マーケティング戦略におけるSTP分析とは?事例やポイントを簡単に解説

ECのミカタ編集部

マーケティング戦略におけるSTP分析とは?事例やポイントを簡単に解説

企業にとって、商品やサービスが自然と求められて売れていくのは理想的な状態です。実現させるためには、自社が満たせる欲求や解決できる課題は何で、その欲求・課題を抱えている人は誰で、どうすればその人に製品を選んでもらえるかを考えなくてはなりません。今回はそのヒントとなるSTP分析について解説します。

マーケティングにおけるSTP分析とは?

STP分析は、市場の中での自社の立ち位置やとるべき戦略を明確にするために行う、マーケティングのフレームワーク(手法)です。

以下の3点において、自社の製品がどこの誰に、どのような理由で求められるのかを分析します。

・セグメンテーション(市場細分化)
・ターゲティング(狙う市場の決定)
・ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)

STP分析を行うと、自社製品を求めているユーザー像や、彼らに対してどのような点を訴求していくべきかを明確化できます。

4P分析との違いは?


STP分析を通して自社のとっていきたいポジショニングが決まったら、その実現に役立つのが4P分析です。4P分析では、Pを頭文字とする4つのマーケティング要素をどのように展開していくか検討します。

ProducT:製品


企業が市場に対して提供する商品やサービスのことです。製品そのものの魅力を高める企業努力が求められます。

Price:価格


市場に製品を提供する際の価格設定です。通常料金はもちろん、値上げ・値下げの実施やセール時においても、相場にみあうこと・採算がとれることを意識して設定します。

Place:流通


どのような形で製品をユーザーの元へ届けるのかの検討です。小売店に卸すのか、自社で専売するのか、実店舗かECかなど、大まかに「販売方法を決めるプロセス」と考えるとわかりやすいでしょう。商材のジャンルや価格感により、製品ごとに適した方法は変わります。

PromoTion:プロモーション(広告・宣伝)


製品を「知ってもらう」ために行う施策をまとめてプロモーションと呼びます。広告の出稿やプレスリリース、インフルエンサーを起用した宣伝など手段は多様です。製品がターゲットとするユーザーに知ってもらえる可能性の高いプロモーションを打つことが重要となります。

SWOT分析との違いは?


SWOT分析も、自社のとるべき方針を決定する目的で用いられるマーケティングフレームワークのひとつです。

SWOTという単語は、STrengThS(強み)・WeakneSSeS(弱み)・OPPorTuniTieS(機会)・ThreaTS(脅威)の頭文字から来ています。強み・弱みは文字通り、企業や製品がもつ長所と短所をあらわします。

機会は、自社製品が市場から価値を認めてもらえる可能性の程度です。時代や流行にあっているかや、市場経済や政治が不安定でないかを分析します。また、機会と相対するのが脅威です。製品が求められなくなってしまうリスクを分析しますが、競合の有無や社会不安の有無などが脅威にあたります。

SWOT分析を行うと、事業の成長につながる伸びしろや対策すべき点を可視化できるため、経営戦略の組み立てとして取り組まれることが多いです。

PEST分析との違いは?


PEST分析は、自社や業界の外部環境を分析するためのフレームワークです。

P・E・S・Tは、それぞれPoliTicS(政治)・Economy(経済)・SocieTy(社会)・Technology(技術)の頭文字となっています。たとえば、政治的要因のわかりやすい例が法改正です。市場のルールに変化が起きるため、自社の販売活動に影響が出ないかどうかチェックする必要があります。

これらの外部環境は、市場の販売動向に少なからず影響を与えます。同時に、自社の努力ではコントロールできない領域の要素でもあるので、今後どんな変化が起きるかの予測と対策のためにも分析が必要となるのです。

S・T・Pのそれぞれの分析方法と見る指標のポイント

STP分析で分析や設定する際のポイント、見るべき指標について解説します。

S:セグメンテーション(市場の細分化)


まず、自社プロダクトを購入してくれるユーザーの属性を明確にするために行うのがセグメンテーションです。属性には、年齢や性別、住んでいる地域、価値観やライフスタイルなども含まれます。大まかには、以下の4つに分類が可能です。

・デモグラフィック(人口動態):年齢・性別・家族構成・職種など
・ジオグラフィック(地理):居住地域や、天候・文化・宗教など地理条件に関わる情報
・サイコグラフィック(社会心理):ユーザーの価値観・性格・ライフスタイル・購買動機など
・ビヘイビアル(ユーザー行動):ユーザーの購買頻度や、製品が購入される際の状況など

また違った角度からセグメンテーションを決める際に私用する指標に、6つの観点から市場を分析するものがあります。以下、6つのキーワードの頭文字から「6R」と呼ばれるものです。

・RealiSTic Scale(有効な規模)
・Rank(優先順位)
・RaTe of growTh(成長率)
・Rival(競合)
・Reach(到達可能性)
・ReSPonSe(測定可能性)

6Rでは、上記の各項目での良し悪しを論じるのではなく、総合的な分析から自社が参入するのに適した市場を見極めます。セグメンテーションはまずはどんな属性をもったユーザーが自社の顧客となりうるのか、狙っていく先の方向性を決めるためのプロセス、と考えてもよいでしょう。

T:ターゲティング(狙うターゲット層を設定)


ターゲティングで行うのは、市場の中からとくにターゲットとするユーザーを絞り込んで行くための作業です。基本的に、セグメンテーションとターゲティングはセットです。セグメンテーションでは広い市場を指標に従って分類し、ターゲティングで分類した市場の中で狙うべきポイントを選定します。

ターゲットとなるべきは、自社製品をもっとも必要としている市場です。商品・サービスを買ってくれるユーザーが多く属する市場なら、販促効果が高いと考えられます。ただし、商材によっては絞り込みすぎも逆効果です。

企業が市場に対して行うマーケテティングは下記の3パターンのいずれかとなることが多く、このうち2番目・3番目の手法をとるとき、ターゲティングが重要となってきます。

・無差別型マーケティング:市場の絞り込みを行わず、すべての市場に同じ製品を提供します。適している商材のジャンルは食料品や日用品などです。
・差別型マーケティング:複数の市場を対象として、それぞれのニーズにあわせて商品やサービスを提供します。段階にわけた料金設定や、ジャンルの同じ商品を機能違いで販売するなど、大小問わず多くの企業で実践されている手法です。
・集中型マーケティング:特定の市場のみをターゲットとして、マーケティングを集中化させる手法です。専門性の高い商材やハイブランド品においてよく用いられます。

P:ポジショニング(自社の立ち位置を決定)


セグメントされた市場の中での自社の立ち位置を決定するプロセスがポジショニングです。ポジショニングとは、競合他社が提供している商品やサービスと比較して、自社製品がもつ特徴や強みを見出すための作業です。

値段や品質、販売チャネルの数など比較軸は多数あります。その中から必要なものを選んで、客観的なジャッジで競合との比較を行います。大事なのは、どのような立ち位置を確立すれば、自社が優位に立てるかの見極めです。

STP分析を実施するメリット

STP分析を行うことどんなメリットがあるのでしょうか?解説していきます。

より具体的なペルソナ設定ができる


ペルソナ設定とは、簡単にいえば自社の製品をもっとも必要としている人物を仮定したプロフィールです。セグメンテーション、ターゲティングのプロセスを踏むと、ペルソナ設定が具体化されます。ターゲットとすべきユーザーへの解像度があがるため、ニーズの整理がしやすくなり、より的確な施策を打ちやすくなります。

競合他社との差別化を明確にできる


市場で生き残っていくためには、ユーザーから求められる自社ならではの訴求ポイントが必要です。自社の強み・弱みを整理して独自性をのばすことが求められます。自社が独自の立ち位置を確立できているかどうかを確かめるのに、ポジショニングのプロセスが有効です。

想定している市場のボリューム感が整理できる


STP分析では、自社が参入する市場と、その中で売上を伸ばすためのポジショニングを明確化します。プロセスの中では市場規模の把握も行うので、あらかじめ「その市場でどれくらいの売上が見込めるか」を把握しやすくなる点がメリットです。より合理的に、予算の計画を立てられるようになります。

マーケティング・プロモーション戦略が明確にできる


セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3点を具体的に設定できると、効率のよい商品の“売り方”がわかりやすくなります。

商品やサービスを売る際、売り手には決めなくてはいけないことがたくさんあります。チャネルは何を活用すればよいか、広告の訴求内容はどのようなものがよいか、プロモーションはどうすべきかなど。各工程で、毎回最適な選択をするのは容易ではありません。

STP分析をすると、マーケティングやプロモーション計画の全体観を策定できます。進むべき道筋への解像度があがるので、その後の戦略や戦術における優先度も立てやすくなります。

STP分析で注意しておくべきポイント

STP分析は多くの企業で取り入れられている有効なフレームワークですが、いくつか注意すべきポイントもあります。取り組む際は、次にあげるような点も念頭に置いておきましょう。

想定している市場のボリューム・成長率を確認する


仮に市場のトップを獲得できていたとしても、肝心の市場規模=その市場で使われるお金の総量が少なければ、事業は成り立ちません。

同時に、狙う市場がいまどの成長段階にいるのかの確認も重要です。市場の成長段階は、大まかに以下の4つにわけられます。

・導入期
・成長期
・成熟期
・衰退期

市場の売上規模は、導入期~成熟期で上昇し、その後衰退期で加工するという緩やかなS字カーブを描いて変遷すると考えられています。導入期から成長期にかけては、競合が少ないブルーオーシャンです。市場は育ち切っていないものの設備投資などの費用も少なくすむ傾向にあります。

成熟期の市場は大きな規模を持っていますが、競合が多く、設備投資費用のほか競合との差別化にも労力を要します。衰退期の市場はうまみが少ないため、そもそも本当に参入すべきか再検討をした方がよいでしょう。

他フレームワークも使用し多角的に分析する


STP分析に限りませんが、マーケティングフレームワークには、「これだけやっていればOK」というようなオールマイティなものは存在しません。なぜなら、商品やサービスが売れていく背景では、いろいろな要因が複雑に絡まりあっているためです。それらをひも解くのに役立つのがSTP分析のようなフレームワークですが、STP分析だけでは光を当て切れない部分があります。

4P分析やSWOT分析、PEST分析などほかのフレームワークも組み合わせながら、多角的に状況を判断することが必要です。

S・T・Pの順番にこだわりすぎない


初心者のうちに勘違いしやすいのは、S→T→Pの順番でプロセスを踏まなくてはいけない、と思い込んでしまうことです。
市場の策定をし、とくに注力するターゲットを決め、競合との立ち位置を明確にする、という流れはわかりやすいでしょう。しかし、「はじめてSTP分析に取り組むので何から手をつけていいかわからない」といった場合、セグメンテーションから取り組むのをおすすめします。

ポイントは、3つの分析は相互に作用し合うこと。たとえば、商品の性質からあらかじめターゲット像がある程度明確にわかっていて、そこから逆算して市場のセグメントをすることもありえるのです。

STP分析はあくまでも、売上を伸ばすための手段の一つでしかありません。順番や型にこだわりすぎると、本来の目的を見失ってしまうリスクもあります。柔軟に思考を切り替えつつ活用してください。

あくまで客観的なリサーチに基づく情報で実施する


分析を行う上で大切なのは、客観的なデータにもとづいて情報を整理することです。STP分析ではターゲティングの設定・ニーズや市場規模の精査・競合比較などを行いますが、これらの過程で先入観や思い込みの要素が入ってしまうと判断がぶれて、戦略ミスを招きます。なるべく主観的になったり、自分にとって都合のよい解釈をしたりしないように心がけましょう。

STP分析に関するマーケティング事例

STP分析への理解を深めるには、実際にこのフレームワークがどのように取り入れられているかをみてみるのがよいでしょう。

モデルケースとして、よく知られる企業の事例を紹介します。まず、各企業・ブランドが一般的にもたれているイメージや市場での立ち位置を整理し、それらがどのような分析のもと成り立っているかを確認していきます。

スターバックス


スターバックスのイメージ、立ち位置


・都会的、おしゃれ
・居心地のよい店舗空間
・クオリティの高いビバレッジ
・高価すぎるわけではないが、少し贅沢な価格設定

スターバックスのセグメンテーション


スターバックスの出店戦略は、顧客セグメンテーションにもとづくと考えられます。セグメンテーションの軸は、顧客の年齢層・性別・職業や職種・経済状況・住んでいる都市の規模などです。

スターバックスのターゲティング


スターバックスの出店に際しては、土地のニーズ調査が行われています。スタバの主なターゲットとなるのは「少し高いお金を出しても、居心地のいい空間で美味しいコーヒーを飲みたい」ユーザーのため、そのようなニーズが多いと考えられる都市部への出店が多いです。

スターバックスのポジショニング


スターバックスでは、おしゃれで清潔感のある内装やスタッフによる丁寧な接客で、独自の店舗体験が顧客に提供されています。また、季節にあわせて出される新作のフード・ドリンクで話題性をつくり、スタバでの飲食=トレンドに乗っているというイメージも生み出しています。

マクドナルド


マクドナルドのイメージ、立ち位置


・リーズナブルな価格
・気軽に行ける
・スピーディな商品提供
・ファミリー向き

マクドナルドのセグメンテーション


マクドナルドは、消費者の生活や行動をセグメンテーションし、「安く」て「早い」ファストフードが求められるシーンを分析しています。

マクドナルドのターゲティング


リーズナブルな商品を手早く提供するマクドナルドのターゲットは、若者~子育て世代です。ターゲティングの対象がわかりやすいのは、広告の内容です。TVで放映されているCMをみると、ビジネスマンや親子が主役のストーリーが多いとわかります。

マクドナルドのポジショニング


マクドナルド商品のバリュー感は、ほかの飲食チェーンで類を見ないものです。また、「いつでも手軽に商品を購入できる」というポジションを保つため、モバイルオーダーやドライブスルーといったサービスも展開しており、ユーザーにとっての利便性を確立しています。

レッツノート(パナソニック)


レッツノートのイメージ、立ち位置


・軽量で持ち運びがしやすい
・セキュリティ機能が高い
・ビジネスユーザー向け

レッツノートのセグメンテーション


ユーザーがPCを使うシーンとして、ビジネスの場面を前提に、どのようなニーズが持たれているかを軸にセグメンテーションが行われています。

レッツノートのターゲティング


レッツノートは前提として、ビジネスユースのノートPCです。そのうえで、ターゲティングとしては「外出先でも使いたい」「持ち運びしやすいPCがいい」といったニーズをもつ外回りの営業職(20~40代)に設定されています。

レッツノートのポジショニング


レッツノートには、ターゲットユーザーがノートPCに対して求める条件において、他社よりも選ばれる存在となることが求められました。そのため、軽量性やバッテリーの持続性、頑丈さなどの面において高いクオリティを発揮するように商品開発が行われています。

コカ・コーラ


ここで紹介するのは、コーラ飲料の“コカ・コーラ”に限らず、さまざまなビバレッジ製品を提供するコカ・コーラ社としてのSTP分析にもとづくマーケティング戦略です。

コカ・コーラのイメージ、立ち位置


・日常のあらゆるシーンに溶け込むドリンク飲料
・出かけ先で手軽に飲むペットボトル飲料

コカ・コーラのセグメンテーション


コカ・コーラは「消費者がドリンクを飲むシチュエーション」をセグメントしています。たとえば、「スポーツ観戦のお供」「平日のランチ」「和食とあわせて飲むドリンク」などです。

コカ・コーラのターゲティング


コカ・コーラが実践しているのは、無差別型マーケティングと差別型マーケティングの掛け合わせであると考えられます。基本的にペットボトルや缶の飲料は年齢や性別を問わず万人にニーズがあります。その中でも「仕事中に飲みたい」「スポーツをしているときに飲みたい」などの枝分かれがあり、それぞれにマッチする製品は異なるためです。

コカ・コーラのポジショニング


コカ・コーラが日本にやってきたのは大正時代です。本国アメリカでの歴史はさらに古く、誕生は1886年にさかのぼります。以来、同ブランドは昔ながらのコーラの味を守り続け、赤いラベルやロゴマークで広くイメージを浸透させてきました。加えて、多彩な他ブランドの製品開発も行い、総合的なビバレッジメーカーとしての地位を確立しています。

また、自動販売機事業も展開しており、街を歩く人が手軽にいつでもコカ・コーラ社の製品を購入できる環境が作られています。

ニトリ


ニトリのイメージ、立ち位置


・インテリアや日用品を一通り揃えられる
・他の家具店に比べてリーズナブルな価格設定
・価格の割に品質・機能性に優れた商品

ニトリのセグメンテーション


ニトリはあえて市場の詳細なセグメンテーションを行っていません。家具は生活するすべての消費者にとって必要なものであるためです。

ニトリのターゲティング


ニトリは自社製品の対象ユーザーを20~50代と幅広く設定しています。ただ、その中でも都市部の店舗では中価格帯の製品をメインとし、住み替え機会の多い20~30代の若年層がターゲットです。

ニトリのポジショニング


価格と品質バランスのとれた商品を、店舗・ECの複数チャネルで展開し、手軽に利用できる家具店としてのポジションを確立しています。

ヤッホーブルーイング


ヤッホーブルーイングは、クラフトビールメーカーです。「よなよなエール」や「水曜日のネコ」など、ユニークなコンセプトの商品で知られています。その中から「僕ビール、君ビール。」という商品を例にとり、どのようなSTP分析が展開されているかを考察してみましょう。

「僕ビール、君ビール。」のイメージ、立ち位置


・目をひくパッケージイラスト
・ユニークなネーミング
・軽い飲み口と爽やかなテイスト

「僕ビール、君ビール。」のセグメンテーション


まず、ビール飲料であるため、当然対象は20歳以上かつビール自体を飲める人となります。その中でもヤッホーブルーイングは、ユーザーがもつと想定される缶ビールへのイメージでセグメンテーションを行いました。

「僕ビール、君ビール。」のターゲティング


この商品は、ビール離れが進んでいる市場に向けて作られています。より詳細なターゲット像は、ビールが嫌いなわけではないものの、“おじさん”ぽいイメージがあるため敬遠しているアラサー世代の男性です。

「僕ビール、君ビール。」のポジショニング


他社製品にはない、ヤッホーブルーイングならではのユニークなネーミングとゆるいイラストを使ったパッケージで缶ビールの商品棚の中でも目を引く存在となるよう差別化がされています。「個性」や「自分らしさ」を大切にしたいというユーザー心理に寄り添ったコンセプトも、「僕ビール、君ビール。」の特徴です。

STP分析に関するFAQ

STP分析についてよく生じる疑問を、FAQの形で解説していきます。

STP分析はいつ使う?


STP分析は、競争環境の変化にあわせて定期的に行うのがよいでしょう。競争環境とは、自社が戦う市場、というように言い換えられます。市場は、ユーザーのニーズや新規参入の競合、あるいは自社の事業展開など、さまざまな要因で変化します。市場が変わったとき、その変化にどう適応すればよいかを判断するためにSTP分析が必要となるのです。

STP分析の問題点・デメリットは?


STP分析は市場での自社の立ち位置の確認に役立ちますが、だからといって100パーセント分析結果に従えばよいというわけではありません。まず、STP分析で設定できるのはあくまでも表面的な部分という点。セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングのプロセスは、いずれも大まかに現状を把握するのに適しており、詳細な設計はできません。

また、設定した内容について確かなエビデンスを用意するのが難しいというのも弱点です。たとえば、過去の販売データから顧客のニーズを分析しても、今後も恒常的にそのニーズが存在する確証はなく、最終的には仮説によって次の行動を決定することになります。

まとめ

マーケティングフレームワークは、製品を効率的に販売していくために役立てるものです。この記事ではその中から、販売戦略の策定に便利なSTP分析を紹介しました。はじめてSTP分析に取り組む際は、理論だけを呼んでも実践のイメージを描きにくいと思います。記事で紹介した以外にも、STP分析に取り組む企業の事例はたくさんあるので、ぜひそれらも参考に自社の販促活動でアウトプットしていってください。


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