FBA・RSLの納品代行とは?利用メリットや選び方、おすすめ代行業者まで
Amazonには「FBA」、楽天市場には「RSL」と、それぞれのモールでフルフィルメントサービスが展開されています。FBAやRSLはどちらも配送業務を出品者の代わりにおこなってくれる便利なサービスですが、近年ではFBAやRSLの納品代行サービスも注目を集めています。本記事では、FBAやRSLの概要をはじめ、納品代行サービスの利用メリットや選び方、おすすめの業者を紹介します。
FBAとは
FBAは「フルフィルメント by Amazon(fulfillment by amazon)」の略で、Amazon内に出品している商品の保管や配送をおこなってくれる物流サービスのことです。そもそも「フルフィルメント」とは、おもにECサイトやTVショッピング、通販などの受注受付や在庫管理、梱包、配送などの一連の業務をおこなうことで、アフターフォローなどの顧客対応も含まれます。
FBAはAmazonが提供するフルフィルメントで、対象者は「Amazon出品者」となり、Amazon出品者以外は利用できません。利用の際は出品者用アカウントを作成後セラーセントラルからFBAに申請し、Amazonフルフィルメントセンターに商品を発送する流れとなります。
なお、Amazonに出品していれば、小口出品・大口出品のどちらの出品プランでも申請可能です。
RSLとは
一方、RSLは「楽天スーパーロジスティクス(Rakuten SUPER LOGISTICS)」の頭文字をとったもので、楽天市場の出店者向けの物流代行サービスです。FBA同様、ECサイトや通販で販売している商品を消費者に届けるまでの一連の物流業務を、自社のかわりにおこなってくれます。
RSLが所有する倉庫は現時点(2023年4月)で「千葉2拠点」「神奈川」「大阪2拠点」「福岡」の全国6拠点。また、RSLを利用すると100サイズまでの荷物を全国一律380円で配送できたり、あす楽対応・365日出荷が可能になったりと、消費者への物流品質向上にも期待できます。
なお、RSLの利用には以下の2つの条件をクリアしている必要があります。
●楽天市場への出店
●受注管理システムの導入
また、RSLではAmazonやYahoo!ショッピングなど、ほかのモール注文分も追加料金なし・同一料金で出荷対応してくれます。
FBA・RSL納品代行とは
FBAやRSLは便利なサービスのため利用している方も多いでしょう。しかし、その一方で商品を倉庫に納品する際の配送料や、倉庫までの発送業務の負担を感じている方もいるかもしれません。
FBA・RSL納品代行サービスは、自社の代わりに商品をFBAもしくはRSLの倉庫に納品してくれるサービスです。トラックの手配やFBA専用ラベルの貼り付け、検品、梱包など、FBAやRSLへの納品に必要な業務を自社の代わりにおこなってくれます。
FBA・RSLに納品するための業務をほぼ外注化できるのが、FBA・RSL納品代行サービスの最大の特徴といえるでしょう。
FBA・RSL納品代行を利用するメリット
以下では、FBA・RSL納品代行サービスを利用するメリットについて紹介します。物流業務の改善を目指している方は、具体的なメリットを参考に導入を検討してみましょう。
物流の業務負担が軽減される
FBA・RSL納品代行を利用すると、物流業務における負担が大幅に軽減されます。商品を消費者に届けるまでの物流業務には、在庫管理・受注処理・検品・梱包・出荷など、細々としたタスクがあります。
これらの作業をすべて代行サービスにまかせることで、それまで担当していたスタッフをマーケティングや販促など、売上アップにつながる業務にまわすこともできるでしょう。
また、キャンペーンなどによる注文の急激な増加時も、FBA・RSL納品代行に物流業務を任せることで配送の遅延やミスなどの削減につながります。
代行業者によっては配送コストを削減できる
近年さまざまなコストが上昇するなか、FBAやRSLへの納品にかかる配送料を負担に感じている企業や事業者も少なくないでしょう。多くのFBA・RSL納品代行サービスでは、運送企業との大口契約を結んだり集荷方法を工夫したりしています。
そのため、自社から直接FBA・RSLの倉庫に送るよりも、納品代行サービスを利用するほうが配送コストがおさえらえることもあります。
リードタイムの短縮が期待できる
よりスピーディな配送が消費者へのブランドイメージに大きく影響する今、リードタイムの短縮は売上を左右する1つの要素といえます。自社から商品をFBA・RSLの倉庫に納品する場合、会社の定休日には物流業務もストップすることになるでしょう。
しかし、FBA・RSL納品代行では週末にも対応しているサービスもあり、リードタイムの短縮に期待できます。FBA・RSL納品代行の利用により物流品質が向上すると、競合他社との差別化にもつなげられるでしょう。
FBA・RSL納品代行サービスの選び方
FBA・RSL納品代行サービスをおこなっている業者はたくさんあり、どの業者が自社に最適か判断できない方も多いと思います。以下では、FBA・RSL納品代行サービスを選ぶ際に着目したいポイントを紹介します。
より効率的にFBA・RSLを活用するためにも、無駄のない納品代行サービスを選びましょう。
費用
それぞれのFBA・RSL納品代行サービスでは、料金システムや設定されている費用が異なります。そのため、費用面でどのサービスがもっともコストパフォーマンスがよいのかを確認しておきましょう。
必ず「基本料金」や「配送料」をチェックし、そのほかオプションとなることの多い、「ピッキング」や「説明書の封入」などの料金も確認しておくと安心です。
FBA・RSLに納品されるまでのオペレーション
FBA・RSL納品代行サービスへの商品の渡し方や入庫後、FBAやRSLに出荷・納品されるまでのオペレーションも確認しておきましょう。もし自社で実施している細かなオペレーションが難しい場合、のちのちトラブルに発展するかもしれません。
費用対効果を高めるためにも、希望するレベルで対応してくれるサービスを選ぶのがおすすめです。
サービス内容・倉庫の機能
FBA・RSL納品代行サービスによって、提供しているサービス内容や倉庫が備えている機能が異なります。そのため、「どのような業務を依頼したいか」などの目的を決めて、「扱っている商品に対応しているか」をチェックしておきましょう。
当然ながら、食品などの温度管理が必要な場合、商品に対応した温度帯の倉庫を利用しなければなりません。事前に納品代行サービスを利用する際の必要条件を洗い出しておくと、比較検討がスムーズになります。
FBA・RSL納品代行サービスおすすめ5選
ここからは、おすすめのFBA・RSL納品代行サービスを5つ紹介します。物流代行業者として実績のある会社も多いため、物流に関する改善点を抱えている方もぜひチェックしてみてください。
株式会社JCC
https://www.e-jcc.jp/fba-service/
株式会社JCCは、福岡に拠点をおく発送代行業者です。福岡県内に4つの物流倉庫があり、長年の発送業務で培ったノウハウと技術力を生かし、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングに特化した発送代行サービスを提供。
商品の保管期間は到着日から7日間は無料で、以降は1パレット(110×110×110〜150cm)で3,300円/月の保管料がかかります。FBA禁止商品以外であれば取り扱い可能で、法人・個人の両方に対応しています。
また、九州山口の通販ショップであれば、月30個からの発送代行サービスが初期費用0円で利用できる、「EC代行九州」もチェックしてみるとよいでしょう。
オープンロジ
https://service.openlogi.com/
食品やアパレルなど幅広い業界の物流業務を代行している、オープンロジ。FBA利用者が悩みやすい「保管可能な在庫数の制限」「流通加工の対応」「入庫作業」などを、すべておこなってくれるため、自社では入庫指示のみで物流業務が完了します。
商品のセット組みや流通加工にも対応しており、自社での業務を削減しつつ配送品質の向上にも期待できるでしょう。小ロットでも初期費用・固定費はなく、物流状況にあわせて金額が変わる「従量課金制」が採用されています。
ロジスピ
https://logisp.jp/
ロジスピは、個人や中小企業向けのEC物流代行サービスをおこなっている会社です。見積もりの電話などは一切不要で申し込みから1日で利用開始できるため、物流代行サービスをすぐに使いたい方におすすめです。
固定費は0円でAmazon出品・納品プランは初期登録費用5,500円(税込)。保管料や配送料はサイズによって異なりますが、使ったぶんだけ支払う料金システムのため無駄なコストをかけることなく利用できるでしょう。
Amazon以外では、楽天市場への納品に対応しています。
関通
https://www.kantsu.com/
兵庫県尼崎市に本拠地をかまえる、EC・通販物流支援サービスの関通。物流アウトソーシングや独自開発システムの提供、コンサルティングなど幅広い事業を展開しているなかの1つに「FBA納品代行サービス」があります。
納品予定の登録やピッキングデータの作成をおこなっておくと、関通側でデータを取り込み、その後の一連の作業に対応してくれます。また、関通ではFBA納品以外にマーケットプレイスにも対応しているため、Amazonへの出品代行を探している方もチェックしてみてください。
ECのミカタ
https://ecnomikata.com/
EC・通販業界のビジネスポータルサイト「ECのミカタ」では、シェアリング・エコノミーの発想から低コストでのFBA納品代行サービスを提供しています。ECのミカタが用意するチャーター便が、各EC事業者をまわって商品を集荷し物流センターへ回収。
物流センター内でAmazonのフルフィルメントセンターごとに商品を仕分けし、納品用のチャーター便で納品します。「集荷も納品も複数の事業者で1つのチャーター便を使う」ことで配送コストをおさえ、事業者が利用しやすい仕組みを構築しています。
まとめ
Amazonへの出品にFBAを使っている企業・事業者は多いものの、思いのほか複雑に感じている方も多いでしょう。物流業務は裏方ではありますが、消費者が企業や事業者に抱くイメージに直結する要素でもあります。FBA・RSL納品代行サービスを利用することで業務負担の軽減や、配送コストの削減につながります。物流業務の効率化を図りたい方は、今回紹介したFBA・RSL納品代行サービスをぜひチェックしてみてください。
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