大規模言語モデル活用プロダクト開発のための「AnyMind LLM Lab」が開設
AnyMind Group株式会社(読み:エニーマインドグループ、代表取締役CEO:十河宏輔、以下「AnyMind Group」または「同社」)は、大規模言語モデル関連技術を活用し、同社が提供する「AnyX」や「AnyTag」などへの実装を推進する「AnyMind LLM Lab」を開設したことを公表した。
ChatGPT活用のEC・マーケ支援サービスも提供
AnyMind Groupは、大規模言語モデル(LLM)関連技術を活用し、同社が提供するECマネジメントプラットフォーム「AnyX」やインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」などへの実装を推進する「AnyMind LLM Lab」を開設した。
「AnyMind LLM Lab」では、同社が保有するインフルエンサーマーケティング、オンライン広告、ECサイト・モール、物流などに関するデータと、大規模言語モデル(LLM)の技術を掛け合わせた同社ソリューションの機能及び提供価値向上を図るとしている。また、AnyMind LLM Lab開設と合わせて、ChatGPT等を活用したクライアント向けサービス提供も順次開始するとのことだ。
なお、今回の取り組みでは、同社において顧客情報や情報の機密性に配慮した形での運用を行う予定となっており、最新の動向とリスク対応策を踏まえた上で推進するとしている。
AnyMind LLM Lab 活動概要
同社は、今回の取り組みの社会実装に向けて下記のような活用を想定しており、今後サービスとしてクライアント向けに提供していく予定としている。
◆概要
▷AnyMind Groupが展開する各プラットフォームへのLLMの導入・検証
▷LLMを活用した新規事業・プロダクト開発機会の模索
▷自社ECサイト・ECモールにおける販売・出荷などの各種データとの連携による、売上収益最大化及び限界利益最大化に向けた機会の検討
▷各プラットフォームと連携した、新規顧客獲得の効率化及びLTVの最大化
▷テキストと画像の取り込みによる、各SNSプラットフォームデータとの連携、分析、データ活用の模索(予定)等
◆例:EC展開商品の販売促進に向けた活用
▷展開商品の購買情報及びSNSでの口コミデータを「AnyX」及び「AnyTag」にて抽出
▷ChatGPTの活用により、ユーザーの購買行動・口コミの傾向を割り出し、グルーピングを実施
▷下記アウトプット及びマーケティング施策改善に活用
・デザイン・価格・機能など、複数の訴求軸からのポイント割り出しによるマーケティングプラン策定
・オンライン・SNS広告クリエイティブの制作・文言策定への活用
・抽出データと同社実績データを元にした最適なインフルエンサーの選定・キャスティング
・抽出データと同社知見を元にした動画広告向けシナリオ制作
・抽出データと同社実績・知見を元にした、効果的なSNS投稿内容の導出
◆今後、活用・技術実装を行う予定の同社プラットフォーム
▷ECマネジメントプラットフォーム「AnyX」
▷会話型コマースプラットフォーム「AnyChat」
▷インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」
※他プラットフォームにおいても、順次LLM技術の活用を推進予定
非常に大きなインパクトを生み出せる
公表に際して、Managing Director of Product Developmentの竹本龍司氏は次のようなコメントを出している。
「当社は創業当初よりLLM技術の実装を模索・推進してきましたが、マルチモーダルを初め、今後さらに柔軟な活用ができると予想されるGPT-4は、当社の事業領域及び保有しているデータなどとの相性は非常に良いと考えています。当社はアジアを中心として、EC・マーケティング領域を中心とした幅広いデータを蓄積しているため、LLMの理解及び活用を進めることで、各クライアントに向けて、非常に大きなインパクトを生み出すことができると考えています。本取り組みでは4拠点にまたがる当社開発チーム内での連携を強め、提供価値拡大を図ってまいります」
昨今、LLM関連技術は急激な進化を続けており、OpenAI社が開発する大規模言語モデルを用いた高度な対話型AI「ChatGPT」の提供開始及び「GPT-4」の公開、生成AI(Generative AI)サービスの台頭により、言語理解、文章生成、質問応答、翻訳など、様々な分野での活用が目指されている。
一方、同社は、これまでアジア13カ国・地域19拠点において、EC・マーケティング領域を中心に1000社以上の支援を行ってきた。また、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」では現在、アジアを中心に世界54万人以上のインフルエンサーにアクセスすることが可能となっている。さらに同社は、以前より開発・提供する各プラットフォームにおいて、LLM技術の実装を推進しており、ChatGPTの機能活用により、各機能は大きく改善・進化すると述べている。
今回、開設された「AnyMind LLM Lab」では、同社が保有するインフルエンサーマーケティング、オンライン広告、ECサイト・モール、物流などに関するデータを、迅速かつ柔軟に活用するものとなっており、最新の大規模言語モデルを活用したEC関連サービスの創出と提供価値向上に向けた取り組みに各方面から視線が集まりそうだ。