アリババ 2023年の中国春節消費トレンドを発表

ECのミカタ編集部

アリババ、2023年の中国春節消費トレンドを発表

アリババは1月30日、同社のECプラットフォーム上の動向を分析し、食事、買い物、旅行など様々な分野における春節の消費トレンドを発表した。

春節に合わせた旅行が大幅に増加

中国国内では春節を迎え、コロナ渦と比較して多くの中国人が旅行に出かけるようになっている。中国交通運輸部の発表によると、2023年春節の国内旅行者は延べ20億人を超え、前年同期比200%となった。

アリババの旅行予約プラットフォームFliggyのデータによると、家族での省を跨ぐ長距離旅行が爆発的に伸びており、目的地として、広州、成都、上海、北京、重慶、昆明が最も人気であることが明らかになっている。1月5日から11日までのデータによると、「テーマパーク」の検索回数は前年同期比55%増であり、春節休暇中のテーマパークチケットの前売り券の売れ行きは前年同期比280%以上となった。

分析データからは、ペットを含む大切な家族のため出来合い料理やお土産の注文、中国の消費需要を反映した海外ラグジュアリーブランドによる限定品の発売、国内旅行など旅関連サービスの購入など、春節の消費トレンドが明らかになった。

大晦日の食事に合わせた需要増

中国の消費者は、春節の大晦日に一家団らんで食卓を囲む「年夜飯」を前に、ECプラットフォームを利用し出来合い料理やギフトボックスを注文している。

アリババのハイテク食料品スーパーのフーマー(盒馬鮮生)はこのトレンドを受け、今年から海鮮料理、広東風スープ、八宝飯などの家族向け出来合い料理の提供を開始。1月1日から11日まで、タオバオ(淘宝)における出来合い料理の検索回数は、前年同期比3.4倍にまで増加する結果となった。

一方で、春節のお土産をネットで帰省前に購入し、実家へ郵送する人も少なくない。アリババの物流部門ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)では、春節の年末年始の配送注文が前年同期比30%増加し、そのほとんどがお土産用のギフトボックスとアルコール飲料だったことが分かった。

ペットへの買い物が増加

中国の若者を中心に、春節に高級食材や服などのプレゼントをペットに贈ることもトレンドになっている。

アリババのオンライン食料品サービスのTモールスーパー(Tmall Supermarket)では、ペットフードに関連する商品の売上が春節前の2週間で50%以上も増加。また、ペット用の衣類の売上も同期間に60%増となり、中国の伝統的な上着のスタイルを踏襲したものや春節の定番カラーである赤色の服が人気となっていた。

また、1月1日から16日までの期間中、タオバオやTmall(天猫、Tモール)における「ペットとの年越しディナー」の検索回数は前年同期比42倍に到達したことが分かった。

ラグジュアリーブランドも継続してトレンド入り

ラグジュアリーブランドも継続してトレンド入り

海外ラグジュアリーブランドも春節限定品を発売している。

例えば、高級フレグランスメゾンCreedは中国のアートトイメーカーROBBiARTとコラボレーションし、限定フレグランス付きのアートトイを発売。この限定コラボ品には、今年の干支であるうさぎをモチーフにしたROBBiフィギュアに、Creedの代表的な香りであるシルバーマウンテン・ウォーターを染み込ませた取り外し可能なバックパックが付属している。

中国の若者の間で限定アートトイの関心が高まるなかROBBiARTは人気ブランドとなっており、2022年天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル期間中、アリババのTmallにおけるコレクターズトイの流通総額(GMV)は、前年同期比694%増と急増した。

中国では、ラグジュアリーは継続的なトレンドであり、またテクノロジーに親しんだ若年層の間で人気が上昇している。アリババのラグジュアリーブランド販売プラットフォーム、Tモール・ラグジュアリー・パビリオン(天猫奢品)では、中国の消費者が春節をテーマにした1,000以上のラグジュアリー品を閲覧していることが分かった。

旅行、ブランド品、食料品などあらゆるジャンルで大きな伸長を見せた今回の春節。コロナ渦の反動もありながらも、中国経済の勢いを伺える結果となったと言えるかもしれない。今後もアリババは消費動向を元にした需要分析によって、細やかな要望に柔軟に対応していくだろう。

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