【初心者向け】ECサイトの構築手順とは?立ち上げに必要なことや費用

ECのミカタ編集部

【初心者向け】ECサイトの構築手順とは?立ち上げに必要なことや費用

近年、盛り上がりを見せるECサイト。実店舗での販売と並行して、EC事業への参入を検討している企業も多いのではないでしょうか?そこで今回は初めてECサイトの立ち上げを任された企業の担当者向けに、ECサイト構築の手順やポイントを解説していきます。

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ECサイトを構築する5つの方法と特徴

ECサイトの構築には、大きく分けて「モール型」と「自社EC型」の2種類の方法があり、ECサイトの規模や予算からどちらを選択するのか決めるのが一般的です。

個人や小規模でECサイトの立ち上げを検討している場合は、比較的小規模なECサイトとなるため、手軽に立ち上げられる「モール型」を利用するケースが多いです。

企業としての立ち上げで、中・小規模のECサイトを検討している場合は、「自社EC型」を選択する場合が多い傾向にあります。それでは具体的に、「モール型」と「自社EC型」の構築方法や特徴を見ていきましょう。

モール型の場合


モール型とは、1つのECサイトにさまざまな店舗を集めて出店する、インターネット上のショッピングモールのことを指します。国内の代表的なECモールは、楽天市場・Amazonジャパン・Yahoo!ショッピングが挙げられ、ショップに集客力がなくても、大手ECモールの高い認知度と信頼でユーザーが安心して買い物できる点がメリットです。また、既存のプラットフォームを利用してショップを立ち上げるため、初心者でも簡単に出店することができます。

デメリットは、テナント料や売上に応じた手数料が発生することや、サイトのデザインなどでオリジナリティを出しづらい点です。そのため、ショップの認知度が上がりにくく、他社と差別化を図ることが課題となるケースが多く挙げられます。

自社EC型の場合



自社EC型の大きな特徴は、「独自ドメイン」を使っている点です。楽天やAmazonなどのモール型で出店すると、商品のURLは「rakuten.co.jp」や「amazon.co.jp」というドメインになります。一方、自社EC型で独自ドメインを取得すれば、URLにショップ名を使用できるため、ブランディングやSEO対策、サイトの信頼性に繋がるなどの効果が期待できます。また、自社EC型と一言で言っても、構築方法が大きく分けて4つありますので、それぞれご紹介していきます。

ASP型
ASPとは、「Application Service Provider」の略称で、最も低コストで簡単にECサイトを立ち上げることができるサービスです。ECサイトを構築するために必要なシステムが備わっており、ブラウザで利用することができます。TVCMでお馴染みの「BASE」も、ASP型のサービスを提供しており、初期費用・月額料金無料、注文1件あたり3%の利用料のみでECサイトを運営することが可能です。

このように低価格で手軽にECサイトを立ち上げられるため、個人でECサイトを立ち上げたい人や、商品が売れるかどうか試験的にはじめたい人におすすめできます。

オープンソース型
オープンソース型は、外部に無償で公開されているソースコードを利用してECサイトを構築する方法で、初期費用を抑えてサイトを立ち上げることができます。買い物カゴや決済などの必要な機能がすでに備わっているほか、ECサイトのカスタマイズも柔軟に行うことが可能です。しかし、公開されているソースコードを使用するため、企業でECサイトを立ち上げる際は、システムやセキュリティ面で安全対策を行う必要があります。

パッケージ型
パッケージ型は、ECサイトの構築と運営に必要な機能がすでにセットになったサービスで、自由度の高いカスタマイズが特徴です。在庫をはじめとする商品管理や、売上管理などの標準機能がすでに備わっており、自社が持つサーバーにパッケージングされた製品をインストールすることで、ECサイトをオープンできる仕組みです。オープンソース型との違いは、ソースコードが公開されていないためセキュリティ面での安全性が高く、年商1億円以上の大規模なECサイトを構築する場合に適しています。

フルスクラッチ型
スクラッチには、「最初から」という意味があり、0からシステムやソフトウエアを立ち上げる方法です。フルスクラッチを選択する場合の多くは、自社で開発を進めることが多く、叶えたい希望をすべて実現することができます。機能面だけでなくデザインにも個性を出しやすいため、競合他社との差別化やユーザーの認知度向上にも有効です。しかし、0からのECサイト構築となるため、費用は数億円規模になることも考えられます。

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自社ECサイト構築から開設までの6つの手順

続いては、具体的なECサイトの立ち上げ方法について解説していきます。ECサイトの構築方法によって立ち上げ方が変わるため、ここでは自社EC型の構築手順に限定してご紹介していきます。

1.構築したいECサイトのテーマを決める


ECサイトを立ち上げるには、「誰に向けて、どのような方法で売るか」というコンセプトを明確にしていくことが大切です。コンセプトを明確にせず、漠然とECサイトを立ち上げてしまうと、希望したECサイトとは違ったサイトになりかねません。まずは、リーチしたいターゲット層や競合を調査し、自社のECサイトを一言で表す「コンセプトキーワード」から、ブランドイメージを固めていきましょう。

2.要件定義


コンセプトが明確になったら、具体的にどのような機能が必要か細分化していき、開発側と要件の齟齬がないよう打合せを行っていきます。この作業後は、開発側がメインとなり作業を進めていくため、要件に漏れがないか今一度確認しておくと良いでしょう。その際には、予算や期間についてもすり合わせを行っておくとスムーズです。

3.ECサイト構築・運用準備


この段階でECサイトの構築方法を選定し、立ち上げから運用までの具体的な準備に取り掛かります。

まずは、プラットフォームを決めます。自社EC型で構築する場合は、ASP型・オープンソース型・パッケージ型・フルスクラッチ型のどれを利用して立ち上げるかや、その中でどんなシステムを使用するかなどの詳細を決めていきます。

外注してカスタマイズする場合は、いくつか外注先を洗い出し、相見積もりを取ることがおすすめです。また、決済サービスを選定する際は、できる限り決済手段を豊富にすることで、ユーザーの離脱防止に繋がります。クレジットカードだけでなく、ID決済も自社のECサイトで使用可能かどうかも含めて、プラットフォームを選定すると良いでしょう。

4.ECサイトのデザイン決め


ユーザーが最も目にするECサイトのデザインは、いかにコンセプトとバランスが取れたデザインになっているかがとても重要なポイントです。ユーザーが使いやすく、情報を受け取りやすいデザインになっていることで、利便性の高いECサイトとしてリピーターを増やすことに繋がります。

ここで、先ほど解説しました「カスタマイズの自由度」が大きく関係してきます。自社でのデザイン決めが難しい場合は、事前にデザイン制作を請け負ってくれる外注先を探しておくと、スムーズにECサイトの構築を進めることができるでしょう。

5.テスト注文での受注


オープンにあたり、問題なく受発注できるか必ずテスト注文を行います。テスト注文の方法は、必ずユーザーと同じルートで商品購入まで操作することが基本です。その他のチェックポイントは、以下を参考にしてください。

・商品購入までの導線がスムーズか
・決済をはじめとする受発注のデータ処理に問題がないか
・スタッフの連携は取れているか

6.オープンとサイト改善


テスト注文で問題がなければ、いよいよオープンです。ここからは、広告やツールなどを上手く活用して、集客に注力していくことが重要です。具体的には、メールやSNSであらかじめオープン告知を行ったり、プレスリリースの配信もおすすめできます。手を付けやすいものから着実にユーザーの認知度を高めていきましょう。また、実際にECサイトを運営していく中で、トラブルやサイトの改善点も明確になることが予想されます。ユーザーの満足度向上のためにも、常に現状把握に取り組み、ECサイトの改善を重ねていくことが大切です。

ECサイトの構築にかかる期間や費用は?

具体的なEC型サイト構築の流れを理解したところで、続いては、ECサイトを立ち上げるまでに必要な期間と費用について解説していきます。

期間や費用は、ECサイトの立ち上げ方法によって大きく変わってきます。そのため、ECサイトの構築前にオープンまでの期間と予算を計画的に見積もったうえで、サイトの構築方法や運用準備を行うとスムーズです。

ECサイト構築までの期間の目安は?


無料のECサイト作成サービスを利用すれば、登録から最短1〜2時間でECサイトを立ち上げることが可能です。有料のサービスだとデザインのカスタマイズや機能の設置などで、約1ヶ月程かかると見込んでおくと良いでしょう。オープンソース型やパッケージ型は、より詳細なカスタマイズやシステムの構築を行うため、立ち上げに3ヶ月〜半年は必要です。また、最も大がかりな立ち上げ方法であるフルスクラッチ型だとゼロからの立ち上げとなるため、数年単位というケースもあります。

ECサイト構築にかかる費用や相場とは?


引用:https://www.interfactory.co.jp/

費用も同じく、ECサイトをどのような方法で構築するかで金額に大きな差が生まれます。

例えば、有料のECサイト作成サービスは、数千円〜数万円が相場で、オープンソースであれば初期費用は無料、月額10万円〜立ち上げが可能です。パッケージ型やフルスクラッチ型であれば規模が大きくなるため、構築費用だけで数百万〜数千万円と考えておくと良いでしょう。

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失敗しない自社ECサイトを構築する際の重要な3つのポイント

最後に、ECサイトを立ち上げる前に押さえておきたいサイト構築のポイントについて解説していきます。

ランニングコストなどの運用費を考慮する


ECサイトの構築には、立ち上げからオープンまでの初期費用の他に、運用するためのランニングコストが発生するケースが多くあります。パッケージ利用料や、保守費用、サーバ費用、アップデートやメンテナンス代にかかるシステム側のランニングコスト、その他にも外注費や、物流費用、決済手数料などの運用側にかかるコストなどが挙げられます。ECサイトを立ち上げる際は、どうしても初期費用だけに注目してしまいますが、ランニングコストを考慮して予算内に収まるかどうか検討することが重要です。

セキュリティ対策を万全にする


ユーザーの個人情報を扱うECサイトは、万全なセキュリティ対策が必要不可欠です。ハッキングによる不正アクセス被害で、ECサイトの運営が停止に追い込まれるケースもあるため、不正注文や不正アクセスを検知するツールを導入し、情報漏えい対策を万全にしたうえでECサイトをオープンさせましょう。不正注文による返品などのトラブルを未然に防ぐことができます。

カスタマイズしやすいサービスで構築する


企業に適したパッケージ型でECサイトの構築を検討している場合、高い自由度でカスタマイズでき、充実した機能が備わったサービスは当然ですがコストは高くなります。

開発側が自社の要望に合わせて個別に対応してくれるため、比較的コストがかかってしまいますが中長期的なスパンで見るとオリジナリティの高いサイトはそれだけ大きなリターンも期待できます。ECサイトを構築する際は視野を広く持ち、目先のコスト削減にとらわれ過ぎないように注意することがおすすめです。

将来的に、機能の追加が必要になったり、システムの乗り換えでコストがかかってしまうというケースも考えられるので先を見据えた事業計画からECサイトの構築方法を選定していきましょう。

まとめ

ECサイトの構築方法や手順などの基本から、費用や期間、立ち上げのポイントまで解説しました。さまざまあるECサイトの構築方法を決める際は、先を見据えてカスタマイズしやすい方法を選択することがおすすめです。ご紹介したメリット・デメリットを理解したうえで、自社で立ち上げたいECサイトの規模や予算と相談しながら検討してみてください。

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