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楽天RMSとは?機能の概要とメリット・デメリットなどの成功ノウハウを徹底解説
楽天市場でのネットショップ運営に欠かせない楽天RMS。
楽天RMSは、店舗運営を円滑に行う目的で開発されたシステムで、機能や特徴を理解して上手に活用することができれば、さらなる売り上げアップも期待できます。そこで今回は、楽天RMSの基本的な機能からメリット・デメリットまで詳しくご紹介していきます。
記事の後半には、楽天市場でネットショップを成功させるポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
楽天RMSとは?
楽天RMSとは「Rakuten Merchant Server」の略称で、効率的にネットショップ運営を行うためのシステムを言います。
Chromeやsafari、Internet ExplorerなどのWebブラウザから管理画面を開き、商品の追加や在庫などの情報を管理する仕組みです。
楽天RMSの特徴は、Webブラウザから管理画面に入ることができるため、ソフトウエアをダウンロードする手間がないことが特徴で、インターネット環境があればいつでも管理画面へログインすることができます。
また、楽天RMSは、受注管理だけでなくネットショップの立ち上げから集客、販売促進までの幅広い機能を搭載しています。知識や経験がなくてもスムーズに店舗開設ができ、楽天RMSを使いこなせば、業務の効率化や売上向上にも効果的です。
楽天市場以外にも類似する管理システムとして、Amazonはセラーセントラル、Yahoo!ショッピングには、ストアクリエイターやストアクリエイターProがあります。
楽天RMSの4つのメイン機能
楽天RMSには、店舗運営を効率的に進めるための主軸となる以下4つの機能があります。
引用:https://ul-logi.jp/blog/logistics/what-is-rakuten-rms/
それでは、具体的に楽天RMSにはどのような機能があるのかそれぞれ見ていきましょう。
店舗構築(R-Storefront)
1つ目は、楽天市場に出店するための店舗を構築する機能です。
ECサイトのレイアウトや販売する商品の配置、おすすめ商品のピックアップなど、商品販売を行う上で必要不可欠となる作業を楽天RMS上で行うことができます。店舗構築(R-Storefront)では、既存のテンプレートが用意されているため、サイト構築の知識が無くてもPCの基本操作ができれば簡単に店舗の構築が可能です。また、PC版だけでなく簡単にスマートフォン版の店舗も制作できるという魅力もあります。
受注管理(R-Backoffice)
2つ目は、楽天市場内で購入された注文された商品の受注管理を行う機能です。
受注管理(R-Backoffice)では、注文があった商品をカテゴリ別に分類・絞り込む機能や、購入確定後のサンクスメール、帳票の作成、発送業務、決済サービスの連携など、多岐にわたる作業を迅速かつ正確にシステム上でサポートしてくれます。また、以下のように現状のステータスを可視化できる機能も特徴です。
【受注処理】
・処理中
・処理済み
・キャンセル
【処理中】
・注文確認待ち
・楽天処理中
・発送待ち
・変更確定待ち
ステータスが可視化できるため、発送漏れなどのミスを防ぐことができます。
データ分析(R-Karte)
3つ目は、蓄積されたユーザー情報をデータとして分析できる機能です。楽天RMSでは、売上を以下の計算方法から算出し分析を行います。
売上=「アクセス人数」×「転換率」×「客単価」
「アクセス人数」「転換率」「客単価」については以下の通りです。
・アクセス人数
店舗に訪れたユーザーのデータで、店舗へのアクセス数だけでなくページに訪れた経路やアクセスの多い商品ページも分かるようになっています。
・転換率
転換率とは、店舗に訪れたユーザーが商品を購入した割合のことで、「購入者数÷アクセス数」で算出することができます。楽天RMSでは、同一ジャンルの上位商品と比較し、売上における伸びしろを分析することが可能です。
・客単価
客単価とは、1人のユーザーが1度に支払う商品の平均金額のことを言います。
もちろん、店舗側にとっては購入金額が多いほど良いですが、ユーザーにとっても、まとめ買いができる店舗は、利便性が高いと判断できるでしょう。客単価が上がれば、効率的に売り上げを伸ばすことができるようになります。
メルマガ配信(R-Mail)
4つ目は、メルマガ配信機能です。ネットショップでは、直接ユーザーとコミュニケーションが取れないため、メールを通じて、定期的にお役立ち情報やイベント案内、セールのお知らせなど配信していきます。楽天RMSでは、蓄積したメールアドレスから、興味・関心が高い顕在層に絞ってメールを一斉送信することが可能です。
その他の魅力的な機能
上記で上げた機能が楽天RMSの4つのメイン機能になりますが、魅力的な機能はそれだけではありません。その他の、店舗運営を円滑に行う便利な機能についてご紹介します。
・画像登録管理機能
画像登録管理機能とは、店舗ページで使用する商品の画像や、メルマガ配信の際に添付する画像を登録管理できるシステムです。登録した画像は、サイズ変更などのカスタマイズや画像の一括登録・削除も行えます。必要な画像は一覧から検索することができるなど、効率的な画像管理が可能です。
・動画登録管理機能
動画登録管理機能は、上記で挙げた画像登録管理機能の動画版になります。様々な形式の動画が管理でき、スマートフォンで撮影した動画をそのまま掲載できるなど手軽さが特徴です。しかし、アップロードできる動画サイズに上限(200MBまで)があるため注意しましょう。
・CSVデータダウンロードサービス
CSVデータダウンロードサービスは、帳票の作成や宛名ラベルの印刷、自社システムとの連携など、受注管理機能(R- Backoffice)からのデータ抽出に便利な機能です。受発注や配送に関わるデータ抽出に活用することができます。
・RMS商品一括登録サービス
RMS商品一括登録サービスは、大量のページや商品を一括で登録、削除できる機能です。受注管理機能(R- Backoffice)での編集作業をCSVファイルをアップロードすることで処理できる仕組みとなっています。
楽天RMSのメリット
楽天RMSを利用することは、楽天市場へ出店することと同じ意味になります。
続いては、楽天RMSを利用するメリットについてご紹介します。
主なメリットは以下5つです、
・楽天の圧倒的な集客力を利用できる
・楽天が開催するキャンペーンへ参加できる
・初心者でも簡単に楽天RMSを操作できる
・自由度の高いショップページが作れる
・サポートが充実している
それぞれ詳しく説明していきます。
楽天の圧倒的な集客力を利用できる
楽天市場は、AmazonやYahoo!ショッピングなどと並んで巨大ECモールであるため、非常に多くの人が利用しています。店舗運営において、どれだけ多くの人に認知してもらえるかが重要なポイントとなりますので、認知度の高い楽天市場と楽天RMSのマーケティング機能をうまく活用することで売り上げアップが見込めるでしょう。
楽天が開催するイベントへ参加できる
楽天市場では、定期的に「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」といったイベントが行われます。TVCMが放送されたり、SNSでも話題になるため、多くのユーザーが楽天市場を訪れる期間になります。
こうしたイベントに積極的に参加することで売り上げアップが期待できるだけでなく、ユーザー情報をデータ分析することで、今後の店舗ページの改善や新規顧客へのマーケティングに繋げることが可能です。
初心者でも簡単に楽天RMSを操作できる
楽天RMSは、ECサイト運営の経験や特別な知識がなくても直感的に操作できるシステムが魅力です。
そのため、手軽に店舗ページの立ち上げや受注管理、データ分析などの機能を操作することができます。また、操作方法や手順はステップ形式で案内してくれるため、初めての方でもすぐに使いこなすことができるでしょう。
自由度の高いショップページが作れる
楽天RMSでは、簡単に店舗を開設できるだけでなく、ページのカスタマイズ性が高いことも特徴です。店舗ページや商品ページは、訪れたユーザーが商品を購入する際の重要な判断材料となりますので、デザイン性や利便性などを考慮して自由にページを制作できる点はメリットだと言えます。
また、無料で登録できる「楽天GOLD」を利用すれば、文字数やHTMLの制限がなくなるため、さらに自由度の高いページを作ることが可能です。
サポートが充実している
楽天RMSには、コールセンターが用意されています。万が一、不具合があった場合や、操作についての疑問が出てきた場合でも直接オペレーターに繋がるため安心です。コールセンターの対応時間については以下の通りです。
受付時間:9:00〜20:00(平日)、9:00〜18:00(土日祝)
専任のオペレーターが対応してくれるため、楽天RMSについて少しでも不安や不明点がある場合は、コールセンターを活用していきましょう。
楽天RMSのデメリット
楽天RMSには、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットとして挙げられるのは以下の2つです。
・独自の機能が多く操作に慣れるまでに時間がかかる
・ショップ開設までに手間と時間がかかる
それぞれ詳しく解説していきます。
独自の機能が多く操作に慣れるまでに時間がかかる
楽天RMSの機能は、楽天市場で店舗運営を行うことに特化したシステムであるため独自の機能が多いです。他のECサイトを利用している場合は特に、操作に慣れるまで戸惑ってしまうケースもあるでしょう。
対策としては、操作に慣れるまで出店は楽天市場のみとするか、複数のECサイトを一括で管理できるシステムがありますので、そのような便利ツールを活用してデメリットをカバーするのがおすすめです。
ショップ開設までに手間と時間がかかる
楽天RMSは、自由度の高いページ制作ができる点がメリットだとご紹介しましたが、裏を返せば自由度の高いページの制作には手間や時間が必要となってきます。とは言え、同じジャンルを扱う競合サイトとの差別化も必要となるため、店舗ページは手を抜くことができません。
そのような場合は、楽天市場の特徴を理解しているページ制作のプロへ外注することも視野に入れて検討してみるのも良いでしょう。
楽天RMSを活用してショップ運営を成功させる4つのポイント
続いては、楽天市場においてショップ運営を成功させるための大切なポイントについて解説していきます。成功させるための重要なポイントは以下の4つです。
・楽天RMS内で利用できる広告を活用する
・商品レビューをチェックし改善
・楽天RMSから顧客分析を行う
・楽天RMSから定期的にメルマガを配信する
それでは、それぞれ詳しく見ていきます。
楽天RMS内で利用できる広告を活用する
圧倒的な集客力を持つ楽天市場ですが、さらに売り上げを高めるには広告を上手く活用することも重要です。楽天市場は、販売実績の観点から検索結果の上位が決まる仕組みのため、出店してすぐに上位を狙うことは難しいため、そのような場合におすすめしたいのが広告です。
楽天RMSでは、主に以下の広告を利用することができます。
・RPP広告(検索連動型広告)
・楽天CPA広告(効果保証型広告)
・クーポンアドバンス広告(運用型クーポン広告)
・ターゲティングディスプレイ広告
RPP広告と値引きクーポンは、検索結果に反映される仕組みになっているため活用する店舗が多いことが特徴です。広告はコストはかかるものの、中長期的な店舗運営を考えると認知拡大や実績の蓄積に効果が期待できます。
楽天RMSから商品レビューをチェックし改善
購入後の商品レビューは必ずチェックしましょう。ネットショップでは、直接ユーザーとコミュニケーションを取りながら購入まで誘導することができません。楽天市場に限らずネットショップ運営全般に言えることですが、店舗を利用したユーザーの声を聞き、積極的に意見を取り入れることが重要です。また、楽天RMSから送信可能なレビューへの返信も忘れてはいけません。ユーザーの意見を基に、販売戦略を練り直すことができれば、顧客単価や満足度の向上も期待できるでしょう。
楽天RMSから顧客分析を行う
メイン機能としてもご紹介しましたが、楽天RMSを活用して顧客のデータ分析を行いましょう。楽天RMSでは、店舗カルテから売上の高い商品や購入者の属性、流入経路などを円グラフや棒グラフを用いて、分かりやすく表示させる機能が備わっています。顧客動向を分析する時間を定期的に設けることで、ユーザーのニーズに合った最適な策を打つことができるでしょう。
楽天RMSから定期的にメルマガを配信する
メルマガ配信の大きな目的は、リピーターへのアプローチです。新規顧客を開拓するだけではいずれ限界が来てしまうため、長期的な店舗運営を考えるのであれば、リピーターを増やすことが重要な要素となります。メール配信は、1通1円で配信できるものや、楽天が指定する条件を満たせば無料で配信することも可能です。費用を抑えてできる効果的な施策となるため、積極的にメルマガ配信を活用していきましょう。
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まとめ
楽天RMSのメイン機能やメリット・デメリットについてご紹介しました。楽天RMSの機能には、店舗の構築から受注管理、顧客データの分析やメルマガ配信などのマーケティング機能まで搭載しているのが特徴です。分析したデータと楽天市場の圧倒的な集客力を上手に活用して、より良い店舗づくりを行っていきましょう。