コンビニ市場を狙うドンキ

小商圏にビックコンビニとして実験中


ドン・キホーテホールディングス(以下ドンキ)が、コンビニエンスストア市場を狙っているとロイターが報じている。

ドンキが展開しているコンビニは「驚安堂」(きょうやすどう)。ビッグコンビニとして、ドン・キホーテならではのワンストップショッピングを小商圏で実現する実験店として、現在4店舗で展開している。

小商圏は、商取引を行う範囲が半径1〜2km程度の小規模なもので、顧客の細かな把握や移り変わるニーズへのきめ細やかな対応が必要となる。マルエツはコンビニ程の広さの超小型スーパーを展開、イオンも同様の「まいばすけっと」を展開、大商圏のすき間を狙うと共に少子高齢化への対策でもある小商圏戦略がここ数年で激しさを増してきている。

価格や品揃えで既存コンビニとの差別化を図っている驚安堂は、売場面積が通常のコンビニ店舗より広く、食品、酒、日用消耗品、化粧品などに加え、衣料品や家電、玩具なども揃える。品揃えが店舗によって異なるあたりはドン・キホーテらしさが小商圏戦略として上手く活かせているように見える。

価格面と選択肢の多様性を掲げ、広い店舗で全く違うものをコンビニより安くと、コンビニへの強みを見せる驚安堂。大手コンビニチェーンだけでなく、大手スーパーなども含んだ小商圏バトルは、少子高齢化が進む今後更に激化することが予想される。
特に若者だけでない車離れは益々加速し、郊外のモールなど大型の商業施設へ赴く人は更に減少、人々の生活圏は確実に小商圏内がメインとなっていく。消費税10%化が先送りされたことでも明らかになったのは4月の8%増税後、更に強まった消費の2極化で、良いもの、価値あるものと捉えられている商品は好調に売れている。デニーズに登場した増税後の高額メニューや、セブン&アイの「金の食パン」などのヒットは記憶に新しい。

EC業界でもオムニチャネル元年と言われるほど、多様化する消費者ニーズに対応する新サービスが続々と登場している。あらゆる生活シーンにサービスが進出し、現代人の生活や習慣に新しい変化を起こす可能性を感じている。ドンキは驚安堂を10程度の実験店舗で検証後、多店舗展開に踏み切るかを決断するとしている。「すべてのお客様に「お買い物」を通じて「喜び」と「満足」を提供できる買い場を創造し続けます」というドンキは小商圏へ本格参戦するのか、今後が楽しみである。



-編集部-