないということが起きてしまいます。パッと見た時に読みやすく、スムーズに発音できる言葉にすることでユーザーは親近感を抱き覚えてもらいやすくなります。

擬人法で愛称をつけ呼びやすいブランド名を付ける


ブランド名をまるで人のように扱うことで、ユーザーに親しみを持ってもらいやすくする方法です。これを擬人法と言い、商品やサービスが身近に感じるだけでなく、ブランドのイメージをユーザーに認識させやすくする効果も期待できます。

代表的な擬人法を用いたブランディングには、ラーメンの「一平ちゃん」や、飲料水の「なっちゃん」などが挙げられ、呼称を使うことでより親近感を感じるブランド名になります。

流行に左右されないブランド名を付ける


一度付けたブランド名を途中で変更することは大きな手間がかかります。そのため、ブランド名に時代の流行を取り入れて名付けてしまうと、時間が立った後に古臭く感じてしまったり、ユーザーに時代遅れなイメージを植え付けかねません。時代に左右されず、長く使えるブランド名を採用しましょう。

知っておくべき!ブランド名を決める際の注意

ここまで、ブランド名を決めるヒントやポイントについて解説してきましたが、ブランド名を決める際は注意しなければならない点もあります。続いては、ブランド名を決める際の2つの注意事項をご紹介していきます。

商標登録されていないか


ブランド名を決める際には、必ず商標登録の確認を行いましょう。商標登録とは、ブランドを立ち上げる事業者が、ブランドに使用するネーミングやロゴを他社(他人)と区別させるために商標権として登録することを指します。審査の結果次第では特許庁から却下される場合もあるため、事前に登録の有無をチェックする必要があります。また、商標登録は先着順のため自社の商標登録も忘れずに行いましょう。

他社のサイトと誤解されないこと


同じ商品やサービスを展開する競合他社が、どのようなブランド名を使用しているかを調査し、類似する名前は候補から除外しましょう。なぜなら近年、ユーザーはインターネットで商品やサービスの情報を収集することが多いため、似ているブランド名もヒットしてしまう可能性があるからです。

ブランド名の重複による機会ロスを避けるためにも、他社とは異なる発想で目立つネーミングを付けることがおすすめです。

ブランド名でドメインが取得可能か


ブランド名の候補がいくつか出揃ったら、次はECサイトで使用するドメインが取得できるか確認しましょう。ドメインとは、WEBサイトの「○○.com」の部分に当たります。有名なドメインには、「.com」「.jp」「.net」があり、これらは多くのサイトが使用しています。同じドメインは一つとしてないため候補に挙げたブランド名が、他社のドメインで既に使われていないか確認しましょう。

また、最近では新たなドメインも登場していますが、新しいドメインは認知度が低く「怪しいサイト」と判断されてしまうリスクもあるため、慎重に検討することが重要です。ドメイン名の決め方は本文の最後にご紹介します。

ECサイトに適したブランド名を決める3つの手順

上記で解説したポイントや注意点を踏まえ、具体的な例を交えてブランド名の候補を考えていきます。

手順1:売りたいブランドに関する情報を整理する


ユーザーははじめに、ブランド名からどんな商品やサービスを扱うショップなのかをイメージします。まずは、自分自身がブランドの情報を整理し、以下の表を参考に情報を洗い出してみましょう。

引用:https://craftwriter-blog.com/

ブランド名は、商品やサービスから連想するキーワードを組み合わせて決めていくため、まずはブランド化する情報の整理から始めます。

手順2:ブランド名に使えるキーワードを選定する


情報が整理できたら、使えそうな要素となるキーワードを思いつく限り洗い出していきます。キーワードがブランドイメージと乖離していたり、ネガティブな印象を与える表現は避けましょう。

例えば、「ジュエリー」や「アパレル」に関するブランドを立ち上げる場合、連想するキーワードは「アクセサリー」や「洋服」ではないでしょうか。ここまでは、簡単にイメージすることができますが、オリジナリティのあるブランド名にするには、ここからさらに連想ゲームを続けていくことが必要です。

「美」や「ラグジュアリー」「日常」など、連想する範囲を広げて、検索してみるのも良いでしょう。以下の表から、ブランド名に使用できそうな単語を連想してみるのもおすすめです。

引用:https://craftwriter-blog.com/

手順3:キーワードを組み合わせてブランド名を創作する


洗い出したキーワードからブランド名に使用したいキーワードを抽出し、それらを組み合わせて自分だけのブランド名を完成させましょう。

上記でご紹介したように、単語を繋げる「連結法」や、商品やサービスを人のように扱う「擬人法」。他にも、日本語の言葉を英語に直さずアルファベットで表記する「アルファベット表記法」や、擬態語・擬音語を使用した「オノマトペ法」もあります。万が一、ありふれたネーミングになってしまったら、頭文字を取ってみたり、語尾を省略してみるのもおすすめです。インパクトがあり、忘れられない響きの要素を持つ言葉を並べていきましょう。

SEO対策にも!重要なドメイン名を決めるポイント

最後にドメインの決め方やキーワードの入れ方などのポイントを、初心者にも分かりやすく解説していきます。

トップレベルドメインを使用する


トップレベルドメイン( TLD:Top Level Domain )は、「.com」や「.jp」など最後の部分を指します。トップレベルドメイン(TDL)から、サードレベルドメイン( 3LD )までの階層構造になっているのが特徴です。

引用:https://knowledge.cpi.ad.jp/

トップレベルドメインに決まりはなく、TDLだけでSEOに影響するということはありませんが、認知度のあるドメインを使用すれば、覚えてもらいやすいということや、メジャーなドメインを使用することは、ユーザーからの信頼も得やすいでしょう。

引用:https://www.onamae.com/

キーワードを含めたドメイン名にする


ドメイン名にキーワードを含めることで、Googleに正しい情報が読み取られSEOにも良い影響を与えます。SEO効果だけでなく、ユーザーがドメインを見てどんなサイトかイメージしやすくなるため、クリック率の向上も期待できるでしょう。

短く簡単なドメイン名にする


良いドメインの要素は、短くシンプルで分かりやすいドメイン名が望ましいとされています。ドメイン名を短くすることで、ユーザーから覚えてもらいやすく目に留まる機会も多いです。ドメイン名は、2〜3語以内でそれ以上にならないよう意識してみてください。また、前提として完璧なドメイン名を取得することは難しいと考えていた方が良いでしょう。理想のドメインが取得できず、ブランドの立ち上げが進まないといった事態にならないよう、ドメイン名は柔軟に変更してみることがおすすめです。

まとめ

オリジナリティのあるブランド名を付けることは、ユーザーがショップを認識してくれる大切な作業です。ユーザーからの認知だけでなく、ECサイトの運営者も自身のブランドに愛着を持つことができます。今回ご紹介した、ブランド名を決めるポイントや知っておくべきドメインの知識を参考に、誰からも愛されるブランド名を考案してください。


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